部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

いたよ・・・そういえばいたよ・・・












とある休日・・・
僕らは部活の大会に来ていた。
「後輩達はしっかり録画と結果の記録をよろしくね」
「「はい!!」」
僕は後輩達に試合中の指示を出していた。
無論、僕は選手じゃ無いので基本的に裏方で
選手が試合をしている間は後輩達の指示や
試合を見ていての感想をまとめたりしている。
・・・とこんな偉そうに書いているが基本的に
後輩達は優秀なのであまり僕の出る幕は無く
僕の大学から出る選手も夏目、織田、森と数人のため
試合数も少ないので暇だ。
「悔しいけど・・・やっぱり夏目上手いな・・・」
部活ではあんな態度をとっているが、競技になると
やっぱり部内で1番なだけある。
「そうですよね〜あんな態度さえなければ
みんなから慕われているはずなんですけどね〜」
「・・・ところで与謝野さんや
君はさっきかはカメラで何を見ているんだい?」
「そりゃウチの大学の試合ですよ〜」
「知ってるか?今君がカメラを向けている方向では
ウチの大学から誰も選手出てないぞ・・・」
「・・・すいません、他大学の美少女見てました」
与謝野さんは相変わらずキャラがブレない。
「君は相変わらず何をしているんだよ・・・」
僕が呆れながら言うと
「だって野郎ばかり見ているの飽きたんですよ〜
ほら美少女ならいくらでも見れますし〜」
「・・・後で織田に言っておこう」
「それはやめてくださいよ〜!?」
「なら仕事を真面目にやってくれ・・・頼むから」
まぁこんな風に仕事を妙にサボる輩がいるから
目が離せないのも事実なんだけど・・・
「ところで樋口先輩は?」
「樋口さんは向こうの方で真面目に仕事を・・・」
「キミ、可愛いね」
「あ、ありがとうございます」
他大学の女子をナンパしていた。
僕は樋口さんに近づき、その女子から引き離して
こっちに連行してきた。
「おい、テメェ樋口、何してんだ?」
「何って?分からない?ナンパだよ?ナンパ」
「仕事しろや!?君も幹部だよね!?そうだよね!?」
「だってむさ苦しい男よりも美少女でしょ!!」
「お前ら思考回路同じかよ!?」
なんかさっきも聞いた言い訳だな!?
・・・さっきの暇発言、撤回。
誰かさんのせいでめちゃくちゃ忙しい。
「樋口先輩、それめっちゃ分かります!!」
「流石与謝野〜話が分かるよね〜」
「「ねぇ〜」」
「はい、そこで意気投合しない!!
2人とも持ち場に戻れ!!」
「「はぁ〜い」」
と2人はかなり渋々といった様子で持ち場に戻った。
「はぁ・・・何なんだよウチの部活は・・・
後ふざけそうな輩は・・・」
頭の中で考えると1人いた。
「いたよ・・・そういえばいたよ・・・
僕の彼女だよ・・・」


試しに七海の方を見に行った。
「さてさて七海は・・・あら、意外とやっている」
彼女はしっかりカメラを構えて録画をしていた。
流石に僕の杞憂だったなと思い、持ち場に戻る前に
一言言って帰ろうと思った。
「七海、仕事きちんとしている?」
「あっ、センパイ〜わざわざ見に来てくれたんですか?」
「あぁ七海の仕事振りが心配で」
「私が心配じゃないんですか!?」
「君の日頃の行いのせいだよ!!」
「全く私がいつ真面目じゃないって思うんですか?」
「日頃の行い全て」
「まさかのオールですか!?
あっ、森先輩の試合だ。録画しないと」
どうやら森の試合が始まった様だ。
「じゃあ僕は戻るよ・・・
って何故スマホを取り出す」
「凛子に森先輩の写真を送るんですよ〜
ーー有料で」
ガシッ
僕は思わず七海の頭を掴んだ。
「七海、君は何をしているんだい?」
「い、いや〜センパイ顔怖いですよ〜
ほら笑顔〜笑顔〜」
「七海〜!?」
「ごめんなさい〜センパイ〜!?」


七海、与謝野さん、樋口さんには
罰として部室の掃除が言い渡された。









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