部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

暴走するのも可愛い

気がついたら200話になる・・・

今回は森と凛子の話です。

まぁ今回も甘いんですけどね!!








それはとある日

(き、今日は久しぶりに江國さんとのデートだ!! 楽しみ過ぎて半ば徹夜だ……)
家を出る前に何度も鏡を見直して、服装や髪型を
確認したものだ。
そんな感じでウキウキして待っていると向こう側から
誰かが走ってくる姿が見えた。
(あっ、江國さんだ)
と俺が手を振ろうとした瞬間
「うわっ」
江國さんは転んだ。
(えっ……? 今何で転んだ? 周りに転ぶ要素ある?)
色んな疑問があったが、とりあえずは江國さんの元に
行く事にした。
「だ、大丈夫かい江國さん?」
「痛たたた……えっも、森先輩!?
何でここにいるんですか!?」
俺の彼女は心底驚いた様子だった。
「いやいや今日俺らデートだよね!?
俺の妄想じゃないよね!?」
「あ、そ、そういえばそうでしたね!!
って事は私が転んだ瞬間見ました」
「い、いや見てないぞ?」
(悪い、がっつり見てたよ)
「よ、よかった〜見られていたら私死んでましたね」
「そんなに!?」
(なおさら言えないじゃねぇか!!)
「だって恥ずかしいじゃないですか!!
大好きな彼氏の前で何もない場所で転ぶんですよ!?
恥ずかしくて死にたくなります!!」
「あっ……やっぱり何も無かったのか」
「何か言いましたか?」
「い、いや!? べ、別に!?」
(バレたらまた江國さんが変に暴走する……!!
まぁ暴走するのも可愛いのだけど!!)
「……? 分かりました? じゃあ行きましょうか?」
「そうだな」
と俺達は手を繋ぎ目的地に向かった。
(やっぱ、江國さんって手柔らけぇ〜)
そう思ってしまったのも秘密だ。



俺らが向かったのは俺らが所属しているキャンパスから
1時間ぐらいの距離にある大型アミューズメントパークだ。
そして今回は江國さんが行きたいと言ってきたので
目的地にした。
「すげぇ〜やっぱり沢山あるよな〜」
「これなら一日中いても飽きませんね。
あっ、森先輩これやってみてはいかがでしょうか?」
と江國さんが進めてきたのは殴って威力を測る
パンチングマシンだった。
よく国木田先輩や織田と一緒にやっていた。
(よっしゃあーー!!良いところ見せてやるぜ!!)
俺は意気込み、姿勢を整えて……
「リア充爆ぜろ!!」
と言いながら殴った。
すると歴代最高得点が出た。
「よし!!上手くいったぞ!!」
「いやいや!? 何故掛け声がそれなんですか!?」
「いや〜今までこれでやってきたからな〜」
「……森先輩、一応私達も世間的には
り、リア充だと、お、思われるのですが……」
「あっ……確かに……ソウデシタネ」
(しまったーー!! 今までのノリでやっちまった!!
後ろに江國さんいたよ!?)
「何故カタコトなんですか……?」
江國さんにジト目で見られた。
「と、とりあえず江國さんもやってみたら?
一応女性用のモードもあるみたいだし……」
と話をそらすために江國さんに勧めてみた。
「わ、私ですか?私あまり力無いですし……」
「大丈夫だって、イラッとした事を頭に浮かべれば
意外と力が出るよ?」
この時の俺は半ば冗談で言っていた。
「イラッとした事……七海……あの子は……!!」
「あ、あれ?江國さん?」
「いい加減にしなさいよーー!!」
江國さんのパンチはいい具合にマシンに入った。
あぁ、とても良い具合にジャストミートした。
そういえばよく平塚にアイアンクロー決めていたよ
俺の彼女……
「よし、森先輩、中々良い点数出ましたね。
ふぅ〜このゲーム、ストレス発散には結構いいですね。
参考になりました」
「あ、あぁなら良かった……とても」
(決めた、俺は江國さんを怒らせない様に
気をつけないと……)
心の中で決心をしたのだった。

