異世界に転生したので楽しく過ごすようです
第122話 誘拐するようです
現在、結婚式が教会にて行われようとしているところだ。
俺はジュリ達と合流使用としたのだが、念話で別行動を取れという司令が降ったので、今は一人だ。
にしても、相当恥ずかしいこと言ってね?……そんなのは今更か。俺は生きてるだけで恥をかいてるようなもんだし。
それがいい事なのかは個人によるな。ちなみに俺は良くないと思う。……ただの自己批判じゃねぇか!
はぁ。こんな事しててもなにも楽しくないわ。
「ところで、結婚式はいつ始まるんだ?」
俺は、教会の外から中の様子を伺った。
◇◆◇◆◇
ーsaid:ジュリー
むふふっ!だんだんと楽しくなってきたわね!
私は今、結婚式の参列者として教会の中にいる。そして、始まるのを今か今かと待っているところ。
「さて、どんな展開が待っているのかしらね」
「ジュリ殿、お主も悪よのぉ」
「女神殿も大概悪よのぉ」
「「ほっほっほっ」」
こんな事をしてしまうくらいに、今後の展開が楽しみなのである。
この後、結婚式が開始し、少しすればあの人が乱入してくる。あの人の事だから余程のことがない限りは騒動を巻き起こすだろう。
その騒動に期待が高まる。今回はどんな騒動が起きるのかしらね?
あの人が暴走するとか、それともなにか第三者が出てくるとかかしら?いずれにせよあの人にとって大きな事だと思うわ。
その時、新郎役のゼロがレッドカーペットを歩いて、教壇の前に立った。
さすがはゼロの変装。全く違和感がない。唯一違うところと言ったら表情の作り方かしら?まぁそんなのはいつも一緒にいる私達にしか分からないし気にすることもない。
『おい、ジュリ。式は今どうなっているんだ?始まったのか?』
突然あの人から念話が飛んできた。いきなりで少し驚いたけど、周りには悟られる程ではなかった。
『まだよ。今、ゼロが教壇の前に立ったとこ』
『マジか。俺、タキシードを着て教会の外にいるって中々にシュールな人になっているんだが。早く突入したい』
『知らないわよそんなの。空でも飛んでればいいんじゃないの?』
『その手があったか!ちょっと暇だし遊んでくる!』
『あ、ちょっと……』
そう言ってあの人は一方的に念話を飛ばすのをやめた。
私に念話をすてくるくらいに暇だったらしい。まぁ遊ぶくらいなら許してあげよう。
そうしてあの人を心の中で送っていると、今度は花嫁姿をしたフェイが、中へ入ってくる。
「おぉ……」
「なんという……」
「す、すごい……」
参列者は拍手をしながら、フェイの花嫁姿を見てそんな声を上げるのだけど、なんか少しこう違ったニュアンスの感嘆だった気がする。
そういう私も、フェイを見てからなんて言うかかこう……
「「「ちっちゃい子が背伸びした感!」」」
そうそれ!そんな感じがする!
七五三とかそんな感じのを、小学生高学年くらいの子がするみたいな?
