部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

さっきから震えが止まらないよね君?

今回から国木田のターン笑

なお七海視点で話が進みます。




私はまだ呆気に取られていた。
だっていきなりセンパイが
出てくるんだもん・・・
「な、何でセンパイがここに・・・?」
私が聞くと、いつもの私が好きな
優しい顔にセンパイになり
「そりゃ彼氏ですからね
ーーって人が彼女と話している隙に
何してるんだい?」
とさっきまで私に言っていた取り巻きの子達に
向かってそう言った。
「だって常村君に暴力を振るったのよ?
こんな危ない男子ほっとくわけないでしょ ︎」
「そうよそうよ ︎」
とまた一斉に騒ぎ出す取り巻きの子達。
「まぁ構いませんけど・・・
お前らがやれるとしたらね」
センパイが妙に含みのある言い方だった。
「どういう事?」
「お前らがやるのは構わないがやったらこっちも
報復措置を考えないといけないよね〜
ーーねぇ、さっきから震えが止まらないよね君?
何かマズイ事でもあったのかな?」
とセンパイは取り巻きの1人の子を指差した。
その子は取り巻きの子達の中でも
リーダーみたいな立場の子だった。
さっきまでうるさかったのに今は静かだ。
その子をよく見ると体が震えている。
「どうしたの、あんた顔真っ青だよ・・・?」
取り巻きの子がそのリーダー格の子に
話しかける。
「こいつ知ってる・・・」
「え、何を」
「・・・私達の事を」
「はっ?私達の事って?」
「だから私達の秘密をだよ ︎」
「え、嘘でしょ・・・」
1人の子が言うと、取り巻き全員が
一気に青ざめた。
「センパイ、どういう事?」
私は気になり、センパイに聞いてみた。
「ん?これかい?別に僕は話しても
いいんだけど・・・」
と話を区切り、取り巻きの子達の方を向いて
「彼女達をこれ以上虐めたら流石に泣きそうだし
やめておこうかな。
ーーまぁ君達の対応によるかな〜」
笑いながら答えた。
取り巻きの子達はもう完全に沈黙していた。
・・・センパイはどんな秘密を握ったのかな?
というかセンパイってこんな人だっけ ︎
前に織田先輩と与謝野先輩が付き合い始めた時も
同じ様な事をしたらしいけど・・・
私自身、センパイのこんな姿を
見るのは初めてだ。
なんか取り巻きの子以外にも
凛子も驚いているし・・・
森先輩は何かウンウンって頷いているし。
・・・そういえば森先輩って織田先輩の時も
センパイと一緒にいたんだっけ。
そしてセンパイはもう一度
取り巻きの子達の方を向き
「大丈夫だよ取り巻きの皆さん。
僕はバラすつもりは無いよ。
ーー僕と七海に迷惑かけなければね」
と笑顔で取り巻きの子達にクギを刺した。
「た、助けて常村君・・・」
「あっ?」
「私達を助けて・・・なんなら
私だけでもいいから助けてよ。
今まで助けてあげたよね・・・ ︎」
と取り巻きの1人が常村君に言うと
「それはお前らが勝手にやった事だろ?
俺を巻き込むなよ。
クソっ、使えない奴らだな・・・」
と吐き捨てる様に言い放った。
・・・まさか切り捨てたの?
そしてセンパイは今度は常村君の方を向いた。
「さて、次は常村。お前だ」
「はっ、お前に何が出来る ︎」
センパイに名指しにされた常村君は相変わらず
自身がありげだった。
「そうだね〜地味にお前が
1番面倒だったな・・・」
「何がだ?」
「そんなの決まっているじゃないか
ーーお前の過去を調べる事だよ」
「はっ、俺にあいつらの様なやましい過去なんて
あるはず」
「ーー留学」
センパイは常村君が言い終わらない内に
話し出した。
「なんだと?」
「もう一度、言った方がいいかな?
ーー留学だよ。留学」
「留学がどうした」
「確かお前は1年間海外に留学しているよな?」
「そうだが、それがどうやったら結びつくんだ?
俺はただ英語の勉強の為に留学しただけだぜ」
確かに常村君の言う通りだろう。
ただの留学に彼を脅せる程のネタが
あるとは思えない。
じゃあ何でセンパイはそんな話を
振ってきたんだろう?
「ーー果たして本当に留学の目的は
英語なんだろうかね?」
センパイが微かにニヤッとした。

私達はこの後、センパイの怖さを
身近で感じる事になるのであった。




次回も国木田の逆襲

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コメント

  • ノベルバユーザー239382

    国木田先輩(  ̄▽ ̄)スゲェェェ

    0
  • ペンギン

    国木田先輩すごいっすね!ヤバいですw

    3
  • 柊

    ちょっと怖かったけど仕返し始めてからは不安要素もなく面白いです。頑張ってください

    6
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