チート特典スキルは神より強い?
第3話 入学編2
アウルとハクが共に露店の建ち並ぶ大通りを歩き始めてから30分。ようやく目的地である魔法学院へ到着し、二人は受験者の立ち並ぶ校門へと向かった。
「凄い列だね」
列の原点である入学試験受付まで続く相当な長さの列。二人が並び受付にたどり着くまでなんと3時間は掛かったが、受付人はそれを詫びる事なく入学試験の受付としての責務を果たしていく。
「次の方、前へお願いします。ではお名前から――」
最初は名前、家族名、出身、歳などあらかた基本となる情報を調べられ、最終的に魔法能力の適性と魔力量を測る為、それを調べる道具、魔法水晶に手を乗せるよう受付テーブルの上へ受付人は魔法水晶を乗せた。これがこの魔法学院最大の難関とも言われている第一次試験、魔法適性&魔力量テストが始まった。
「くそっ! でもやりようによっては上級魔法だって俺は使えるんだ!!!」
アウルのすぐ隣で第一次試験を行っていた受験生は自分のテスト結果より不合格となってしまったようだ。そう、この魔法適性&魔力量テストはその名の通り魔法適性が優れず、魔力量が少なかったりすると不合格となってしまう。いくらレベルの高い魔法を行使出来たとしても、将来性が無い生徒は情け無用で切り落とされてしまう。それがこの学院のルール。俺もこのように理不尽な方法での入学試験は賛成ではないが、単純に性能の低い新入生を取るよりは高性能な人材をより多く入れる方が先決だろう。いくら国内一の学院だとしてもその中で生徒として迎え入れることの出来る人数には限りがあるのだから。
「では魔法水晶に手を」
受付人にそう言われ、アウルの手が魔法水晶に振れた瞬間、魔法水晶が粉々に砕け散った。魔法水晶は破裂する前触れも無く、一瞬にして粉々になってしまった。受付人は驚きの様子だったが、すぐに顔色を変え受付の下から水晶を新たに取り出した。今度は前回より半分くらい大きな水晶であり、受付人は改めましてといった表情でアウルを見つめた。
「では魔法水晶に手を」
同じくアウルは再び手を魔法水晶に触れた。そしてまたしても魔法水晶は一瞬にして砕け散った。
「え? これは一体」
驚愕といった言葉が相応しいほどの受付人の見事な反応。周りに並んでいた受験者たちも驚きを露わしていたが、すぐに自分の事へと集中を戻したかのように顔を前に戻してしまった。
「凄いね、中型魔力水晶が割れるは初めて見たよ」
ハクはそう言い残し、受付を出ていった。どうやらハクの方は試験に合格したようだ。あの様子だと余裕といったところか。周りで試験を受けている受験者たちは大抵、魔法水晶に手が触れた瞬間に力を吸い取られているような様子だが、ハクにそのような様子は一切なかった。要は魔力量がとても多いのだろう。
「とっ、とにかく合格です。二次試験会場はあちらにある第一闘技場になります」
第二次試験は模擬戦。模擬戦は受験者同士の一対一での勝負で魔法、呪い、武術など何でもありな仕様となっている。ルールは闘技場の中心に設置されてある円型の大きな台から受験者が除外された時か、一方の受験者が戦闘不能になった場合、その場に残った方が勝者となる。片方が負けを認めた場合も、もう片方が勝者となる。と、先ほど受付人から渡された紙に書かれていた。
ちなみに外部からの道具やアイテムですらも持ち込みOKとの事だから要はルール無用の戦いというわけだ。
「あれ殺戮剣士のバークじゃねぇか?」「今年はあんな奴も受けているのかよ!」
ルールの書かれた紙を見ている最中に闘技場の観覧席が騒がしくなったことにアウルは気づき、台の上に立っている二人の男を見た。そこには先ほどまで隣で一次試験を受けていたハクがもう模擬戦を行っていた。対戦相手は観客の言うバークという名の男。鍛え上げられた体に巨大な剣を担いだ姿はとても迫力があり、確かに他の受験者から恐れられていても不思議ではない。
だが、殺戮剣士って…。ここ殺人者でも新入生として入学出来るのか? 
