部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

うぇぇぇーーん!!


今回は平塚視点です。






こちら平塚七海。
「う、動けない……」
現在私は拘束されている。
「うぇぇぇぇーーん!!
もう吉晴に嫌われたーー捨てられたーー!!」
………部活の先輩である与謝野先輩に。
正確に言うと、与謝野先輩が大泣きして
私にガッチリと抱きついており
その場から一歩も動けない。
というか何故この状況になったのかというと
ほんの1時間前に戻る。



「ふぅ〜今日は買いたい物買えたし〜満足だな〜」
私は買いたかった本が買えて、ウキウキしており
早くセンパイの隣で読みたいと思っていた。
とそこへ不意に私のスマホが鳴った。
「あれ?与謝野先輩だ?」
あの先輩が電話とか珍しいなぁ〜と思いながらも
私はその電話にでた。
「はい、もしもし」
「ひっ……ふっ……うぇ……」
電話越しに聞こえたのは与謝野先輩の泣き声だった。
「ち、ちょっと与謝野先輩!?
どうしたんですか!?」
「ひ、ひ、ひ、平塚〜………わ、わ、わ、私……」
「ちょっと与謝野先輩、今どこですか?」
「い、い、今は………ね、じ、じ、自分の家だ、だよ」
「先輩の家ですね?分かりました。
今から私そっちに向かいますので
話はそこで聞きますね」
「び、び、びらつか〜〜!!
あ、ありがどう〜!!」
私はすぐに電話を切り、電車に乗り
与謝野先輩の家に向かった。

そして現在に至る。
「もゔ嫌だ〜!!うわぁぁぁ〜ん!!」
……まぁさっきから泣いてばかりなので
話は全く聞けてない。
「よ、与謝野先輩?一度落ち着きましょうよ、ね?」
「もう無理………立ち直れない。
大学も辞める………」
「そこまで!?」
どうやら私の予想を遥かに超えているらしい。
「いやいや織田先輩は与謝野先輩にゾッコンですよ?
そんな先輩が嫌いになるはずないですよ〜」
「う、う、う、う、………」
「あ、あれ?与謝野先輩?」
まさか私、地味に地雷踏んだ……?
「吉晴がぁ〜私に
"はいはい、じゃあまたな"って言った〜!!」
「いや、それいいじゃないですか?
それに何の問題が………?」
私にはいつも通りの対応に見えるのだが
何か違うんだろうなか?
「いつもなら吉晴が折れてくれるのに
今日は帰ったぁ〜!!それって私に愛想を
尽かしたって事だぁーー!!」
「凄くぶっ飛んでいる理論ですよね、それ!?」
というか織田先輩が毎回折れているんだ。
このカップルの関係性を垣間見た瞬間だった。
「うわぁぁぁーーん!!後輩に注意されたー!!
もう先輩としてダメだぁ〜!!」
また泣く与謝野先輩。
………これひょっとして私が何言っても
泣くやつじゃない?
「だ、大丈夫ですよ!!織田先輩は与謝野先輩に
愛想尽かさないですって!!」
「もう嫌だぁぁ〜〜!!今回で絶対吉晴に
嫌われたぁぁ〜〜!!」
いつもの明るい性格はどこに行ったのやら
完全にネガティブモードに入っている。
「………ちなみにお2人は何で喧嘩
されたのでしょうか?」
「だ、だっで〜〜よ、吉晴がスマホを〜い、弄って
いる、と、時〜なんか変な事してだの〜」
「はいはい、それで?」
「ぎ、気になって聞いても〜教えてくれないがぁら〜
私がおごっだら〜吉晴がか、か、かえ……
私のせいだぁぁぁーー!!もうやだ〜〜!!」
「………あ〜そういう事ですか」
(何だろう、私に全力でブーメラン返ってきそうな
この展開は………)
私しょっちゅうセンパイにしている気がする。
(というか前にセンパイのスマホの指紋認証
寝てる時に解除したからね………)
「ど、ど、どうしよう〜平塚〜!!
吉晴と別れたら私もう生きていけないよ〜!!」
「よ、よ〜しよ〜し。大丈夫大丈夫です。
そんな事ありえませんから心配しないで
くださいって〜」

与謝野先輩が泣き止むまでしばらく
私は与謝野先輩の頭を撫で続けた。










コメント

  • ペンギン

    こんなに愛されている織田くんっていいですねぇー、羨ましいです!

    3
  • ノベルバユーザー81968

    いや、平塚じゃなく俺の胸に飛び込んでこい!!

    4
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