部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

星空の下

「さて着きましたよ先輩方‼︎」
と森に案内された場所は・・・
「綺麗ですね」
「確かに・・・」
海岸だった。
昨日までの台風の影響もあってか
星空がとても綺麗だった。
海も落ち着いていて、波の音が
心地良かった。
「森はどうして知っているんだ?」
「実は合宿前にこの近辺を調べていたんですよ。
そしたらオススメスポットとして
この海岸が出てきたんですよ〜」
「森、たまにはやるじゃ〜ん‼︎」
「森にしてはナイス」
と与謝野さん、織田に言われ
「いや〜それ程でもな〜」
照れていた。
「森、ありがとうな」
「いえいえ、たまたまですよ。
さぁ先輩‼︎今なら彼女と合法的に
イチャイチャできますよ‼︎」
「確かに‼︎
さぁセンパイ‼︎
私とイチャイチャしましょう‼︎」
「・・・何かいつも非合法みたいな言い方が
若干癪にさわるな」
「まぁまぁセンパイ〜
細かい事は気にしないのが1番ですよ‼︎」

とりあえず僕と七海は海岸を
ゆっくり散歩する事にした。
気がついたら森達はいなかった。
まぁあの3人は彼らで楽しんで
いるのだろうと思う。
「静かですね」
「そうだね」
周りに月の光以外の明かりは無く
月の光が僕らを照らしていた。
「ねぇセンパイ?」
「ん?」
「私ってセンパイに迷惑かけて
ばっかりですか?」
「いきなりどうしたの?」
と僕が聞くと七海はしまった、という顔をして
「あっ、いや、今のは無しです」
「いやいやめっちゃ気になるんだけど?」
「何でもないですって」
「そう言われると逆に気になるの」
「だ・か・ら何でもないです〜」
「こうなったら・・・
これでもくらえ」
と僕は海水を七海に向かってかけた。
「つ、冷たっ‼︎
いきなりなにするんですか‼︎」
「君が話すまで僕は海水を
かけるのをやめない‼︎」
某漫画のセリフをやや引用しながら
僕は海水をかけ続けた。
「ち、ちょっとセンパイ⁉︎
理不尽過ぎませんか⁉︎」
「オラオラ‼︎
さっさとゲロッちまいなよ‼︎」
「や、やめ‼︎
もう‼︎私も反撃しますよ‼︎えい‼︎」
と七海から反撃がきた。
「まだまだ‼︎」
「負けませんよ〜‼︎」
・・・やっぱり七海は
さっきの沈んだ顔よりも元気な顔の方がいい。
その顔を見るためなら僕はこれぐらいの
芝居ならいくらでもやろう。
しばらく僕らは海水で遊んだ。

