チート特典スキルは神より強い?

ゴッティー

第14話 老人との出会い

 俺はギルドで5つの依頼を受け、エネスの森へ行った。幸運なことにその全てがこの周辺の森に住んでいる、獣王、精霊王、呪霊の王、水王、地王の討伐依頼だった。その内容は森にいる各種族の王が暴れだしたということらしい。それも同時期に。

「がはっ…」

「きゃあっ…」

 と、声が聞こえた方から少年と少女、ではなくて声が無駄に若々しい爺と婆が中を舞って俺の目の前に落ちた。

「君! 危ないからこの森から出て行きなさい!」

「えっと…もしかして依頼の先客? 重なっちゃった? てかどうしたの?」

「あの森の中にSランク級の化け物が、それも5体も同時に現れやがった!!」

「へぇ、そうか。教えてくれて助かる!」

「おい! ちょっ…待て…」

 俺は爺が何か言おうとしたが、無視して森の方へ向かって走った。確かに森からはただならぬ気配が5体。そしてその前に何十人もの気配。だがそれらはもう、既に消えかけで、物凄く弱々しかった。その時、精霊王が範囲型魔法を何十人もの冒険者達に向けて放った。俺は時間停止魔法を使い、綺麗に各種の王の体と精霊王の放った範囲型魔法を冒険者の中の一人が持っていた剣を取り、切り裂いた。

 その後、俺が時間停止魔法を開放すると

 スパッ!!!!

 魔法が消え、綺麗に各王たちの体が切れた。俺は依頼の証明をする為に必要な部分とお金になる部分をぞの5体から拾い集めて持って帰ろうとすると、冒険者の中から一人が俺に問いかけてきた。

「…お前何者だ…」

「俺はSランクのアウル。無装のアウルってギルドでは呼ばれているらしい」

「あいつ、5体を一瞬に斬っちまったぞ」「あれは一瞬っていうのか? 俺には全く動くところが見えなかった」「それにもし瞬間的にあいつが倒したとすると、必ずその影響によって暴風が吹くはずだ。あんなのありえねぇ…」

「それがありえるんだな~ まぁ、俺はもうギルドに帰るからじゃあね! あとご苦労様」

 と、俺は話を切って、町へ走り去ろうとした。

「おい、待て! いや、待ってください」

 するとさっきの爺が俺に声を掛けてきた。

「もしかして君は超級魔法を使えたりするかい?」「もしかしたら、あなたなら…」

「使えるけど…」

「では私たちを弟子にしてくれないでしょうか?」

「はぁ??????」

 一先ず俺は、その後剣をその持ち主に返すと冒険者の中の一人が俺を町まで馬車で送ってくれるというのでその好意に甘えることにした。そしてその馬車で。

「では改めて俺はAランクのジークだ」「私も同じくAランクのアリスですわ」

「よろしく」

「それでだ。俺たちはある問題に直面している。それは…」「私達の老人化ですわ」

「私たちは元々15歳だったのだけど二年前、隣国のアキレア帝国の路地裏で何者かにこんな年寄りにされたしまったのですわ」

「ちなみに1年前からこのように少年少女などがいきなり一夜にして年寄りになったという事件が多数起きていて、つい最近はそれが頻繁に起きていて帝都でもちょっとずつ騒ぎになってはいるらしいです」

「ということは、二人とも本当は今16歳くらいでそんな外見では無かったってことか?」

「そうよ」

「なるほど。道理で声だけは若かったのか」

 ジークは髭が長く、背が高いムキムキ爺って感じでアリスは背が低く、近所に住んでいそうな優しそうなおばあちゃんって感じだった。だがどこかの貴族のお嬢様なのだろうか?時々「~ですわ」とか言ってるし。服も白とピンクのお嬢様風のワンピースを着ている。

「お前、どっかの貴族のお嬢様か?」

「ええ、そうよ。どうしてわかったの?」

「喋り方と服装。でも今の外見では着ない方がいいと思うぞ」

「知ってるわよ!」

「ジークはちゃんと外見相応の服装をしているぞ」

「それはどうも」

「なんでお前だけそんなフリフリ着てんだ? 普通の婆が来ているような服をければいいじゃないか」

「だって…だって、あんなだらだらした服着たくないわよ。それにちゃんとした服を買えるお金も…」

「なるほど」

「だったら後で俺が買ってやるよ。どうせこれから一緒になる機会が多くなるだろうしな」

 たぶんアリスは一年前から同じ服を着続けているのだろう。ジークは外見相応に合った服を着ているが、その服もかなり汚く、二人ともあまり一年前から服を買えていない様子だった。


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