部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

それ俺のセリフ



俺が凛子さんの森に対する献身的過ぎる一面を見た
数日後、俺は遊園地にいた。
本来遊園地と言えばデートや友達との遊びに使うが
今日の俺ーーいや俺らは目的は違った。
「こちら織田、目標を目的地まで陽動成功」
自分のスマホを使い、仲間に連絡する。
「平塚、こちらも目標を目的地まで陽動成功しました。
こちらは準備大丈夫です」
「分かった。ところで
ーーこんなスパイみたいな事する意味あるか?」
「織田先輩〜テンション上げていきましょうよ〜」
「そうだよ吉晴〜楽しまなきゃ ︎」
と我が彼女はテンション高めに言う。
はぁ・・・俺も桜と普通にデートしたい。
「お前ら・・・本来の目的忘れてないよな・・・」
上記の思いもあってか、俺は呆れ気味に言った。
「大丈夫ですよ〜あっ目標が合流間近です」
「分かったよ。これより姿を隠すよ」
「あっ、これってまだ続けるのか・・・」
「吉晴〜ノリ悪いよ〜楽しいよスパイごっこ」
「本来の目的忘れてないか ︎ってこっち来たし・・・」
俺は桜を連れて近くに隠れた。
幸いにも今日は休日というのもあり隠れやすい。
そして目の前には今回のターゲットこと森がいた。
反対側からは凛子さんが来た。

・・・これで何故俺らが休日わざわざ遊園地まで来て
スパイごっこ?をやっているか分かるだろう。
俺らが来ている理由は森と凛子さんの関係を深めるため
ーー要するに2人の遊園地デートを見守っているのだ。
だが・・・本来森は俺と桜、凛子さんは平塚と一緒に
来ているのであった。
「まさか一緒に来ている奴がいなくなってたまたま会う
っていう漫画みたいな事をするとは・・・」

事の発端は数日前
「進展無い〜 ︎」
桜が隣で叫んでいた。
「森先輩がここまで鈍感だとは・・・」
「それには俺も同感する・・・」
俺ら3人は頭を抱えていた。
悩んでいる理由は簡単で森と凛子さんである。
俺は森、桜と平塚は凛子さんに話を聞いて
凛子さんに色々なアドバイスをしているのだが・・・
「森が鈍感過ぎるよ〜 ︎あれじゃあ難しいよ〜 ︎」
「俺も森の鈍感さは予想を超えたよ・・・」
1番の原因は森の鈍感だろう。
あいつは自分が女子から好かれるはずが無いって
本心から思っているからか、凛子さんから数々の
アプローチを受けても恐ろしいぐらい何も思わない。
「凛子頑張っているのに・・・森先輩〜
気づいてあげてよ〜」
「これ本当に詰んできたぞ・・・」
「ムム・・・こうなったら最終手段に入るしかないか」
と桜がそう言っていた。
「・・・嫌な予感しかしないから聞かないでおく」
「吉晴〜聞いてよ〜 ︎可愛い彼女の頼みだよ ︎
もう、これは聞くしかないでしょ ︎」
「・・・分かった、話だけは聞いてやるよ」
「ふふん、よくぞ聞いてくれたね ︎」
「そっちが聞いてこいって言ったんだろ・・・」
まぁツッコンでも桜が止まるはずがなく
俺は仕方なく話を聞く事にした。
「私の作戦とはーー」

「まさか本当に実現するとは・・・」
「桜、それ俺のセリフだからな?
そこで"私巻き込まれただけ"オーラ出すのやめようか?」
「私巻き込まれただけだし〜」
「実際に口に出すんじゃない ︎
・・・はぁ」
「どうしたの吉晴?」
「何で俺らこんな事してるんだろ・・・
普通に桜とデートしたい」
俺は無意識にボソッと口に出していた。
「そ、そうなの?」
「そりゃ彼女と遊園地って言ったら普通デートだろ
こんな事無ければ桜とデートしてるわ・・・」
「へ、へぇ〜そうなんだ・・・」
すると桜は俺の服の袖をチョンチョンと引き
「じ、じゃあさ、これが終わったらデートする・・・?」
「へっ?」
「吉晴はデートしたいんでしょ・・・?
なら終わったらしようよ。ダメかな・・・?」
「お、おう・・・俺は構わない」
「そう、やった・・・ふふっ」
桜が照れながら言ってきた。
俺の贔屓目もあるだろうけど、その照れ顔は反則だ。
(くそっ、可愛い過ぎるだろ・・・)
その照れ顔を見たら体力が少し回復した様な気がした。







なんやかんやで織田と与謝野のカップルも
かなり甘いのであった・・・

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