僕らは海水で遊んだ後
砂浜に並んで座っていた。
「で、僕に迷惑って?」
「センパイと喧嘩した時に
彼女らしい事をしてるかなって
考えてみたんですよ」
「うん」
「そうしたらセンパイに頼って
ばかりって事に気付いて・・・
私って全然彼女らしい事
してないって思って・・・」
「ああ、そんな事ね」
と僕はその様な言葉が出ていた。
「そんな事ってなんですか‼︎
私にとってはかなり深刻な悩み
だったんですよ‼︎」
と若干キレ気味の七海。
「というか今さらだよね?
毎日、僕の部屋に入って
ゴロゴロして、ご飯食べて」
「うぐ・・・」
「僕の事なんて御構い無しに
抱きついたり、甘えてきたり」
「・・・やっぱり私って
迷惑かけてばかりですね」
としゅんと落ち込む七海。
「待て待て、話は最後まで聞いて。
確かに七海は僕の事、御構い無しに
やってくるけど
・・・僕にはそれが楽しいのさ」
「はい?」
「だって君の表情を見るのが
僕は好きなんだ。
美味しそうにご飯を食べる表情
そしてご飯を詰め込み過ぎて
ハムスターの様に膨れ上がった顔
僕のベッドでの寝顔
笑った時のひまわりの様な笑顔
それ以外にも沢山あるんだけど
その1つ1つを間近で見られるんだよ?
こんな嬉しい事滅多にないよ」
七海は表情がコロコロ変わる。
それを間近で見れるなんて
今までの七海からの迷惑を引いても
7割以上、幸せが余るだろう。
「・・・」
「君は僕に迷惑をかけているって
思っているみたいだけど
僕は全然そうは思わないよ。
・・・だって大好きな彼女だよ?
頼って欲しいじゃん」
「・・・ッ」
「だからさ、君は迷惑なんて
思わなくていいんだよ。
第一、嫌ならきちんと嫌だって言うよ?」
「センパイ・・・」
「ねぇ、七海」
「なんですか・・・?」
「月が綺麗ですね」
「・・・ッ」
顔を赤くする七海。
この反応を見ると、どうやら意味は
通じたらしい。
「センパイが・・・だから」
「ん?」
「えい‼︎」
と隣の七海に押されて倒れる僕。
「うわっ⁉︎」
「えへへ〜センパイ〜‼︎」
倒れた僕の上に乗り、頬ずりしてくる七海。
・・・そういう事をされるとですね
僕の理性がかなり危ないんですよ・・・
「あの〜七海さん?」
七海は頬ずりしながら
「やっぱりセンパイが私の彼氏でよかった」
「僕も君が彼女でよかった」
「私みたいなのを彼女にしてくれて
ありがとうね‼︎」
と満面の笑みで言ってきた。
・・・やっぱりその笑顔は反則だよ。
「七海」
「なんですかセンパイ〜?」
「えい」
と僕は七海を押し倒した。
「え⁉︎ち、ちょっとセンパイ⁉︎」
とさっきまでの余裕はどこに行ったのやら
一気に慌て始める。
・・・この子は攻めるのは強いのに
攻められると一気に弱くなる。
「七海は可愛いな」
「あ、あの〜センパイ?」
「七海が可愛いのが悪い」
「そ、それ私のせいですか⁉︎」
「そう、七海が悪い。
可愛すぎる七海が悪い」
「いつものセンパイじゃない〜⁉︎
うわ〜ん‼︎」
確かにいつもの僕ではないかもしれない。
だった・・・
「よく話す口だね?
キスで静かにさせるよ?」
・・・こんな感じでいつもなら
言わない様なセリフも言ってしまう。
どうやら理性が半分飛んでしまった様だ。
「キ、キス⁉︎
センパイがそんな言葉言うなんて・・・」
「うるさいね」
「え、んっ・・・‼︎」
と僕は七海が話している最中にも関わらず
キスをした。
「ほら、静かになった」
七海を見ると目がとろ〜んしていた。
どうやらさっきのキスが余程
効いたのだろう。
「せ、センパイのキス・・・
とってもいい・・・」
半ば呂律が回っていない。
・・・流石にやり過ぎたかなと
反省していると
「ねぇ・・・センパイ?
もう、いっかいして?」
お願いされてしまった。
「いいのかい?」
「うん、して?
お願い、もういっかいしてよ・・・?」
「うん、わかった」
と僕は七海に2度目のキスをした。
「えへへ・・・センパイのキス・・・いい
くせになっちゃう・・・」
と半ば酔っ払いの様な感じの七海だった。
そんな状態ですら可愛いと思ってしまう僕も
かなり末期なのだろう。

ふと時間を見ると丁度いい時間だった。
「そろそろ帰ろうか?」
「センパイ・・・おんぶして」
「はい?」
「キスのせいで足に力が入らない・・・
だからおんぶ」
「そうなの?」
「ほら、今なら私の色んなところ
合法的に触れるよ?」
・・・どうやら頭も回ってないようだ。
「はいはい、じゃあ乗って?」
「センパイ〜あったかい」
「そうかな?」
「ねぇセンパイ、私のどう?」
「な、何が?」
「ほら、私の2つの・・・」
「帰るぜ〜‼︎」
と七海の言葉が出る前に
走ることにした。

その後、3人と合流して
宿に帰った。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品