ちなみに思考解読でフェイは心の中を覗いているけど、今背伸びした感って言った奴らは軒並み顔を覚えた見たいだ。
言ってしまった方はご愁傷様です。
そういう私も考えてしまったわけなんだけどね。行ってないからセーフ。
「フェイ可愛い」
「ウェディングドレスいいなぁ……。私も着てみたいなぁ」
「そうですね。私達にもいつかこれを着る日が来るといいですね」
「そういえばジュリはウェディングドレスを着たよね?どうだったの?」
女神が私にそんな事を聞いてきた。皆も割と興味があるみたいで私の返答を待っている。
「なんて言うか気分はいいのだけど、あんまり派手だと重くて辛いって言うのが本音かしら?転生前だったらもっと軽かったかもしれないわね」
「一概にいいことばかりってわけじゃないのかぁ……」
「でも、一度着てみても損は無いと思うわよ」
「そうだよね!女神でも着ることあるよね!」
そういう女神は既にドレス姿をしている。
「女神が着ているのはドレスではないの?」
「ドレスとウェディングドレスは違うからねぇ。特に気持ちの面で。だからウェディングドレスは神様でも憧れるんだよ!」
そういうものなのか。神の暮らしはよく分からないけど、結構庶民的な感覚があることに少し驚き。
私達が少し話をしていると、フェイは既に教壇の前に立っており、聖職者の人が教本を持って何かを言っていた。
大方祝福の言葉だと思う。そうするともうすぐあの誓いの言葉が来る。
その時になったらあの人の出番。頑張って欲しい。
そしてほんの少しの時間が過ぎて、誓いの言葉に入った。
聖職者の人が永遠に幸せにしますかとゼロに問う。
「誓います」
そして同じくフェイにもゼロと同じように問う。
「誓い……」
『今よ!』
フェイがそこまで言ったとき、私は合図を出した。
その合図からほとんどタイムラグなしに教会の扉が勢いよく開かれた。
「その結婚、少し待ってもらおう!」
そう言って入ってきたのは、タキシード仮面だった。
◇◆◇◆◇
ーsaid:主人公ー
「その結婚、少し待ってもらおう!」
「「「タキシード仮面っ!」」」
ふっ、俺も有名になったものよ!なんかいい気分だぜ!
さぁさっきまで暇してたぶんここで発散させてもらうぜ!
「騎士全員で囲め!絶対に逃がすなよ!」
「「「はっ!」」」
指示を出しているのは俺がさっきフェイの前に姿を現した時にいた、騎士だった。
この騎士って結構、位高かったのね。初めて知ったわ。
「……私の邪魔をする気か。なにも知らぬ騎士風情が」
「なんと言われようと、フェイリス様をお守りすると決めたのだ!お前は生きて返さん!」
マジか。ここで戦わないといけないの?どうなの?
俺はジュリを探し、見つけて目を合わせるも瞬間的に目を逸らされた。要するに自分でどうにかしろというわけだ。
「参列者の皆さんは今すぐに避難を!今からここは戦場になります!」
騎士の一人が参列者にそんな事を言ったため、会場内は大混乱が起き、死にたくない貴族が我先にと外に出始めた。
その混乱に乗じたゼロは俺の変身を解いて、元の姿に戻ってジュリ達に合流。
ふふふ。今まで作戦通りだな。
「騎士よ見てみるがいい。フェイリス王女の婿を」
俺の言われるままに騎士は新郎の方を見て驚愕する。
「分かっただろう。所詮は人の子。欲に溺れ権力を得たいがためだけに結婚をする。それを正義と言えるのならば言ってみろ」
「確かにそれは正義と言い難い。しかし、そんなものは私の正義には関係ない!私の正義はフェイリス様をお守りすることにある!タキシード仮面、いざ尋常に勝負!」
騎士は数人がかりで俺に攻撃を加えてくる。
しかしこんなのは俺にとっては子供の遊びにしか思えない。幾多にも渡って戦ってきた強者と比べるとそれは雲泥の差がある。
「そなたの正義を見させてもらった。しかしそなたでは私には勝つ事は不可能だ。ここで君達はリタイヤだ」
俺は催眠術を使って、襲い来る騎士達を眠らせる。
「く、くそ……っ。私の……力は……及ばないの……か……」
最後まで抵抗した騎士は最後にそういって眠りについた。
後はフェイを攫うだけだ。
「フェイリス王女。約束通り会いに来ました」
「ええ、そのようですね。これからこの私を救い出すのでしょう?」
「そのつもりです。では行きましょう!」
俺はフェイを抱え、空中浮遊からの飛行で滑らかに空を舞う。
この騒ぎの中、帝王様とフェアリア様は放心状態であった。仕方のないことかもしれんな。
自分の娘の結婚式に乱入者が入っただけでは飽き足らず、あまつさえ戦闘を引き起こし娘が攫われたとなった放心するのも無理はない。
俺はこの二人に相応の仕返しが出来て少し嬉しく思いながら、教会の外に出た。そして、高らかに叫ぶ。
「この度、タキシード仮面が正義を成した!今後正義が脅かされることがあれば私が再び現れるであろう!さらばだ!」
俺はフェイを抱えたまま、人気の無い所まで飛んでいったのだった。
俺はジュリ達と合流使用としたのだが、念話で別行動を取れという司令が降ったので、今は一人だ。
にしても、相当恥ずかしいこと言ってね?……そんなのは今更か。俺は生きてるだけで恥をかいてるようなもんだし。
それがいい事なのかは個人によるな。ちなみに俺は良くないと思う。……ただの自己批判じゃねぇか!
