チート特典スキルは神より強い?
第64話 体力測定
「アウルさしぶり。元気だった…?」
「ああ、おはよう。元気だった….よ….」
アウルの顔は少し以前より痩せており、魔力ではない何か別の暗いオーラがアウルの周りを漂っていることに気づいたハクは「?」を頭に浮かべたような顔をしてアウルを見続けていた。
「その様子だと何かあったみたいだね?」
「まあな。ちょっとした冒険をしてきた」
「その様子だとやはり森がえぐれるほどの爆発を起こしたのはアウル、お前のようだな」
「まあな」
「何故、何も無い森を? まあいい、後でクラスが終わった後に絶対何が起こったかを教えろよ?」
「はいはい」
メリッサはケイト先生が教室に入った事によって話を辞めた。最近、あまりメリッサが周りにいないと思ったら遠距離からずっとアウルを監視していたようだ。まあ、アウルの地下研究施設はかなり高位な結界を周りに張っているからその結界にアウルたちが入ったことによりメリッサはその間、アウルの監視が出来なかったようだがやはり遠距離から監視されるのは気分があまり良くないな。
「皆さんおはようございます。この数週間の間、皆さんは何をしていましたか? ちなみに私はアキレア帝国へ仕事もかねて旅行をしていました」
「俺は何も」
「俺も~」
「あんまやること無いよね~」
「ケイト先生、羨まし~」
ほぼ全員が何もしていなかったようだ。祭りで休みと言っても大通りはいつもより少し屋台が出ていたりするだけであまりいつもと変わらない。というよりこの町は各村や他国から毎日のように旅人や商人が訪れるため、年中お祭りのようなものなのだ。祭りがあろうとあまり珍しいわけでも無く、そもそもこの休日の間、人混みの中へ入り買い物をしようと思い通りに出た者も多くはないだろう。なんせいくら体力や魔力があっても人ゴミの中で歩いていれば非常に疲れる。これは自分の能力ではカバーできない慣れでしか対応の出来ない問題なのだ。
そして見る限りこのクラスの生徒たちはほぼ全員、人ゴミが苦手なのだろう。見るからに運動不足で真っ白な肌質をしている。
「あまり楽しく無かったようですね。まあ、祭りの期間での話はまた今度にします! では授業を始めます♪」
誰に聞いても良い話は出て来ないだろうとアウルを含めるクラス全体の生徒の表情を見てケイト先生は授業へと話を進めた。
「で、今日は皆さんの身体能力、健康状態などを調べたいと思います。この休みの間、運動を全くしなかったという子も多いと思いますし、現在自分の体がどのような状態なのかを知っておくと今後の目標も立てやすいと思います」
というわけでクラス全員が体力測定を測定することになった。そして今、クラスの生徒達は自身のか弱さに驚き始めていた。
「握力、17.78kg」
「ふん。まあまあだな」
「次! …握力、10.23kg!」
「まあ、女子なんだから当然よね?」
「次! …握力、20.12!」
「よっしゃ!」
「あいつ凄いな! 案外、鍛えていたんだな!」
次々と前代未聞の握力の数値をこのクラスの生徒達はたたき出していく。
15歳の平均握力は男子で35kg。女子で25kg。
このクラスの生徒達は男子で18kg。女子で10kg。これは小学生並の握力なのである。全く鍛えていなかったのが目に見えるようにわかる。というより外見からして重い物すら持ったことの無いような生徒がほとんどだ。
「次、反復横跳び!」
のろのろと3つの線を踏んでいくクラスメイト達。結果、クラスの平均は男子が21回。女子が24回。男子が女子に負けている。制限時間が20秒で線を踏んだ回数が21回の男子は大体、1秒に1回しか踏めていないことになる。マジで遅い。
「皆さんお疲れ様でした。これで立位体前屈、背筋力、垂直飛び、握力、体脂肪率、反復横跳びの測定が終わりました。そして結果発表…。アウル、ゼレシア、アリシア以外の生徒は全員、平均能力より圧倒的に能力が低下しているので明日の合宿に参加しなければいけなくなりました」
「え? マジですか…」
「はい、マジですよ、エルド君。ちなみに選ばれた生徒全員、身体能力Uですので来週の合宿では最低のランクで24時間体制の筋肉トレーニングが組まれます!」
どうやらアウル、ゼレシア、アリシアの3人以外は全員明日合宿に行ってしまうようだ。ところでハクはどうしたのだろうか?と、思っているとハクもその内の一人に入っているようだ。確かに今思えばハクが魔法以外の手段で戦っているのをアウルは見たことが無い。魔法大会でさえ、近距離戦闘を行おうともせず、ひたすら魔法で攻撃し、身を守っていた。
「そういえば貴方、魔法以外は物凄く弱かったのを今思い出したわ」
アリシアがハクにそう言う。
「はあ…。先生、まず何故僕たちが体力測定なんてものをしなければならないんですか? そもそもこの学校は魔法を学ぶ為の場所であるはずだ。体力が無くとも魔法は使えるし、体力が上がったからと言って魔力や魔法能力が上がることはないように思う」
「まあ、それは合宿に行けば分かることです。決まってしまったことには何も言えないですよ? ハク君?」
逆ギレしたハクはすぐにおとなしくなり、席に座った。ハクの言っていた事は半分、本当であるが、もう半分は嘘である。それはハクがその合宿へ行き、トレーニングをしてくればいずれ分かることだろう。
ところで残された俺達はどうなるのだろうか・・・?
