部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

がおがお










とある日

「がお〜」
「……」
「がおがお」
「……なぁ、何をしているんだい七海?」
いきなり奇妙な叫び声をあげてきた我が彼女、七海。
「そりゃ怪獣ごっこですよ〜
今の私は怪獣ナナミンですよ? がお〜」
と両手を前に出して俗に言う怪獣のポーズを取っていた。
「だから、その服なのね……」
そうなのである。
目の前にいる七海は何故か怪獣を模した着ぐるみを
着ているのである。
モデルの怪獣はトカゲが大きくなった国民的な怪獣であり
その顔部分から七海の顔が出ていた。
「というか、それいつ買ったの?」
「最近買いました〜ちなみに与謝野先輩や凛子も
色違いのお揃いを買いました〜!!」
「……何をしているんだい、君達は……」
僕は深いため息をついた。
というか与謝野さんは買いそうだが、凛子さんまで
買ったのか……? 謎だ。
「がおがお?」
と首を横に傾ける七海。
「そして何故、その言葉づかいなのか気になるが
ツッコミを入れたらダメなのだろうな……」
「えっへん!! 可愛いでしょ?」
まぁ、可愛いのは否定しない。
その着ぐるみがかなりモコモコしてそうなのと
さっきから謎の叫び声"がお〜"が可愛くて
呆れながらも和んでいた。
(まぁ可愛いんだよね……)
「という事でしばらく怪獣らしく暴れます。
がお〜!!」
と言いながら、僕に向かって突進してくる。 
「……何故?」
「うがぁ〜食べちゃうぞ〜」
「やれるもんならやってみな?」
「ガプガプ」
七海が僕の腕に軽く噛みついてきた。
「って、本当に噛みつくんかい!?」
とりあえず僕は七海を僕の腕から引き剥がした。
「ちょっと何するんですか〜私の楽しみを!?」
「それ僕のセリフだからな!?」
「だってセンパイが"やれるもんならやってみな"
って言いました〜だから噛みつきました!!」
「……まさか本当にやるとは思ってなかったよ」
僕は本日2回目の深いため息をついた。
「がおがお?」
「そこで可愛く首を横に傾けない!!」
「がおがお!!」
「そして今度は自慢げに威張らない!!」
さっきから人語が少ない気がするのだが気のせいか?
「襲わせろ〜!!」
とまた僕に向かって突進してくる怪獣ナナミン。
「させるか!?」
僕は怪獣ナナミンを掴むと突進の勢いをそのまま使い
僕のベッドに放り込んだ。
「ぎゃー!!」
見事にベッドにダイブした怪獣ナナミン。
……正確にはダイブさせられたのだが。
「はぁ……疲れた」
「きゃ〜私襲われちゃう〜センパイに襲われちゃう〜
くるかな〜くるかな〜!!」
ベッドの上で足をバタバタさせる七海。
「……というかね、七海? 君は怪獣じゃなくても
日々暴れているからね?」
「はい?」
「……先週の掃除で僕の掃除増やしたのは誰かな?
あの時の後始末したの誰かな〜七海?」
先週、僕の部屋を掃除する際に七海が自ら手伝うと
言ってきたのだが、彼女が本棚を倒したせいで
めちゃくちゃ掃除する量が増えた。
「あ、あれ〜が、がお〜怪獣ナナミンだよ〜?」
「……」
「がおがお〜?」
「今日の晩御飯無しね」
「がおがお!? そんな〜センパイの薄情者〜!!」
「僕も色々とやらなきゃいけないんだよね〜
……怪獣ナナミンの退治とかね〜?」
「あ、あれ〜ひ、ひょっとして私今ピンチ……?」
「まずはーー」
僕は手首を軽く回して、こう言った。
「襲うか
ーーさて覚悟しろよ?」
と僕が七海に近づくと、彼女は少しずつ後ろに行った。
「ち、ちょっとセンパイ〜?
落ち着いて……
ーーぎゃー!!」

この後、僕は怪獣ナナミンを退治した。
……なお倒し方はここには書けない方法なので
省略させていただく。









七海の話はもう少しお待ちください・・・

コメント

  • あいす/Aisu

    森先輩と凛子さんのいちゃいちゃ見たいなぁw

    3
  • ペンギン

    七海が早くみたいですw

    3
  • ミラル ムカデ

    凛子さんのも書いてくださいね!

    6
  • Qual

    これの凛子さんver.が見たいです!

    4
  • Yori

    怪獣ナナミン想像しただけで可愛すぎる!
    1日1甘?ありがとうございます!

    7
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