チート特典スキルは神より強い?

ゴッティー

第13話 魔法大会への特訓!4

 俺は訓練場でアリシアとハクと別れ、自分の部屋に帰ってきた。するとゼレシアが俺のベッドで寝ているではないか。

「おい、ゼレシア、起きろ~」

「ん…何ですか?」

「ゼレシア、起きろ。何故俺のベッドで寝ている」

 するとゼレシアは起き上がり、はっ!といった感じで飛び上がった。

「すみません!! ベッドが近くにあったのでいつの間にか寝てしまっていたみたいです」

「いや、別にいいよ。今日はどうしたんだ? 随分と疲れているようだが」

「えっと実は…」

「実はだな、今日からゼレシアはお前の隣の部屋に住むことになったのでな。丁度、空いていたし、授業が終わってからゼレシアにはすぐにここへ帰ってきてもらい、さっきまで寮から荷物を運んだり、この部屋を整理したりしていたのだ」

 俺は自分の部屋を出て隣の部屋へ向かった。ゼレシアの部屋は俺と同じ内装で大きなリビングや他の部屋へと続く扉がたくさんあった。

「ほんとに引っ越ししてあるな。 ゼレシアの物がちゃんと置いてある。ということは今日からは俺の部屋のソファーや机で寝なくても良くなったってわけだ」

「はい。 理事長先生、ありがとうございます! そしてこれからもよろしくお願いします」

 と、ゼレシアは頭を下げた。どっちみちゼレシアはこの数日間、寮に着替えに行く以外は帰っていなかったみたいだし、これがベストだな。

 その後、俺は自分の部屋へ戻って明日のための着替えの準備や冒険者カードなどをパッキングして寝た。

 次の日、俺は朝6時くらいに起きた。学院から町までは近いのだが、今日は冒険ギルドから依頼を受けまくる予定だから早い時間から向かった。俺が町に着いた時にはもうすでに7時がきていた。もうそこにはたくさんの人々が歩いており、市場の前などは非常に込み合っていた。そのため俺は前回覚えた透明魔法で自分の身を隠し、建物の上を走って冒険者ギルドへ向かった。

 ギルドの中では剣を持った筋肉ゴリラのような体の男と女で一杯だった。その他にも杖を持つ者はいたが、メイン武器はほとんどが剣だった。

 俺は依頼ボードへ行き、Sランクの依頼を見た。(あ…今日は付いてないな。どれも報酬が少ない)幸いだったのがほとんどの依頼がこの町の周辺に住んでいる森の主や各種族の王などを狩る依頼だった。

「おい、お前! そっちはSランクの依頼だぞ。Dランクの依頼はこっちだ」

 と、なんか優しそうなおじさんが話しかけてきた。

「うん、知ってるよ。だからSランクのどの依頼を受けようかと思ってね。幸い依頼のターゲットはこの町の周辺にいるんだけど、どれも報酬が少ないんだよね~」

「何、寝ぼけたこと言ってんだ? お前のような小童にはまだ早い! それにお前Sランクじゃないだろ」

「おい、てめぇ! 聞いてんのか! お前みたいな駆け出しは素直にEランクの依頼でも見てろって言ってんだよ! あと邪魔だ!」

 と、横から槍を持った20代くらいの男が話に入ってきた。そしてなぜか俺に怒っている。俺、何かしたか?それにAランクの依頼、隣から見えるだろ!

「そうですか。じゃあ僕はこれで失礼」

 と言って一番近く、報酬の高い依頼を取って受付に向かった。

「ねえ、君。どういうつもり? それSランクの依頼よ」

「うん。知ってるけど」

「あなたもしかして新人? Sランクっていうのはね、冒険者のランクで一番上のランクよ」

「うん。だから俺Sランクだって。Sランクの俺がSランクの依頼を受けて何か悪い事でもあるのか?」

 と俺が言うと、さっきの槍をもった男がやってきた。

「てめぇ! 冒険者舐めてんのか!! 俺でさえAランクなのにお前みたいなガキがSランクなわけねえだろうが!!!!」

 その前にこんな弱そうなやつがAランク!?

「いや、そうは言われても実際、俺Sランクだし」

 と、俺はポケットから金色に光るSランクのカードを取り出した。

「は? んなわけあるか!! それは偽物だ!!」

「いや、これ本物…」

 男が槍で俺を突き刺そうとした。俺はそれを指先で止め、槍を横に振った。
するとガシャーン!
 男は槍ごと壁へ吹き飛ばされた。

「「「「なっ!」」」」

 その瞬間、ギルド内にいた警備兵や冒険者たちが一瞬で俺の周りで武器を構えた。

「お前、何者だ!」

「Sランクのアウル。ただの冒険者…じゃなくて学生だ」

「Sランクのアウル? それって確か今、第二主都で暴れまくっているっていう無装のアウルか?」

 なぬ! いつの間にそんな二つ名が?無装ってかっこいいようなかっこ悪いような…ちゃんと服は装備してるぞ。

「ああ、そうだが」

「エルちゃん、こいつのギルドカードを確認して」

 と、受付のお姉さんがギルドカードを魔道具に差し込んだ。

「…本物です…」

 というとギルド内にいる全員の人が武器を下ろし、俺に頭を下げて謝った。

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