二人の戦闘を観覧席から見ようと座りに行ったが、横から見ると二人の体格差を激しく、その光景はまるで人が巨人とこれから一戦を交えるかのように見えた。
「俺はバナーム家の長男、バーク。俺を前にしてこの場まで来られたことは褒めてやる。だが、俺に勝てるとは思わないことだ。精々、死なないように頑張ると良い」
「では、戦闘開始」
戦闘開始の合図と共にバークは肩に乗せていた巨大な剣をハクに目がけて振り落とした。だが、ハクはその細身な体格を利用し、剣を軽々と避けると右手をバークに向け無詠唱のウォーターバブルを放った。バークは予想通り、その重たい見かけの体格をすぐさま動かすことは出来ず、ウォーターバブルを正面から受けた。
案外、バークは観覧席まで吹き飛ばされ丁度階段に衝突した。幸いその近くには誰もいなかったため、誰一人としてけが人が出ることは無かった…。バーク以外は。
「勝者、ハク!」
誰一人として予想も付かなかったこの結果に観覧席からは大勢の歓声が飛び交った。そしてハクは平然と台の上から降りて俺の座っている場所の隣へ座った。
「僕の戦いどうだった?」
「凄かったよ。あの巨体を一撃で倒すとはね」
得意げな顔でわざとらしく聞いて来るハクにより、少しからかいたくなったがそれを我慢し、素直に褒めるアウル。その後、自分の番が来るまで他の受験者たちの戦闘を見ていようかと思ったが、そのすぐ後にアウルは審判に呼ばれることになりあまり観客席で見ていることは出来なかった。どうやら第一次試験で大勢の受験者たちがふるい落とされたようだ。
「では、戦闘開始」
審判の合図と同時に剣を構えてこちらへ恐る恐る向かってくる女の子。俺の対戦相手はアデムという名の小柄な女の子。少しは遠慮をしようかと一瞬思ったが、彼女の真剣な目を見て手加減は無用と理解した。アデムは本気でアウルを倒そうとしているのだ。この場では女も男も関係無い。情けは無用。
彼女がアウルを斬りかかる寸前、アウルは上空へと飛行魔法で飛行し、初級魔法の
[ライトニングスティック]を放った。情けを無用などと言っておきながら魔法のランクの中では一番下に位置する魔法[ライトニングスティック]を使ったわけだが、発動されたはずの[ライトニングスティック]はまだ現れない。
数秒後、凄まじい地響きが学院中に響き渡り、上空の雲に一瞬の内に巨大な穴が空いた。その中心部にはライトニングという名に合った色合いの黄色く輝く一本の巨大な棒が上空からこの闘技場の台の中心に直撃した。外部からの攻撃、襲撃を守るために張られているバリアは少しも耐えることは無く、尽く突き破られた。そして地面に直撃した衝撃は帝都中に響き渡り地面が大きく揺れた。
ライトニングスティックが落ちたと共に視界を遮るように舞い上がった大量の砂ぼこりが収まると、観覧席には誰もおらず全員が闘技場から既に避難していた。
「あ、威力間違えた」
アウルの計画では魔力を最低限まで落とし、複数のライトニングスティックを発動するはずだったが、一撃目で威力を大幅に間違えてしまった。これでアウルの普通の100分の1。予定では1万分の1の威力と魔力で発動をしようとしていたのだが、その試みは失敗に終わった。
闘技場の周りを見てみると、避難した教師、審判、審査員、受験生が恐る恐る台の中心に空いた穴を見下ろし、次に上空に飛行しているアウルを見上げた。別に彼女を殺そうとしていたわけではないよ。ホントだよ…?
「凄い列だね」
列の原点である入学試験受付まで続く相当な長さの列。二人が並び受付にたどり着くまでなんと3時間は掛かったが、受付人はそれを詫びる事なく入学試験の受付としての責務を果たしていく。
「次の方、前へお願いします。ではお名前から――」
最初は名前、家族名、出身、歳などあらかた基本となる情報を調べられ、最終的に魔法能力の適性と魔力量を測る為、それを調べる道具、魔法水晶に手を乗せるよう受付テーブルの上へ受付人は魔法水晶を乗せた。これがこの魔法学院最大の難関とも言われている第一次試験、魔法適性&魔力量テストが始まった。
「くそっ! でもやりようによっては上級魔法だって俺は使えるんだ!!!」
アウルのすぐ隣で第一次試験を行っていた受験生は自分のテスト結果より不合格となってしまったようだ。そう、この魔法適性&魔力量テストはその名の通り魔法適性が優れず、魔力量が少なかったりすると不合格となってしまう。いくらレベルの高い魔法を行使出来たとしても、将来性が無い生徒は情け無用で切り落とされてしまう。それがこの学院のルール。俺もこのように理不尽な方法での入学試験は賛成ではないが、単純に性能の低い新入生を取るよりは高性能な人材をより多く入れる方が先決だろう。いくら国内一の学院だとしてもその中で生徒として迎え入れることの出来る人数には限りがあるのだから。
「では魔法水晶に手を」
受付人にそう言われ、アウルの手が魔法水晶に振れた瞬間、魔法水晶が粉々に砕け散った。魔法水晶は破裂する前触れも無く、一瞬にして粉々になってしまった。受付人は驚きの様子だったが、すぐに顔色を変え受付の下から水晶を新たに取り出した。今度は前回より半分くらい大きな水晶であり、受付人は改めましてといった表情でアウルを見つめた。
「では魔法水晶に手を」
同じくアウルは再び手を魔法水晶に触れた。そしてまたしても魔法水晶は一瞬にして砕け散った。
