異世界に転生したので楽しく過ごすようです
第69話 遂に武道会が始まるようです
女神の愚痴を聞いて長く時間が経った頃、皆がボロボロの姿で帰ってきた。しかし、どこか満足気な顔をしている。どうやらうまく扱えるようになったようだ。
手伝ってくれたビャクさんに感謝しないとな。それで、そのビャクさんはと言うと、皆のようにはなっておらず出ていった時のままの姿だ。
「皆様お強かったです。少し本気でいって同じ強さぐらいでしたし」
全然本気を出さずして皆と釣り合っているというのがまた何とも。
「ビャクさん、皆に付き合ってもらってありがとうございます」
「いえいえ。私もちょっと楽しかったので」
俺が、ビャクさんにお礼を言うとゼロが嬉しそうな顔をして走ってきた。
「ねぇねぇマスター!わたしちゃんと使えるようになったよー!」
「それは良かったな!よく頑張ったな!えらいぞー!」
「えへへー」
俺はゼロの頭を撫でる。ゼロは幸せそうだ。
「皆もお疲れ。武器使いこなせるようになったんだろ?手伝ってくれたビャクさんにお礼言っとけよ?」
「「「「「はーい!」」」」」
「うむ。いい返事だ」
皆は俺が言ったように、ビャクさんにお礼を言っていく。まあミルだけは負けたのが悔しかった様でまたいつかリベンジするって言ってたけど。
さて、今外は夕暮れ時。もうそろそろ山は危なくなる時間帯だ。そろそろ街に戻り始めた方がいいかもしれない。
「もうそろそろ街に戻った方がいいと思うんだが皆はどうだ?」
「そうね。ここにずっと居るのも悪いものね」
皆もジュリの言った事に同意見のようだ。
「シロはどうする?母親と一緒に残ってもいいだぞ?」
「ニャン」
「俺たちと一緒に行くって?シロがいいんならそれでいいが」
そのやり取りを見ていたビャクさんが俺の方を向いて真剣な眼差しを向けてきた。
「娘はまだまだ子供で世間知らずですが、あなた方の役に立てるくらいに育ってもらえたらと思います。なのでどうかよろしくお願いします」
「了解しました。俺達に任せてください。なにせ俺達はシロの仲間ですから」
「ニャ!」
「ええ。また遊びにいらっしゃい」
ビャクさんはシロに向かって微笑み、そう言った。
名残惜しいもうそろそろ帰らなければ。
「ビャクさん。短い時間でしたがありがとうございました。今度はここに遊びに来たいです」
「ええ。いつでもお待ちしてますよ」
「では、その日まで」
俺達はそうしてビャクさんの家を離れていった。
◇◆◇◆◇
何事も無く帝都に着いた俺達は、すぐに宿に戻って休むことにした。今日はなれない山でいつも以上に動き回ったせいで疲れているからだ。
その日の晩、まだ寝る前に皆と話をしていた。
俺はビャクさんと具体的にどんな特訓をしたのか気になったので聞いてみた。
皆はある程度戦いながらビャクさんにアドバイスを貰っていたようだ。特にゼロ、ミル、ジュリには効果覿面でスキルに剣技と剣術が追加されたようだ。
俺が言うのもなんなんだがスキルってこんなに簡単に覚えれるものなの?早くて1週間とかかかるもんじゃないの?
