部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

これからの彼女の人生が本気で心配になる僕だった

「全くセンパイは少しは自覚してください‼︎」
「すみません・・・」
結局家に帰ってからも七海の説教は終わらなかった。
「いきなり彼女の友達に"可愛い"って言う彼氏が
普通いますか?いませんよね?」
「返す言葉がございません・・・」
ただただ平謝りの僕。
かれこれ家に着いて10分は経つがずっと正座だ。
・・・そろそろ足の限界なんだよな〜。
「今日の常村君との会話のセンパイはかっこよかった
とは言え・・・」
「あっ、かっこよかったんだ。
良かった〜」
一先ず胸を撫で下ろす僕。
良かった〜1人よがりにならなくて・・・
「シャラップ‼︎センパイ‼︎」
「ひぃ⁉︎すみません‼︎」
あまりの勢いにたじろぐ僕。
これだとどっちが年上か分からないな・・・。
まぁ僕と七海は1歳しか歳が違わないため
分からなくも無いんだけどね。
「って聞いてますかセンパイ‼︎」
「は、はい⁉︎聞いてますとも聞いてますとも」
「・・・正座延長入ります〜」
「嘘だろ⁉︎横暴だよ⁉︎」
「彼女だからいいんです〜」
「いくらなんでも横暴すぎないかい⁉︎」
世界の横暴君主も青ざめレベルの横暴ではないだろうか?
・・・うん、まさにそうだろう。
独裁者、七海って感じかな?
「センパイ、今何か私に失礼な事考えてませんか?」
「いやいや⁉︎そんなわけ無いよ⁉︎」
この子、人の心見たのか?
いや〜恐ろしや独裁者、七海ってね笑
あっ、でも独裁者の悪口って本国で言ったら
一発アウトだよね。
七海の本国ってことは・・・
僕の家か七海の家だよね?
うわ・・・まさに本国にいるじゃん僕。
「やっぱり失礼な事考えてませんか?」
「い、いや気のせいだよ〜
七海可愛いな〜しか考えてないよ〜」
「か、可愛いって、そんな〜
べ、別に嬉しくなんて無いですからね‼︎」
「・・・」
うん、多分とても口が悪いとは思うがあえて言わせてくれ
・・・僕の彼女チョロすぎないか⁉︎
だってさっきまで結構怒っていたはずだよね⁉︎
なのに今は・・・
「えへへ〜センパイが可愛いって
可愛いって〜えへへ〜」
この有様である。
しかも顔のニヤニヤが止まっていない。
相変わらずチョロい・・・。
これからの彼女の人生が本気で心配になる僕だった。
「えへへ〜はっ‼︎じゃなくて‼︎」
「あっ、復活した」
「センパイには罰を与えます‼︎」
「うわ・・・」
僕の予感が告げている。
ーー絶対ロクな罰じゃないって‼︎
そりゃ罰なんだからロクでも無いのが
当たり前なんだろうが七海が考えると斜め上に
行くからな・・・
「決めました‼︎
私は今日と明日センパイを無視します‼︎」
「はい?」
「だから今日から明日にかけて私がセンパイを
無視します‼︎私に無視されたら
センパイは悲しいでしょ〜‼︎」
・・・確かにそれは僕にとっては悲しいし罰になりそうだ。
ただその罰には致命的な欠点がある。
それはーー
「君が我慢できるの?」
「うぐっ・・・」
七海自身が僕を無視し続ける事が出来るのかという事だ。
「僕も悲しいけど、七海自身がそんな長時間耐えられる?」
「で、できます‼︎多分・・・」
「本当かい・・・何か早速失敗しそうだけど」
「むぅ〜出来ます‼︎なんなら今から始めます‼︎」




と言われて七海が僕を無視し始めて5分。
「・・・」
僕は晩御飯の片付けをしている。
作業自体はスラスラ行えているが・・・
「・・・」
七海は僕の方を捨てられた子犬の様に見ている。
僕は七海に向かって試しに手を振ってみた。
すると
「あっ、ふ、ふん‼︎」
七海よ、今一瞬笑顔になったのを僕は見たよ?
・・・うん、可愛い。
なんだろうこの可哀想な子が僕の保護欲を掻き立てる。
もう少しイタズラしたい気もあるが・・・
しょうがない・・・
「七海、僕の負けだよ。
確かにこれはいい罰だよ」
「・・・」
「僕も今回の件は反省したから
許してくれないかな?お願いするよ」
「も、もうしょうがないですね〜センパイ‼︎
私がいないとダメなんだから〜‼︎」
・・・七海よ、その言葉ほぼそっくりそのまま
君に返してもいいかな?
「そうだね、僕には七海が必要かな」
「センパイったら嬉しい事言ってくれるじゃないですか〜
えへへ〜センパイ〜」
と一気に甘えてくる我が彼女七海。

結局この後一緒に寝た。
その時の七海の顔はいつもより幸せそうだった。

コメント

  • ペンギン

    とても、面白いです!
    これからも頑張ってください!
    応援しています!

    3
  • 柊

    NTR展開嫌いなんだよなぁ〜
    でも面白いので頑張ってください

    7
コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品