部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

あんな冴えない男子とは

今回は七海視点です

私は凛子と一緒にお昼ご飯を食べていた。
「えへへ〜センパイの手作り〜」
今日はセンパイが手作りしてくれた弁当なんだ〜。
そりゃ自然ににやけてくるよね?
「・・・七海、顔がにやけすぎ」
とにやけ過ぎたのか凛子に注意されてしまった。
「ごめんごめん。いや〜でも〜えへへ」
やっぱりにやけが止まらない。
「・・・はぁ、見てらんない。
何で私、この子と昼食食べてるのかな・・・」
凛子は呆れている。
そう言っているが毎日一緒に食べてくれる。
「と言いながら一緒に食べてくれるよね〜
凛子優しい〜 ︎」
「まぁ、一緒に食べる人はあまりいないからね」
「おっ、ツンデレですか?」
「・・・昨日の範囲教えなくていい?」
「ちょっと ︎それはやめて ︎私泣くよ ︎」
「泣け泣け」
親友は非情だった。
「うわ〜ん ︎親友に見捨てられた〜 ︎」
「あれ?私達って友達だっけ?」
「まさかの友達から否定 ︎」
親友の前提が崩れた瞬間だった。
すると凛子はやれやれといった感じで
「・・・ほら、泣きそうな顔しないの。
後で教えてあげるし、それに・・・」
「それに・・・?」
と凛子はやや目線をそらして
「・・・す、少なからず私は七海を親友だと思ってるよ」
顔が若干赤いので照れているのだろう。
「り、凛子〜 ︎」
私はたまらず抱きついた。
「だ、だから抱きつくのやめてって ︎」
「私も凛子の事親友だと思ってるよ〜 ︎
いつもありがとう〜 ︎」
「七海 ︎ここ学食なんだけど ︎
みんな見てるよ ︎」
凛子が何かを言っているが御構い無しに抱きつく。
「凛子〜 ︎いつもありがとう〜 ︎」
「人の話聞いてない・・・」

2人ともお昼後すぐの講義はとっていないので
学食でのんびりしていた。
「ちょっと隣いい?」
と後ろから声をかけられたので後ろを向くと
女子集団がいた。
「あれあなた達は?」
と凛子が言うものだから
「凛子 ︎同じクラスの子達だよ ︎」
フォローを入れておいた。
「ああ、常村君の取り巻きの子達ね」
ま、まぁ確かにそうでもあるんだけどね・・・
「隣なら大丈夫だよ」
と席に置いていた荷物をどかした。
「ありがとう〜 ︎」
私達の隣に座ってくる取り巻きの子達。
「で、七海に何か用?」
凛子が取り巻きの子達のリーダーに聞いていた。
「あれ、私?」
「・・・はぁ〜あなたは」
何故か呆れられてしまった。
・・・何でだろう?
「そうそう ︎ねぇ七海?」
「ん?何かな?」
「七海って常村君の事が好きなの?」
「・・・はい?」
この子は何を言っているのだろう?
「貴方達、何を聞いているの・・・」
凛子に至ってはさっき以上に呆れていた。
「何でそう思うのかな〜?」
「だって七海、最近よく常村君と一緒にいるじゃない?」
「あれは彼が勝手にやっているだけで・・・」
「そんな照れなくてもいいんだって〜
本当は好きなんでしょ?」
・・・ダメだ、この子は話を聞いてくれない。
なんか雰囲気的に他の子達も同じ感じだ。
「だ、だから私は」
私は頑張って否定しようとするけど・・・
「七海と常村君ならお似合いだって ︎
大丈夫、私達が保証するって ︎」
「なんなら私達がサポートしてあげるよ〜 ︎」
「なんか常村君も七海の事、気になっているみたいだし〜
これはまさに学部内の美男美女カップル完成じゃない〜」
と気がついたらどんどん内堀を埋めてきた。
「貴方達、七海には彼氏がいるのよ?ねぇ七海?」
とその状況を見かねた凛子が助け船を出してくれた。
「う、うん」
正直助かった・・・。
「あぁ、前教室に来た男子ね」
「私は今の彼氏で充分なの、だからーー」
もう、大丈夫と言おうとしたのけれども
「ーーあんな冴えない男子とは別れなよ〜」
驚愕の事を言ってきた。
今、なんて言ったの?
センパイと別れなよ?
「そうだよ〜絶対常村君の方が七海にはお似合いだよ〜」
「あんな地味そうな男子に七海は勿体無いって〜
どうせあの男子が七海にしつこかったんでしょ?
身の程をわきまえろって感じだよね?」
センパイが私にふさわしくない?
そんな訳ない・・・ ︎
「貴方達、いい加減にしなさい ︎」
「あれ?何で怒られるの?私達は七海のためを
思って言っているのに?ねぇ?」
「そうそう」
「本当に思っているなら七海の事をしっかり見てから
言いなさい ︎ほら七海かえーー」
「うぅ・・・」
「ち、ちょっと七海 ︎大丈夫 ︎泣いてるじゃない ︎」
私は気がついたら泣いていた。
「セ、センパイは冴えなくないもん・・・ ︎」
「わ、私達は七海の事を思って言って・・・」
「ほら七海 ︎帰るよ ︎」
「ひっ・・・」
私は凛子に手を引かれ、学食を後にした。

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