女神に聞いてみたところ、スキルなんてその人のセンスによるものだと言うことらしい。センスがある人は生まれた時から持ってるし、センスがない人は一生かかっても無理みたいだ。
とりあえず、レンとリンも含めて全員がそれぞれの武器の技、術のスキルを獲得したわけだ。
俺は皆にこれで武道会でも心配ないなという趣旨の発言をしたのだが、何いってんのこいつみたいな顔された。
代表してミルがその顔をした理由を話してくれた。
どうやら武道会で、優勝しなければ意味がないそうである。優勝するためには俺を倒さないといけないからもっと強くならないといけないと。だから何いってんのこいつみたいな顔になったということらしい。
俺を倒すのか。というか俺が途中でやられる事は想定していないんだな……。なんというかさすがである。
そして、皆は次の日の朝から武道会前日までずっと特訓をしていた。
蚊帳の外にいる俺は何もすることが無かったため、皆とは別行動をしていた。また同じ理由で、女神も別行動をとっていたので必然と一緒にいる時間が長くなった。
だからと言って女神と何があった訳でもなく、ただ2人でそこに居たっていう感じだ。
事件という事件は、そうだな……。女神が酒で酔った時だろうか。
その日は何となく飲みたい気分で、女神と一緒に食事処で昼間から飲んでいたんだ。最初の方はふたりともほろ酔い気分で、女神の愚痴を聞てわらったり、最近の皆の頑張りを褒めたりといい感じだった。
しかしだ。ほろ酔い気分を過ぎ、完全に酔ってしまった女神は狂ってしまった。俺を褒めたかと思えば罵倒し、貶したかと思えば讃える。最終的には、俺のあることないこと捏造した挙句、それに怒って天罰を下した。
その天罰というのが3日間全身筋肉痛という地味に嫌なやつだった。
咳やくしゃみをする度に腹筋が痛くなり、腕や足を動かそうとしても生まれたばかりの小鹿並みにプルプルしてた。
今後女神には酒を飲ませないようにしようと心に誓った。
特訓をしている皆の方は互いに協力し合って日々強くなっていったようだ。立ち振る舞いとかが少し武人よりな感じにも見えなく無いというレベルで。
そして、待ちに待った武道会が遂に今日始まる。
「おーいみんなー。起きたかー?武道会の開始は朝の10時からみたいだぞ」
「あたし達の準備は万端。いつでもいける」
「武道会たのしみなのー!」
「今日こそあなたの鼻をあかしてやるわ」
「おう。楽しみにしてるぜ」
ジュリの軽口も軽く受け流し、俺も士気を高めていく。
「この大会では主様は敵です。ですから絶対に手は抜きません。ご覚悟を」
「わ、わたしだってあるじさまと戦うつもりで強くなったもん。だから負けない…!」
誰と戦う事になるのか今から楽しみだ。しかし俺も負けたくはないからな。全力でいく。
「ニャン?」
「シロは俺の従魔だから俺に着いてくればいいぞ」
「ニャー」
シロはいつも通り俺の頭の上だ。戦いになったら少しだけでもシロに戦ってもらおうかな?
「みんな頑張ってね!私は観客席で見守っとくから!」
「お前一人で大丈夫か?心配なんだが」
「私をなんだと思ってるの?女神よ?一人で待つくらい出来るわよ!」
とか言っておきながら迷子になってそう。安易に想像がつく。
「まだ行かないのかしら?」
「ん?そうだな」
俺が皆の方を見てみると、やる気に満ち溢れていてどこかそわそわした様子が見て取れる。多分俺も同じ様な感じなんだろうな。
「よし!じゃあ行くぞ!」
「「「「「「おー!」」」」」」
こうして、もうすぐ始まる武道会に向かったのである。
手伝ってくれたビャクさんに感謝しないとな。それで、そのビャクさんはと言うと、皆のようにはなっておらず出ていった時のままの姿だ。
「皆様お強かったです。少し本気でいって同じ強さぐらいでしたし」
全然本気を出さずして皆と釣り合っているというのがまた何とも。
「ビャクさん、皆に付き合ってもらってありがとうございます」
「いえいえ。私もちょっと楽しかったので」
俺が、ビャクさんにお礼を言うとゼロが嬉しそうな顔をして走ってきた。
「ねぇねぇマスター!わたしちゃんと使えるようになったよー!」
「それは良かったな!よく頑張ったな!えらいぞー!」
「えへへー」
俺はゼロの頭を撫でる。ゼロは幸せそうだ。
「皆もお疲れ。武器使いこなせるようになったんだろ?手伝ってくれたビャクさんにお礼言っとけよ?」
「「「「「はーい!」」」」」
「うむ。いい返事だ」
皆は俺が言ったように、ビャクさんにお礼を言っていく。まあミルだけは負けたのが悔しかった様でまたいつかリベンジするって言ってたけど。
さて、今外は夕暮れ時。もうそろそろ山は危なくなる時間帯だ。そろそろ街に戻り始めた方がいいかもしれない。
「もうそろそろ街に戻った方がいいと思うんだが皆はどうだ?」
「そうね。ここにずっと居るのも悪いものね」
皆もジュリの言った事に同意見のようだ。
「シロはどうする?母親と一緒に残ってもいいだぞ?」
「ニャン」
「俺たちと一緒に行くって?シロがいいんならそれでいいが」
そのやり取りを見ていたビャクさんが俺の方を向いて真剣な眼差しを向けてきた。
「娘はまだまだ子供で世間知らずですが、あなた方の役に立てるくらいに育ってもらえたらと思います。なのでどうかよろしくお願いします」
「了解しました。俺達に任せてください。なにせ俺達はシロの仲間ですから」
「ニャ!」
「ええ。また遊びにいらっしゃい」
ビャクさんはシロに向かって微笑み、そう言った。
名残惜しいもうそろそろ帰らなければ。
「ビャクさん。短い時間でしたがありがとうございました。今度はここに遊びに来たいです」
「ええ。いつでもお待ちしてますよ」
「では、その日まで」
俺達はそうしてビャクさんの家を離れていった。
◇◆◇◆◇
何事も無く帝都に着いた俺達は、すぐに宿に戻って休むことにした。今日はなれない山でいつも以上に動き回ったせいで疲れているからだ。
その日の晩、まだ寝る前に皆と話をしていた。
俺はビャクさんと具体的にどんな特訓をしたのか気になったので聞いてみた。
皆はある程度戦いながらビャクさんにアドバイスを貰っていたようだ。特にゼロ、ミル、ジュリには効果覿面でスキルに剣技と剣術が追加されたようだ。
俺が言うのもなんなんだがスキルってこんなに簡単に覚えれるものなの?早くて1週間とかかかるもんじゃないの?
