部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

お前が言うな!!














例の事件から数日後


「「2人ともおめでとう〜!!」」
「2人ともおめでとう」
カシャン!!
僕らはグラスを合わした。
「おう、ありがとうな!!」
調子にやや乗っている森と
「ありがとうございます・・・」
かなり照れている凛子さんだった。
今日は森と凛子さんおめでとうパーティを開催した。
・・・僕の家でな。
事ある事に僕の家でやる。
というかそろそろ手狭になっているからね?
だって今、3カップルが一緒の部屋にいるのだ。
狭い!!とりあえず狭い!!
「やぁ〜最初は森が鈍感過ぎてどうなるかって
心配したけど、良かった〜」
「桜と同じ意見だな、俺も」
「おいおい、俺に対する意見容赦無いな?」
「だってなぁ・・・」
と織田が言うと
「だってねぇ・・・」
「そうですよね・・・」
「・・・森先輩、すみません否定できないです」
まさかの森以外の全員が同じ意見だった。
(すまん森、今回ばかりは同意出来ない・・・)
「おいおい!?俺以外というか江國さんまで!?」
「だって私が散々アプローチしているのに
全く無反応なんですよ?」
ジト目で森を見る凛子さん。
「い、いや・・・それはだな・・・女性慣れ
してなかったというか・・・あの〜その」
と森は何故か浮気がバレた旦那の様な
言い訳をしていた。
「ま、まぁ2人とも無事に付き合えたんだし
とりあえずはいいだろ?
ーーよし、料理出来た!!」
さっきまで煮込んでいたり、揚げていた料理が
ついに完成した。
(我ながら今日の出来は最高だな)
「「やった〜!!」」
喜ぶ後輩達。
・・・というか今いるメンツって全員僕より年下?
あらやだ、僕が1番年上だわ〜
歳考えたく無いな・・・
「先輩、俺運ぶの手伝いましょうか?」
「いや織田には七海と与謝野さんが勝手に食わないか
見張っておくという大事な仕事がある」
「ちょっとセンパイ!?」
「そうですよ先輩、心外ですよ!?」
と2人が僕にブーイングをしてくるが
「君らは日頃の行いを見直せよ!?
・・・って事で織田頼んだ」
「善処します・・・」
織田は頷いてくれた。
明らかに普通の女性よりも食べる七海と与謝野さんを
ほっとくと食べ物がすぐに消える。
・・・にしても沢山食べてもスタイルが変わらないのが
本当に不思議だ。
え?なんで分かるかって?
それは毎日七海に抱きつかれているからね・・・。
ほら、抱き心地で分かるじゃん?
そして僕が料理を全てテーブルに出し終えて
全員が食べ始めた。
「にしてもこの料理って国木田先輩が1人で
作っているんですか?」
凛子さんが僕に聞いてきた。
「そうだよ。基本的に自分で作るよ?
七海の三食は大体作っているかな・・・」
毎日、きちんと栄養考えてメニュー作ってますからね。
と僕が言うと凛子さんは急に落ち込み始めた。
「何でしょう・・・この敗北感は・・・」
「ど、どうしたの凛子さん?」
「料理がこんなに美味しいって
もしかして私より女子力高いのでは・・・?」
ガシッ
与謝野さんは凛子さんに抱きつき
「分かるよ!!その気持ち良く分かる!!
あの先輩の料理食べてると美味しいんだけど
なんか女子として負けた気持ちになるよね!!」
「何でしょうか・・・この敗北感・・・
与謝野先輩、悲しいです」
「うん・・・頑張ろよ、お互い」
と互いに励ましあっていた。
「おい、桜さりげなく凛子さんに抱きつくな
ーーお前の魂胆は分かっているからな?」
「いや〜抱き心地がいいんだよ〜柔らかいし〜
小ちゃいし〜平塚とは違う感触がいいの〜」
とさっきまでの暗い雰囲気はどこに行ったのやら
与謝野さんは凛子さんの身体の感触を楽しんでいた。
「ち、ちょっと与謝野先輩!?
やめてくださいよ!?」
凛子さんは与謝野さんを離そうとするが・・・
「い〜や〜だ〜!!離れ・・・あいたっ
ーーうわって吉晴〜邪魔しないでよ〜」
「何をしているんだ桜・・・
ほらお前はこっちに座る!!」
織田は与謝野さんの首を掴んで持った。
「えっ、どこ?まさかベッド?」
「んなわけあるか!!」
「ちぇっ、つまんないの〜吉晴のビビリ〜」
「そうだそうだ織田の臆病者〜」
と森が言うと
「「お前が言うな!!」」
僕と織田の言葉がハモった。
「ですよね・・・」
「ちなみに平塚って料理作るの?」
「私?作んないよ?」
「だって僕がキッチンに立たせないからね」
「与謝野先輩〜センパイが酷いんですよ〜」
「・・・多分、話を聞かなくても平塚が
悪いって分かっちゃうんだよね」
「与謝野先輩!?」
「というか七海って先輩いないと生活自体が
危うい気がするわ・・・」
「ちょっと凛子まで!?
いいもん!!センパイに慰めてもらうもん!!」
と七海は僕に抱きついてきた。
僕はそのまま七海を抱きしめてこう言った。
「はいはい、七海は良い子だね〜
ーー料理以外は」
「ここに私の味方はいないの!?」
孤立無援な我が彼女でした。













しばらく穏やかな話が続きます。

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