はぁ。こんな事しててもなにも楽しくないわ。
「ところで、結婚式はいつ始まるんだ?」
俺は、教会の外から中の様子を伺った。
◇◆◇◆◇
ーsaid:ジュリー
むふふっ!だんだんと楽しくなってきたわね!
私は今、結婚式の参列者として教会の中にいる。そして、始まるのを今か今かと待っているところ。
「さて、どんな展開が待っているのかしらね」
「ジュリ殿、お主も悪よのぉ」
「女神殿も大概悪よのぉ」
「「ほっほっほっ」」
こんな事をしてしまうくらいに、今後の展開が楽しみなのである。
この後、結婚式が開始し、少しすればあの人が乱入してくる。あの人の事だから余程のことがない限りは騒動を巻き起こすだろう。
その騒動に期待が高まる。今回はどんな騒動が起きるのかしらね?
あの人が暴走するとか、それともなにか第三者が出てくるとかかしら?いずれにせよあの人にとって大きな事だと思うわ。
その時、新郎役のゼロがレッドカーペットを歩いて、教壇の前に立った。
さすがはゼロの変装。全く違和感がない。唯一違うところと言ったら表情の作り方かしら?まぁそんなのはいつも一緒にいる私達にしか分からないし気にすることもない。
『おい、ジュリ。式は今どうなっているんだ?始まったのか?』
突然あの人から念話が飛んできた。いきなりで少し驚いたけど、周りには悟られる程ではなかった。
『まだよ。今、ゼロが教壇の前に立ったとこ』
『マジか。俺、タキシードを着て教会の外にいるって中々にシュールな人になっているんだが。早く突入したい』
『知らないわよそんなの。空でも飛んでればいいんじゃないの?』
『その手があったか!ちょっと暇だし遊んでくる!』
『あ、ちょっと……』
そう言ってあの人は一方的に念話を飛ばすのをやめた。
私に念話をすてくるくらいに暇だったらしい。まぁ遊ぶくらいなら許してあげよう。
そうしてあの人を心の中で送っていると、今度は花嫁姿をしたフェイが、中へ入ってくる。
「おぉ……」
「なんという……」
「す、すごい……」
参列者は拍手をしながら、フェイの花嫁姿を見てそんな声を上げるのだけど、なんか少しこう違ったニュアンスの感嘆だった気がする。
そういう私も、フェイを見てからなんて言うかかこう……
「「「ちっちゃい子が背伸びした感!」」」
そうそれ!そんな感じがする!
七五三とかそんな感じのを、小学生高学年くらいの子がするみたいな?
