Re:legend

りゅう

550:女神の使徒











「全員、門の中に入りなさい…あれをやります」

ミカエラの叫びを聞いたヴァルキリーたちは門の中に撤退する。

「え、ちょ…大丈夫なのか?」
「大丈夫です。流石ミカエラ、あの力を使えるようになっているとは」

シャインが少しだけ嬉しそうに呟く。まるで自分の子供の成長を見届ける親のような瞳でミカエラを見続けていた。

「女神の使徒」

ミカエラがそう呟いた瞬間、門の中のヴァルキリーが輝き出しヴァルキリーの体から光が放たれる。
そして放たれた光は全てミカエラの元に集まりミカエラの力となった。

「すげえ…こんな魔力は初めてだ。あ、やばい、楽しくなってきた!じゃあこっちも本気でやろうかな」

ディートリヒは嬉しそうに自身の魔力を増幅させて闇の力を強化する。
ミカエラの光とディートリヒの闇、2つの力のぶつかり合いに巻き込まれてディートリヒの手下の魔族は全滅していた。
それほどまでに2つの力は強大だった。魔力量ではほぼ互角だろう。どちらが勝つかの予想もつかなくなり僕はただ2つの力のぶつかり合いを見ることしかできなかった。

「始祖の光」

ミカエラが光の力を集中させて光の塊を作り出す。

「光の裁きを受けるといい」

ミカエラが作り出した球体から無数の光が弾丸のように発射される。高速で移動する光の弾丸はあっさりとディートリヒの体を貫く。

「一発食らったか…結構痛かったよ」

あれだけの数の光の弾丸を捌き一発しか食らわなかったディートリヒにも称賛が与えられるだろう。それほどまでにミカエラの攻撃は凄まじかった。

「次はその100倍でいきます」

ミカエラはそう予告して先程よりも多くの光の弾丸を放つ。

「これは、やばいな…ブラックホール」

ディートリヒは慌てて魔法を展開して闇の渦を作り出す。ディートリヒ目掛けて進んでいた光の弾丸は全て闇の渦に飲み込まれた。

次元が違う。2人の戦いはまさにそのような感じだった。












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