「ああ、おはよう。元気だった….よ….」
アウルの顔は少し以前より痩せており、魔力ではない何か別の暗いオーラがアウルの周りを漂っていることに気づいたハクは「?」を頭に浮かべたような顔をしてアウルを見続けていた。
「その様子だと何かあったみたいだね?」
「まあな。ちょっとした冒険をしてきた」
「その様子だとやはり森がえぐれるほどの爆発を起こしたのはアウル、お前のようだな」
「まあな」
「何故、何も無い森を? まあいい、後でクラスが終わった後に絶対何が起こったかを教えろよ?」
「はいはい」
メリッサはケイト先生が教室に入った事によって話を辞めた。最近、あまりメリッサが周りにいないと思ったら遠距離からずっとアウルを監視していたようだ。まあ、アウルの地下研究施設はかなり高位な結界を周りに張っているからその結界にアウルたちが入ったことによりメリッサはその間、アウルの監視が出来なかったようだがやはり遠距離から監視されるのは気分があまり良くないな。
「皆さんおはようございます。この数週間の間、皆さんは何をしていましたか? ちなみに私はアキレア帝国へ仕事もかねて旅行をしていました」
「俺は何も」
「俺も~」
「あんまやること無いよね~」
「ケイト先生、羨まし~」
ほぼ全員が何もしていなかったようだ。祭りで休みと言っても大通りはいつもより少し屋台が出ていたりするだけであまりいつもと変わらない。というよりこの町は各村や他国から毎日のように旅人や商人が訪れるため、年中お祭りのようなものなのだ。祭りがあろうとあまり珍しいわけでも無く、そもそもこの休日の間、人混みの中へ入り買い物をしようと思い通りに出た者も多くはないだろう。なんせいくら体力や魔力があっても人ゴミの中で歩いていれば非常に疲れる。これは自分の能力ではカバーできない慣れでしか対応の出来ない問題なのだ。
そして見る限りこのクラスの生徒たちはほぼ全員、人ゴミが苦手なのだろう。見るからに運動不足で真っ白な肌質をしている。
「あまり楽しく無かったようですね。まあ、祭りの期間での話はまた今度にします! では授業を始めます♪」
誰に聞いても良い話は出て来ないだろうとアウルを含めるクラス全体の生徒の表情を見てケイト先生は授業へと話を進めた。
「で、今日は皆さんの身体能力、健康状態などを調べたいと思います。この休みの間、運動を全くしなかったという子も多いと思いますし、現在自分の体がどのような状態なのかを知っておくと今後の目標も立てやすいと思います」
というわけでクラス全員が体力測定を測定することになった。そして今、クラスの生徒達は自身のか弱さに驚き始めていた。
「握力、17.78kg」
「ふん。まあまあだな」
「次! …握力、10.23kg!」
「まあ、女子なんだから当然よね?」
「次! …握力、20.12!」
「よっしゃ!」
「あいつ凄いな! 案外、鍛えていたんだな!」
次々と前代未聞の握力の数値をこのクラスの生徒達はたたき出していく。
15歳の平均握力は男子で35kg。女子で25kg。
このクラスの生徒達は男子で18kg。女子で10kg。これは小学生並の握力なのである。全く鍛えていなかったのが目に見えるようにわかる。というより外見からして重い物すら持ったことの無いような生徒がほとんどだ。
「次、反復横跳び!」
のろのろと3つの線を踏んでいくクラスメイト達。結果、クラスの平均は男子が21回。女子が24回。男子が女子に負けている。制限時間が20秒で線を踏んだ回数が21回の男子は大体、1秒に1回しか踏めていないことになる。マジで遅い。
「皆さんお疲れ様でした。これで立位体前屈、背筋力、垂直飛び、握力、体脂肪率、反復横跳びの測定が終わりました。そして結果発表…。アウル、ゼレシア、アリシア以外の生徒は全員、平均能力より圧倒的に能力が低下しているので明日の合宿に参加しなければいけなくなりました」
「え? マジですか…」
「はい、マジですよ、エルド君。ちなみに選ばれた生徒全員、身体能力Uですので来週の合宿では最低のランクで24時間体制の筋肉トレーニングが組まれます!」
どうやらアウル、ゼレシア、アリシアの3人以外は全員明日合宿に行ってしまうようだ。ところでハクはどうしたのだろうか?と、思っているとハクもその内の一人に入っているようだ。確かに今思えばハクが魔法以外の手段で戦っているのをアウルは見たことが無い。魔法大会でさえ、近距離戦闘を行おうともせず、ひたすら魔法で攻撃し、身を守っていた。
「そういえば貴方、魔法以外は物凄く弱かったのを今思い出したわ」
アリシアがハクにそう言う。
「はあ…。先生、まず何故僕たちが体力測定なんてものをしなければならないんですか? そもそもこの学校は魔法を学ぶ為の場所であるはずだ。体力が無くとも魔法は使えるし、体力が上がったからと言って魔力や魔法能力が上がることはないように思う」
「まあ、それは合宿に行けば分かることです。決まってしまったことには何も言えないですよ? ハク君?」
逆ギレしたハクはすぐにおとなしくなり、席に座った。ハクの言っていた事は半分、本当であるが、もう半分は嘘である。それはハクがその合宿へ行き、トレーニングをしてくればいずれ分かることだろう。
ところで残された俺達はどうなるのだろうか・・・?
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