女神に聞いてみたところ、スキルなんてその人のセンスによるものだと言うことらしい。センスがある人は生まれた時から持ってるし、センスがない人は一生かかっても無理みたいだ。
とりあえず、レンとリンも含めて全員がそれぞれの武器の技、術のスキルを獲得したわけだ。
俺は皆にこれで武道会でも心配ないなという趣旨の発言をしたのだが、何いってんのこいつみたいな顔された。
代表してミルがその顔をした理由を話してくれた。
どうやら武道会で、優勝しなければ意味がないそうである。優勝するためには俺を倒さないといけないからもっと強くならないといけないと。だから何いってんのこいつみたいな顔になったということらしい。
俺を倒すのか。というか俺が途中でやられる事は想定していないんだな……。なんというかさすがである。
そして、皆は次の日の朝から武道会前日までずっと特訓をしていた。
蚊帳の外にいる俺は何もすることが無かったため、皆とは別行動をしていた。また同じ理由で、女神も別行動をとっていたので必然と一緒にいる時間が長くなった。
だからと言って女神と何があった訳でもなく、ただ2人でそこに居たっていう感じだ。
事件という事件は、そうだな……。女神が酒で酔った時だろうか。
その日は何となく飲みたい気分で、女神と一緒に食事処で昼間から飲んでいたんだ。最初の方はふたりともほろ酔い気分で、女神の愚痴を聞てわらったり、最近の皆の頑張りを褒めたりといい感じだった。
しかしだ。ほろ酔い気分を過ぎ、完全に酔ってしまった女神は狂ってしまった。俺を褒めたかと思えば罵倒し、貶したかと思えば讃える。最終的には、俺のあることないこと捏造した挙句、それに怒って天罰を下した。
その天罰というのが3日間全身筋肉痛という地味に嫌なやつだった。
咳やくしゃみをする度に腹筋が痛くなり、腕や足を動かそうとしても生まれたばかりの小鹿並みにプルプルしてた。
今後女神には酒を飲ませないようにしようと心に誓った。
特訓をしている皆の方は互いに協力し合って日々強くなっていったようだ。立ち振る舞いとかが少し武人よりな感じにも見えなく無いというレベルで。
そして、待ちに待った武道会が遂に今日始まる。
「おーいみんなー。起きたかー?武道会の開始は朝の10時からみたいだぞ」
「あたし達の準備は万端。いつでもいける」
「武道会たのしみなのー!」
「今日こそあなたの鼻をあかしてやるわ」
「おう。楽しみにしてるぜ」
ジュリの軽口も軽く受け流し、俺も士気を高めていく。
「この大会では主様は敵です。ですから絶対に手は抜きません。ご覚悟を」
「わ、わたしだってあるじさまと戦うつもりで強くなったもん。だから負けない…!」
誰と戦う事になるのか今から楽しみだ。しかし俺も負けたくはないからな。全力でいく。
「ニャン?」
「シロは俺の従魔だから俺に着いてくればいいぞ」
「ニャー」
シロはいつも通り俺の頭の上だ。戦いになったら少しだけでもシロに戦ってもらおうかな?
「みんな頑張ってね!私は観客席で見守っとくから!」
「お前一人で大丈夫か?心配なんだが」
「私をなんだと思ってるの?女神よ?一人で待つくらい出来るわよ!」
とか言っておきながら迷子になってそう。安易に想像がつく。
「まだ行かないのかしら?」
「ん?そうだな」
俺が皆の方を見てみると、やる気に満ち溢れていてどこかそわそわした様子が見て取れる。多分俺も同じ様な感じなんだろうな。
「よし!じゃあ行くぞ!」
「「「「「「おー!」」」」」」
こうして、もうすぐ始まる武道会に向かったのである。
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