部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

妄想しすぎだよ・・・?

「はぁ・・・」
私は大きく息を吐いた。
「そんなに落ち込む?」
「だって・・・今更私センパイに甘えてばっかり
だったことに気づいたんだよ・・・?」
そして気づくのが遅かった自分にも呆れていた。
「まぁまぁ今まで気づかなかったのがすごいよ・・・」
「これでもしセンパイが・・・
他の女子の元に行ったら・・・」

”ごめんな七海。
僕たち別れよう?”
”なんでですか!?”
”それは七海のお世話をするのが
疲れたからだよ”
”そんな・・・
これからは自分でやりますから・・・”
”ごめん、もう我慢の限界なんだ・・・”
”あれ、国木田先輩?
そこで何をしているんですか?”
と前からあの時の同期が現れた。
なんでこっちに来たんだろう?
”あ、あの時の同期!?
なんでセンパイの隣にいるの!?”
”実は僕たち付き合うことに
なったんだ”
”え、嘘ですよね・・・”
”いや本当だよ平塚
私たち付き合うんだ”
”この子は七海と違って
いい子だよ”
”だから平塚、言ったじゃん。
彼女の立場にあぐらをかいていると
奪われるよって”
”じゃあね七海。
いや、平塚さん”
”大丈夫だよ平塚。
先輩のことは幸せにするから”
”ま、待ってよ!?センパイ~!?”

「うわぁぁぁぁぁぁぁ~!」
「今度は何!?」
と私の同期が驚いた様子で飛び上がった。
「それは嫌~!」
嫌だ!嫌だ!それは絶対嫌だ!
「何が嫌なの・・・?」
「センパイと別れたくない~!」
「はぁ・・・」
と心底あきれた様子でこっちを見てきた。
私にとってはとっても大事な問題なの!
「だって今別れたら
私寂しくて死んじゃうよ!?
毎日のご飯はどうしよう!?」
「・・・ご飯の件は努力しなさい」
「うぐっ・・・
だってセンパイが作る料理が美味しすぎるんだもん!
やめられない~とめられない~」
「・・・なんかどっかで聞いたことあるフレーズだ」
「だってもしその後輩とセンパイが結婚したら
毎年幸せそうな写真を年賀状で送られてくるんだよ!?
もはや私にとっての拷問だよ!?」
そんなことやられたら精神崩壊するね!
・・・って笑っている場合じゃなかった!
「妄想しすぎだよ・・・?」
「ど、どうしよう・・・?」
もしかして今私って分岐点にいる?
今のままだとセンパイに愛想つかされちゃう。
変わるなら今しかないよね‼︎
まずは・・・
「私、決めたよ‼︎」
「何を?」
「センパイの手を煩わせないようにするよ‼︎」
「それは無理」
即答された。
「酷っ⁉︎せめて手段ぐらいは聞いてよ⁉︎」
やっぱり同期が薄情だ~!
「・・・いや、だってね」
と呆れたように答える同期。
・・・私ってそこまで呆れられるかな?
「何よ?」
「毎日の生活をセンパイに依存している平塚が
いきなりは無理だと思うよ?」
「うぐっ・・・」
なかなか痛いところ突いてくるね。
「私やれば出来る子だよ?」
だって今まで何とかなってきたしね‼︎
「その根拠のない自信が羨ましいよ」
「ちょっとそれどういう意味?」
「いや、何でもないよ。
でも本当にやるの?」
と同期が心配そうに聞いてくる。
「やってみる!」
「・・・はぁ。まぁあなたがそこまで
言うなら止めはしないけどさ」
「やってやるぞ~!」
と私は決心した。
センパイ見ていてくださいね!
絶対センパイにふさわしい彼女に
なってみます!

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