戦闘力?皆無ですが防御力とトラップには自信があります。

ブラック兄者

実は異世界転移を知らないうちに数回行っていたみたい。

「ようこそお待ちしていました、我が主。貴女様方のご帰還を心よりお待ちしていました。」

何もない空間に突如執事の男性のホログラムが投影されオレとノノに深々と頭を下げ挨拶をしてきた。
いやいや、オレもノノもお前の事なんて全く知らないんだけど。
「これはこれは失礼しました、今のあなた方にとっては私など初めて会うような人物もとい、ホログラムでしたね、私は以前ノノ様に仕えていた執事の一人にございます、主を待ち続け幾星霜、我が肉体は朽ち果て精神体をコンピューターに保存し今や実態を持たない身、こうしてノノ様に再び再開できたことに至上の喜びを感じただ身を震わせる次第にございます、ノノ様、シート様ご帰還心よりお喜び申し上げます。」

ホログラムの執事はそう挨拶をすると再び深々と頭を下げ挨拶をした。

「えっと、はじめまして・・・でしょうか?彼方は私とシショーの事を知っているのですか?私は彼方と初めてここであったと思うのですか・・・?」

ノノは首をかしげながらホログラムの執事に問いかける、そのように問いかけるのも無理はないだろう、なぜならこの男(?)はノノだけではなくオレの事も知っているみたいだ。

「ええ、存じております。貴女様方は覚えてはいないようですが以前お二人はこの世界の住人で、私が仕えていた主でしたので。」

おい、今こいつなんっていった?この世界の住人?どういうことだ?オレたちが住んでいるのはゲームの外、「現実世界」のはずだ。それなのにこいつはオレたちが別世界からやってきたといったぞ?

「シート様、順を追って説明をしますのでご安心ください。」

自分でもわかったのだが露骨に疑問に思っていることが顔に出ていたらしく、オレが質問をする前に奴はオレの疑問の説明を始めた。

「まず初めに、先ほども申し上げた通り、貴女様方は以前この世界の住人として生活をしており小さいながらもそれなりの実力を持つクランとして活動をしていました。しかし、貴女様方は大手クランの争いに巻き込まれ命を落としてしまいました、その大規模なクランの抗争に勝利したクランのマスターは謎の力を使いある区画をこの世界から分離させてしまったのです。それが貴女様方がつい先日まで遊んでいた「バトルオブスペル」というゲームの世界になります。抗争に巻き込まれ勝者側のクランに領土を奪われ、命を落とした者たちはリスポーン地点を失い分離した世界でリスポーンをし、リスポーンする前の記憶をなぜか消されその世界の住人と認識したまま生活をしていたということになります。」

「簡単ないきさつはわかった、だがしかしそれはあくまで「ゲーム内」での出来事だろ?仮にオレとノノがこの世界の住人だったとしてオレたちは「電子世界」の外で産まれた記憶もあるし電子の世界に入ることなんて到底無理だ。なら今の俺たちは何なんだ?」

「どういういきさつかはわかりませんが、こちらの世界でリスポーンが出来なかった魂は皆、一度別の場所に転移させられ「バトルオブスペル」をプレイするために使用したであろう端末から貴女様方は戻ってこられたことになります。」

「あちらの世界に帰える方法は?」

「・・・現状、御座いません。」

「・・・そうか」

「しかしわかっていることがあります、クランのトップに立つものは何か1つ大きな力を得ることができるとか、その力によって世界の1/10は分断されたといわれています。」

「なるほど、クランの頂点・・・ね」

「クランの頂点を目指すにはまずクランホールと人員が必要になるでしょう、まずは人員強化とホールを手に入れてみては如何ですか?」

ふむ、自分たちの城か、悪くないな。





〈おまけ スペル紹介〉
スペル名:簡易手榴弾
その名前通りシートがあり合わせの材料で作った簡易型手投げ爆弾。
フラスコのなかに虹色に輝く沸騰した液体が入っているぞ、見た目だけでも危険なことがよくわかる一品!
しかし、あくまで簡易作なので威力は控えめ、しかし小回りが利く細かいやつ。
爆風サーフィンができるくらいの爆風出てるけど固定ダメージ40程度なので大量に投げないと敵も倒せないぞ!
スペル強化をすると普通に手榴弾になるんだとか。
固定ダメージを与えられるスペルはシートさんのお友達、だって筋力不足だもん!

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