次は江國さんか得意なクイズ系のゲームに向かった。
協力してやるはずだったのだが
「タイガ」
「正解〜!!」
「マルクス・アウレリウス・アントニヌス」
「正解〜!!」
「クリケット」
「正解〜!!」
「徳川光圀」
「正解〜!!」
「……」
問題が出た瞬間に答える、我が彼女の圧倒的強さ。
俺は最早観客になっていた。
(江國さん、頭いいーー!!)
1人心の中で歓喜していた。

次は音ゲーを始めた。
二本のバチを持って、太鼓の形をした機械を叩く
ゲームなのだが……
「江國さん、大丈夫?」
「えいえい、あ、あれ?おかしいな……
この機械がおかしいんですね、きっと、ええきっと」
江國さんは必死に叩いているが、タイミングが
全然一致していない。
(頑張っているのは見ていてよく分かるぜ?
そして必死にポコポコ叩いているのをめちゃくちゃ
可愛いとも思う。でもね……)
「私は下手じゃない、そうだ。そのはず
そうですよね森先輩!?」
「あ、あぁそうかもしれないな………」
(江國さんは音ゲーが多分めちゃくちゃ苦手だ!!)

そしてひとしきり遊んだ後、俺らは駅まで手を繋ぎ
歩いていた。
「いや〜遊んだな〜」
「あの機械のタイミングが悪いはず……
私は決して下手じゃない」
江國さんはまだあのゲームを引きずっていた。
「アハハ……とりあえず今日は楽しかったな」
「ええ、そうですね……」
とやや暗い顔をする江國さん。
「あ、あれまだあのゲーム引きずっている?」
「そんな訳無いじゃないですか!?
何ですか先輩は!? 繊細な乙女の心をいじめるのが
好きなんですか!? そうですか、よろしい
なら私をいじめてもらっても構いません!!」
「話が飛躍のレベルじゃねぇ!?」
どうしてそんな解釈になった?
「ほら、ここに合法的にいじめていい彼女が
いるんですよ!? さぁさぁどうぞ!!」
「合法的って何よ!?」
「そ、それはお互いの了承があって……
って私は何を言っているんだ〜!!」
と頭を抱える俺の彼女。
「江國さん、落ち着いてって……」
「お、お、落ち着け私、やれば出来る私……
為せば成るんだ私」
「何をするつもりなんだ……」
たまにだが彼女が分からなくなる俺だった。
「も、も、森先輩!!」
「は、はい!?」
「少しかがんでもらえますか!!」
「屈む……?何で?」
「いいから早くしてください!!
私をいじめたいんですか!? よろし」
「分かった分かった!!」
江國さんが暴走する前に俺は素直に従う事にした。
そして屈み、江國さんと同じ目線まで頭を下げた。
「よ、よし!! 行くよ、私……!!」
「だからなん」
と今度は俺が言い終える前に、口が塞がれた。
驚いて目の前を見ると、江國さんがキスをしていた。
(えっ……えっ!?)
「ぷはっ」
「え、え、え、え、え、え、江國さん!?」
(今、キスされたんだよな……?
えっ、はっ、えぇ〜!!)
「き、き、き、今日は楽しかったです!!
今度はこれ以上の事をしてみます!!
そ、それじゃま、また!!」
と走り去っていく江國さん。
「い、いや待て!?
ちょっと今なんでした!?
てかこれ以上ってなんなんだ!?」
なんか男だから色々と気になるんだけど!?

その後、江國さんを追いかけたのだが
結局先に電車に乗られてしまったようだった。










ショートストーリー〜逃げた彼女〜

「つ、つ、つ、ついにしちゃった!!」
私は先輩にキスをした後、全力で走り
そして駅の中に隠れた。
自分でもかなり大胆だったと思う。
だけど、抑えられなかった。
ーーあの人の横顔がカッコよくて
自分でも我慢できなかった。
「でもよかった・・・」
私は自分の唇に触れてみた。
まだ若干森先輩が残っている気がした。
「もう一度したい・・・森先輩と」
と思ったところでさっきの自分の発言を
思い出す。
「今度はこれ以上の事をしてみます・・・
って私は何を言っているのーー!!」
変な彼女って思われたよね!?
絶対そうだ!!
「私のバカーー!!」

その後、私自身による自己嫌悪は
しばらく続いた。

コメント

  • ノベルバユーザー81968

    デートで徹夜か....ふっ、いいなぁ俺はテストとゆう恋人と明日デートするから徹夜だな(`・ω・´)ゞ

    4
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