俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件
カレー作りにて……
 草むらの周りにはたくさんの花が咲いていてモンシロチョウや蜂などが花の蜜を求めてさっさと働いていた。
 そんな中、俺はと言うとベンチに1人、肘をかけながらボケーっと辺りを眺めていた。
 ……暇だなぁ〜3人とも材料を取りに行ってからまだ帰ってこない。
 俺には食器や調理器具を洗うと言う使命が課せられていたが、それも全て終えてしまった。
 「ふぁ〜〜……」
 俺は口に手を当てながらあくびをすると、ふと昔のことを思い出した。
 ーーーー
  「あなたは今、生涯、解けない呪いの絵を描いてしまったのです。彼女たちの性格はメンヘラかヤンデレと化し、あなたを困らせ続けるでしょう」
 当時の俺はメンヘラもヤンデレも理解していなかったが、今考えると恐ろしい呪いだ……と言うかなんでメンヘラとヤンデレなんだ?
  まぁいいや。
 薄々感じてはいるが……やはりこの呪いは解けないのだろう。
 ……ヤンデレってのは観賞するのが一番だなぁ〜自分に被害があるとだんだん鬱になってくる……。
 俺はタオルの上で干してあるフォークを持ち上げ太陽と重ねた、それと同時に水滴がゆっくりと垂れていった。
 ……は!これで刺されたら、死ぬ!
 「ゆ〜きくん?」
 「ごめんなさい!許してください!」
 俺はいきなり抱きつかれてとっさに誤ってしまった。
 「なんだ……美代か」
 すると俺は首を絞められ逆の手で俺の持っていたフォークを持ち上げると満面の笑みを浮かべた美代が今にも殺しにかかって来た。
 「なんだって……雪くんにとって美代はその程度の人間なんだ……へぇ〜、さよなら」
  この人さらっとお別れ宣言しやがった!
 「お願いします!殺さないでください!」
 苦しい!苦しいよ!胸がどうこうとか言ってる場合じゃないから!
 だがこのまま死んだら安楽死の可能性が微レ存……って!今日の俺は明らかにおかしいぞ!
 「あ、おの〜雪さんが死んじゃいますから……その辺で……」
 ユンは痛々しそうに俺を見ながら美代を止めてくれた。
 毎回女性に助けられる俺って……羨ましいとか思った人はちょっとこっち来い。
 「雪くん……ちょっとこっちに来てもらってもいいかしら?」
  逆に俺が呼び出されてしまった……。
 志保はそう言うと俺に手招きをした。
  俺はユンと美代に適当な言い訳を言ってあとをついて行くと人目のないところまで歩いた。
 この先は深い森になっていて俺たちみたいに遊びに来た人達には無縁の場所だ。
 森の出入り口に唯一のトイレがぽつんと建てられていて進むともう美代たちの姿は全く見えなくなった。
  無言で俺たちは歩いた……なんか変な雰囲気でてるんだが……。
 「どわっ!……」
 俺は壁際に落ちつけられると志保は俺の股の間に足を挟み逃げられないような体勢になった。
 「さっき……言ったわよね?」
 し、志保の吐息が俺の耳に当たり今にも舐められそうな距離まで近づくと俺は我に返った。
 「え!?な、なにが!?」
 俺と志保は顔を真っ赤にしながら互いに目を合わせると俺はすぐさま視線をそらした。
 そらした先が胸なんてことはないよ!……でも制服越しに見るのもなかなか……。
 すると俺は顎をくいっと持ち上げられ目線を志保の方に戻された。
 「っん!?」
 「だ・え・き……飲んでくれるんだよね?」
 いやいや!そんな約束してないから!
 「え〜っと、俺はそ……」
 目が!目が光ってます!赤く光っております!
 「そ、そんな約束したかも……」
 俺は震えた声でそう言うと志保はニコッと笑った。
 「そう……カレーに入れるとみんな飲むことになるじゃない?」
 俺は黙って頷いた。
 「だ・か・ら……いっそ直接入れようと思うのだけれど……」
 俺は大きく目を見開くと視界が志保の口元に移った。
  え?なにこれ?チューするの?していいの?
 俺は張り裂けそうな心臓をなんとか抑えていると志保は少しずつ顔を近寄せて来た。髪の毛からはシャンプーのいい香りがしてだんだん考えるのをやめた。
 もういっそこのまま身を任せてしまおうか……。
 いや駄目だろ!
 
 「ま、待ってくれ志保!」
 俺は目線を合わせないよう目をつぶった。
 「なに?今更怖いですやっぱやめて下さいなんて聞くと思ってるの?」
 ……もちろんそんなつもりじゃない。
 ここはイチかバチかだ!
 しかしこの時の俺は気づいていたのだ。
 ……いやきっと誰もが気づいているのだろう。
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