部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

七海が可愛すぎて困る

「授業の内容分かった?」
「・・・いや、言ってる意味が分からなかった」
「だよな・・・」
僕は学部の友達と授業後に話していた。
2人とも取っている授業の話をしていたが
全く授業の内容が分からなかった。
・・・テストが心配だ。
だって話し声が聞こえないし、内容が意味不明。
しかもさりげなく必修科目だし。
どうしようかな・・・。
「ところで国木田」
その友達が話しかけてきた。
「何だい?」
「最近彼女と上手くいってるのか?」
唐突な質問だった。
「いきなりどうしたのさ?」
「いや、お前からあまり彼女のノロケとか不満を
聞いたこと無いなと思ってさ」
「まぁ、話す必要も無いからね」
「彼女への不満とか無いのかい?
そろそろ付き合って5ヶ月過ぎたし
彼女への不満とか無いのか?」
「あまりかな・・・」
と七海との日々を振り返ってみる。
そして日々を振り返っていく中で
頭の中に1つだけ思いついた。
「あっ、そう言えばあるかも・・・」
「へぇ〜お前でもあるんだな〜
でどんな不満だ?」
「七海が可愛すぎて困る、かな」
「爆ぜろリア充‼︎」
・・・あれれ?おかしいぞ?
僕は単なる七海に対する不満を述べただけなのに・・・

そしてその日は帰りに七海のキャンパスに行き
七海と一緒に帰る事になっていた。
あの常村とかいう野郎の事があり
僕が暇な日は出来るだけ迎えに行くようにしていた。
そして待ち合わせ場所が見えてきた。
「あっ、センパイ〜‼︎」
とこちら側に走ってくる我が彼女。
そして僕の方に飛び込んできた。
「待たせたかな?」
僕は彼女を抱きながら言った。
「いやいや待って無いですよ〜‼︎」
「・・・七海、ちょっとテンション上がり過ぎ」
「あっ、凛子さん」
「こんにちは先輩」
と七海の後ろから凛子さんが来ていた。
「ひょっとして七海と一緒にいてくれたの?」
「まぁ、そうなりますね。
いつあの常村がちょっかい出してくるか
分かりませんので・・・」
・・・なんて良い子なんだろうか。
「わざわざありがとうね凛子さん」
「いえ、私も特にやる事が無かったので
丁度いい暇つぶしになりました」
とやや照れている様だった。
「凛子ありがとうね〜‼︎
この恩はいつか返すよ〜」
「・・・そう思うなら日頃の授業もう少し
起きてよね?」
「うぐっ・・・が、頑張ります」
あっ、これ絶対起きないパターンだ。
僕は分かる。
多分、この後も七海は授業を寝るだろう。
・・・凛子さんに大変申し訳ない。
「ところで先輩と七海」
「何〜凛子?」
「2人とも抱き合っているところすみませんが・・・
ーーここ、校門ですよ?」
「「えっ?」」
と改めて周りを見てみると・・・
周りには沢山の学生がいた。
「ってしまった〜⁉︎いつもの癖が⁉︎」
「いいじゃないですかセンパイ〜
私達のイチャイチャを見せつけてやりましょうよ〜‼︎」
「僕は嫌だよ⁉︎バカップルって思われたくないからね⁉︎」
「えっ、センパイは私とイチャイチャしたくは
無いんですか・・・?」
と悲しそうな顔で僕を見てくる七海。
「誰もそうとは言ってないからね⁉︎
ただ場所が場所であってね・・・」
「・・・先輩達は既に充分過ぎるバカップルですよ」
凛子さんの的確な言葉が胸に刺さる僕だった。

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