「え? これは一体」
驚愕といった言葉が相応しいほどの受付人の見事な反応。周りに並んでいた受験者たちも驚きを露わしていたが、すぐに自分の事へと集中を戻したかのように顔を前に戻してしまった。
「凄いね、中型魔力水晶が割れるは初めて見たよ」
ハクはそう言い残し、受付を出ていった。どうやらハクの方は試験に合格したようだ。あの様子だと余裕といったところか。周りで試験を受けている受験者たちは大抵、魔法水晶に手が触れた瞬間に力を吸い取られているような様子だが、ハクにそのような様子は一切なかった。要は魔力量がとても多いのだろう。
「とっ、とにかく合格です。二次試験会場はあちらにある第一闘技場になります」
第二次試験は模擬戦。模擬戦は受験者同士の一対一での勝負で魔法、呪い、武術など何でもありな仕様となっている。ルールは闘技場の中心に設置されてある円型の大きな台から受験者が除外された時か、一方の受験者が戦闘不能になった場合、その場に残った方が勝者となる。片方が負けを認めた場合も、もう片方が勝者となる。と、先ほど受付人から渡された紙に書かれていた。
ちなみに外部からの道具やアイテムですらも持ち込みOKとの事だから要はルール無用の戦いというわけだ。
「あれ殺戮剣士のバークじゃねぇか?」「今年はあんな奴も受けているのかよ!」
ルールの書かれた紙を見ている最中に闘技場の観覧席が騒がしくなったことにアウルは気づき、台の上に立っている二人の男を見た。そこには先ほどまで隣で一次試験を受けていたハクがもう模擬戦を行っていた。対戦相手は観客の言うバークという名の男。鍛え上げられた体に巨大な剣を担いだ姿はとても迫力があり、確かに他の受験者から恐れられていても不思議ではない。
だが、殺戮剣士って…。ここ殺人者でも新入生として入学出来るのか? 
二人の戦闘を観覧席から見ようと座りに行ったが、横から見ると二人の体格差を激しく、その光景はまるで人が巨人とこれから一戦を交えるかのように見えた。
「俺はバナーム家の長男、バーク。俺を前にしてこの場まで来られたことは褒めてやる。だが、俺に勝てるとは思わないことだ。精々、死なないように頑張ると良い」
「では、戦闘開始」
戦闘開始の合図と共にバークは肩に乗せていた巨大な剣をハクに目がけて振り落とした。だが、ハクはその細身な体格を利用し、剣を軽々と避けると右手をバークに向け無詠唱のウォーターバブルを放った。バークは予想通り、その重たい見かけの体格をすぐさま動かすことは出来ず、ウォーターバブルを正面から受けた。
案外、バークは観覧席まで吹き飛ばされ丁度階段に衝突した。幸いその近くには誰もいなかったため、誰一人としてけが人が出ることは無かった…。バーク以外は。
「勝者、ハク!」
誰一人として予想も付かなかったこの結果に観覧席からは大勢の歓声が飛び交った。そしてハクは平然と台の上から降りて俺の座っている場所の隣へ座った。
「僕の戦いどうだった?」
「凄かったよ。あの巨体を一撃で倒すとはね」
得意げな顔でわざとらしく聞いて来るハクにより、少しからかいたくなったがそれを我慢し、素直に褒めるアウル。その後、自分の番が来るまで他の受験者たちの戦闘を見ていようかと思ったが、そのすぐ後にアウルは審判に呼ばれることになりあまり観客席で見ていることは出来なかった。どうやら第一次試験で大勢の受験者たちがふるい落とされたようだ。
「では、戦闘開始」
審判の合図と同時に剣を構えてこちらへ恐る恐る向かってくる女の子。俺の対戦相手はアデムという名の小柄な女の子。少しは遠慮をしようかと一瞬思ったが、彼女の真剣な目を見て手加減は無用と理解した。アデムは本気でアウルを倒そうとしているのだ。この場では女も男も関係無い。情けは無用。
彼女がアウルを斬りかかる寸前、アウルは上空へと飛行魔法で飛行し、初級魔法の
[ライトニングスティック]を放った。情けを無用などと言っておきながら魔法のランクの中では一番下に位置する魔法[ライトニングスティック]を使ったわけだが、発動されたはずの[ライトニングスティック]はまだ現れない。
数秒後、凄まじい地響きが学院中に響き渡り、上空の雲に一瞬の内に巨大な穴が空いた。その中心部にはライトニングという名に合った色合いの黄色く輝く一本の巨大な棒が上空からこの闘技場の台の中心に直撃した。外部からの攻撃、襲撃を守るために張られているバリアは少しも耐えることは無く、尽く突き破られた。そして地面に直撃した衝撃は帝都中に響き渡り地面が大きく揺れた。
ライトニングスティックが落ちたと共に視界を遮るように舞い上がった大量の砂ぼこりが収まると、観覧席には誰もおらず全員が闘技場から既に避難していた。
「あ、威力間違えた」
アウルの計画では魔力を最低限まで落とし、複数のライトニングスティックを発動するはずだったが、一撃目で威力を大幅に間違えてしまった。これでアウルの普通の100分の1。予定では1万分の1の威力と魔力で発動をしようとしていたのだが、その試みは失敗に終わった。
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コメント
小説書いてみたいけど内容が浮かばない人
間違えるな威力を〜!www
義務じゃなかった…oh......ま、良いんだけどね(๑>•̀๑)