部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

おいおい嘘だろ⁉︎

「さて用事は終わったし、帰るか森」
「分かりました〜 ︎」
「帰りなんか食べて帰ろうよ、何がいい?」
「俺ラーメン食べたいっす」
「おっ、いいね〜そうしようか」
と帰ろうとするセンパイ達。
「ち、ちょっとセンパイ ︎彼らはどうするの?」
「彼ら?・・・あぁ、あれね。
ほっとくさ。だってもう立ち直れないでしょ?」
センパイに言われ、改めて彼らを見ると
明らかに立ち直れる雰囲気じゃなかった。
・・・常村君に関しては目が虚ろだ。
というか今、センパイさりげなく
常村君をモノ扱いしてたよね?
意外とセンパイって
好き嫌い激しいんだよね・・・
「あっ、そう言えば凛子さん」
「どうしましたか?」
「七海をありがとうね」
と凛子に向かって頭を下げていた。
「いえいえ・・・頭を下げられる程の
行為はしてないですよ」
凛子も照れながら答えていた。
「いや、今日も凛子さんが間に
入ってくれてたからさ
助かりましたよ」
「・・・まぁ一応彼女の友達ですからね」
「いつも七海が世話になっているから
今度何かお礼をするよ。
ーーそして教室にいる皆さん」
とセンパイはクラスメイトがいる方を向き直り
「この度は迷惑をかけてすみませんでした」
頭を下げていた。
隣では森先輩も頭を下げていた。
これで私のいつもの日常が
返ってくると思っていた。
ーーそうこの時までは。

私、センパイ、凛子、森先輩は教室を出て
大学の敷地にある裏庭に来ていた。
「というかセンパイ ︎
何かやるなら教えてくださいよ ︎」
私はセンパイに若干怒っていた。
「い、いや〜ね?
彼女に心配かけたくないじゃん?
だから秘密にしていたんだよ?」
センパイはさっきまで常村君を
糾弾していた時とは
打って変わってかなり弱気になっていた。
・・・そういうギャップがあるのも
大好きなんだけど ︎
いやいや、そうじゃなかった ︎
今はセンパイから真相を聞くために
心を鬼にしなきゃ ︎
「何か凛子も知ってるみたいでしたし私だけ
蚊帳の外なんですよ ︎酷いや〜 ︎」
何か話を知ってそうな凛子に
話を振ってみた。
「い、いや七海?
私もあまり知らなかったからね?
だって私もさっき驚いていたの見たでしょ?」
凛子も必死に言い訳するがそれがさらに私の
ライフを削る。
「うわ〜ん何にも信じたくないや〜 ︎」
「ど、どうしようか凛子さん・・・」
センパイがおどおどしながら
凛子に聞いていた。
「私に聞かないでくださいよ・・・
先輩彼氏ですよね?
彼女の機嫌を直すのも彼氏の役割では?」
「・・・七海の機嫌直すのすごい手間取る」
「あ〜それ何となく分かります」
「ーー2人は何を私に秘密で
話しているんですか?
不倫旅行の予定ですか?
ーーそうなんですか?」
「「違うよ ︎」」
2人の声が綺麗にハモった。
「綺麗にハモった・・・
って事は2人の仲が
進展してるって事だよね ︎
うわ〜ん泣いてやる ︎」
うわ〜んセンパイのバカ〜 ︎
さっきまでかっこよかったのに〜 ︎
「ーーお前ら仲よさそうだな ︎」
と大声が聞こえたので
後ろを振り向くと・・・
「常村君・・・ ︎」
そこにはさっきまでセンパイに
徹底的に糾弾されていた常村君がいた。
たださっきと違うのは目は血走っており
呼吸も荒々しく
明らかに普通の状態では無かった。
「なんだ常村?もう立ち直れないと
思っていたがまだ立ち直れるとはね・・・
まぁ普通じゃないけどさ」
「お前のせいで ︎お前のせいで
俺の大学生活はもう完全に終わりだ ︎」
センパイに向かってそう叫んだ。
「ハッ、そんなん知るかよ。
お前がやってきた事が
自分に返ってきたんだろ?
自業自得ってやつさ」
「うるせぇ ︎お前さえいなければ ︎
お前さえ・・・」
「ん?あれは・・・おいおい嘘だろ ︎」
とセンパイが何かに気づいたらしく
一気に表情が青くなり
「すまん森 ︎七海と凛子さんを頼む ︎」
「わ、分かりました ︎」
と森先輩が私達の前に立った。
それはまるで常村君から私達を
守っている様な感じだった。
・・・あれ、センパイは?
何でセンパイはそこから動かないの?
「国木田・・・俺の前から消えろ ︎」
常村君はセンパイに向かって走り出した。
手には何か握れていた。
ーーソレは銀色の鈍い光を放っていた。
彼が握っていたのはナイフだった。
刃自体はそこまで大きくないが
ーー人を刺すのには充分だった。
私はソレがナイフであると分かった瞬間
一気に身体中から血の気が引いた。
「センパイ ︎何してるんですか ︎
早く逃げてください ︎」
私はセンパイに必死で叫んだ。
だけど・・・
「終わりだ ︎国木田 ︎」
ザクッ ︎
「グフッ・・・ ︎」
常村が握っていたナイフは
センパイの体に刺さった。
そしてセンパイは後ろ向きに倒れた。
「センパイ・・・?センパイーー ︎」







果たして、国木田の運命は・・・?


そして明日は更新出来そうにありません・・・
申し訳ないです。

コメント

  • Karavisu

    常村許せねぇ

    1
  • 雪雨

    自分の身の危険を瞬時に察知しながら、
    躊躇い無く彼女達を逃がすセンパイカッコイイ!
    …でも、次がらは自分を大切にしてね

    1
コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品