部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

丸く収まる。いや、収まったのか・・・?

夏目が去っていくのを見ながら
「あの野郎・・・まだ懲りないのか?
そろそろ不信任案出すぞ・・・」
と呟いている僕だった。
監督や先生に不信任出すのは止められているけど
そろそろ限界なんですけど・・・
全く、どうしたらいいのやら。
「あの〜センパイ・・・?」
七海がいつもの勢いはどうしたんだ
と思うぐらい遠慮がちに聞いてきた。
「あっ、七海いたんだよ・・」
すっかり失念していた。
さて地味に気まずいぞ・・・
なんてさっきまで会うのが気まず過ぎて
わざと避けていたのだから。
「あっ、私用事思い出しました〜‼︎」
「「えっ?」」
と僕らの声がハモる。
「なので後はお二人でゆっくり〜‼︎」
と七海の同期がわざとらしく
去って言った。
さてさて更に気まずいぞ。
・・・後であの子は軽く説教だな。
たまには空気を読まないことも大切だよ?
「センパイ」
「な、なんでしょうか?」
「さっきはごめんなさい!」
と腰を90度に曲げて謝ってくる七海。
「ち、ちょっと!?」
「センパイの言い分を聞かないで
一方的にこっちが言っちゃって・・・
それでセンパイ怒っちゃって
本当にごめんなさい」
「い、いや・・・
それこそ僕もごめんかな。
最後は僕が勝手に話を切ったからさ」
と僕も頭を下げた。
「そんなセンパイは悪くないですよ!
悪いのは私ですよ!」
「いやいや悪いのは僕だって」
「私です」
「僕だ」
「私です」
「先輩に譲りなさい」
「いやここはなんであっても
譲りません!」
「そこは譲れよ・・・」
「い・や・です!」
「ぐぬぬぬ・・・」
「むぅ・・・」
「・・・ところで僕らは何で
また喧嘩をしているんだ?」
「確か、どっちが悪いかだったような・・・」
と気が付いたらお互いが喧嘩の理由があやふやになっている。
「とりあえず仲直りしようか?」
「そうですね・・・
てぃ!」
いきなりこちらに抱き着いてきた七海。
「おっと!」
そしてそれを恒例のようになんとかキャッチする僕。
「・・・なんで抱きつくんだ?」
「ほら私たちの仲直りってハグじゃないですか~」
「ごめん、初耳」
「だって今決めましたから」
「・・・そりゃ聞いたことないわ」
「だからだから~これからは仲直りは
こうしましょう!」
「なんかどっかのめっちゃ流行ったドラマみたいだな」
・・・ドラマの曲のダンスが流行ったな~。
「まぁまぁいいじゃないですか~」
「七海がいいならいいや」
「やった~」
とさらに強く抱きしめてくる七海。
まぁ、たまにはこれぐらい甘えてきても
いいだろう。
・・・誰かにみられてなきゃな!
「---お~い国木田。
なんか幹部ぜん・・・」
「あっ」
「あっ」
「・・・」
「・・・」
「樋口さん、これは・・・」
と目の前にいる同期の樋口さんに
言い訳をしようとするのだが・・・
「・・・し、失礼しました~」
シュパ
樋口は逃げた!
「ちょっと~~!?
待ってよ樋口さん!」
逃げた樋口さんを僕は追いかける。
「ごめん~!2人がラブラブしているところを
邪魔しちゃって~!?」
「これには事情があるんだって~!」
「センパイ!この調子で他の部員達にも
見せつけましょう!」
「七海は落ち着け!?」

・・・この後、僕は樋口さんに事情を話したのだが
そこで今度は七海の期限が悪くなって
なだめることになった。
・・・男はつらいよ。





コメント

  • ペンギン

    余計なお世話かと思われますが、言わしていただきます。
    最後の「期限」が、機嫌、と間違えていると思います...。

    2
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