ちなみに思考解読でフェイは心の中を覗いているけど、今背伸びした感って言った奴らは軒並み顔を覚えた見たいだ。
言ってしまった方はご愁傷様です。
そういう私も考えてしまったわけなんだけどね。行ってないからセーフ。
「フェイ可愛い」
「ウェディングドレスいいなぁ……。私も着てみたいなぁ」
「そうですね。私達にもいつかこれを着る日が来るといいですね」
「そういえばジュリはウェディングドレスを着たよね?どうだったの?」
女神が私にそんな事を聞いてきた。皆も割と興味があるみたいで私の返答を待っている。
「なんて言うか気分はいいのだけど、あんまり派手だと重くて辛いって言うのが本音かしら?転生前だったらもっと軽かったかもしれないわね」
「一概にいいことばかりってわけじゃないのかぁ……」
「でも、一度着てみても損は無いと思うわよ」
「そうだよね!女神でも着ることあるよね!」
そういう女神は既にドレス姿をしている。
「女神が着ているのはドレスではないの?」
「ドレスとウェディングドレスは違うからねぇ。特に気持ちの面で。だからウェディングドレスは神様でも憧れるんだよ!」
そういうものなのか。神の暮らしはよく分からないけど、結構庶民的な感覚があることに少し驚き。
私達が少し話をしていると、フェイは既に教壇の前に立っており、聖職者の人が教本を持って何かを言っていた。
大方祝福の言葉だと思う。そうするともうすぐあの誓いの言葉が来る。
その時になったらあの人の出番。頑張って欲しい。
そしてほんの少しの時間が過ぎて、誓いの言葉に入った。
聖職者の人が永遠に幸せにしますかとゼロに問う。
「誓います」
そして同じくフェイにもゼロと同じように問う。
「誓い……」
『今よ!』
フェイがそこまで言ったとき、私は合図を出した。
その合図からほとんどタイムラグなしに教会の扉が勢いよく開かれた。
「その結婚、少し待ってもらおう!」
そう言って入ってきたのは、タキシード仮面だった。
◇◆◇◆◇
ーsaid:主人公ー
「その結婚、少し待ってもらおう!」
「「「タキシード仮面っ!」」」
ふっ、俺も有名になったものよ!なんかいい気分だぜ!
さぁさっきまで暇してたぶんここで発散させてもらうぜ!
「騎士全員で囲め!絶対に逃がすなよ!」
「「「はっ!」」」
指示を出しているのは俺がさっきフェイの前に姿を現した時にいた、騎士だった。
この騎士って結構、位高かったのね。初めて知ったわ。
「……私の邪魔をする気か。なにも知らぬ騎士風情が」
「なんと言われようと、フェイリス様をお守りすると決めたのだ!お前は生きて返さん!」
マジか。ここで戦わないといけないの?どうなの?
俺はジュリを探し、見つけて目を合わせるも瞬間的に目を逸らされた。要するに自分でどうにかしろというわけだ。
「参列者の皆さんは今すぐに避難を!今からここは戦場になります!」
騎士の一人が参列者にそんな事を言ったため、会場内は大混乱が起き、死にたくない貴族が我先にと外に出始めた。
その混乱に乗じたゼロは俺の変身を解いて、元の姿に戻ってジュリ達に合流。
ふふふ。今まで作戦通りだな。
「騎士よ見てみるがいい。フェイリス王女の婿を」
俺の言われるままに騎士は新郎の方を見て驚愕する。
「分かっただろう。所詮は人の子。欲に溺れ権力を得たいがためだけに結婚をする。それを正義と言えるのならば言ってみろ」
「確かにそれは正義と言い難い。しかし、そんなものは私の正義には関係ない!私の正義はフェイリス様をお守りすることにある!タキシード仮面、いざ尋常に勝負!」
騎士は数人がかりで俺に攻撃を加えてくる。
しかしこんなのは俺にとっては子供の遊びにしか思えない。幾多にも渡って戦ってきた強者と比べるとそれは雲泥の差がある。
「そなたの正義を見させてもらった。しかしそなたでは私には勝つ事は不可能だ。ここで君達はリタイヤだ」
俺は催眠術を使って、襲い来る騎士達を眠らせる。
「く、くそ……っ。私の……力は……及ばないの……か……」
最後まで抵抗した騎士は最後にそういって眠りについた。
後はフェイを攫うだけだ。
「フェイリス王女。約束通り会いに来ました」
「ええ、そのようですね。これからこの私を救い出すのでしょう?」
「そのつもりです。では行きましょう!」
俺はフェイを抱え、空中浮遊からの飛行で滑らかに空を舞う。
この騒ぎの中、帝王様とフェアリア様は放心状態であった。仕方のないことかもしれんな。
自分の娘の結婚式に乱入者が入っただけでは飽き足らず、あまつさえ戦闘を引き起こし娘が攫われたとなった放心するのも無理はない。
俺はこの二人に相応の仕返しが出来て少し嬉しく思いながら、教会の外に出た。そして、高らかに叫ぶ。
「この度、タキシード仮面が正義を成した!今後正義が脅かされることがあれば私が再び現れるであろう!さらばだ!」
俺はフェイを抱えたまま、人気の無い所まで飛んでいったのだった。
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