Re:legend
542:夢海の覚悟
「破壊の光」
覚醒状態になった僕は以前みたいに光の力を使おうとするがうまく扱えない。
「リュウ様、おそらくあの時はかなりの極限状態にあったから使えたのだと思います。リュウ様の才能は確かにすごいものですが光の力を使いこなすにはまだ力不足です」
「なら光に頼らず戦うだけだ」
僕はエリュシオンに火の魔力を流し込みミカエラに振るう。
「光の力を扱うことすらできない小童が私を倒せると思わないことです」
ミカエラは光の力を纏わせた剣で僕の剣を弾き飛ばす。
「っ…」
エリュシオンを吹き飛ばされる直前、僕は『風神』の力を使いミカエラに向けて斬撃を飛ばした。
「甘い」
ミカエラは僕の斬撃を全て弾き光の力を剣先に集中させる。
「精霊神の風剣、精霊神の炎剣」
僕は精霊神の力で風の剣と火の剣を作り出しミカエラの剣目掛けて全力で振るう。
「光の裁き」
「っ…クロノスタジア」
「光は時よりも早いものです」
ミカエラの放つ光は時魔法をもあっさりと破り僕に直撃する。地面に叩きつけられた僕の手からは風の剣も火の剣も消滅しており覚醒状態と精霊神モードは解除されていた。
「………リュウさん、大丈夫?」
ゆめみちゃんが慌てて僕の元に駆けつける。
「大丈夫だよ。ゆめみちゃんは危ないから下がってて」
僕は最後の力を振り絞って『怠惰』の力で大量の剣を生成、そして作り出した大量の剣全てに『風神』の力を使いミカエラ目掛けて無数の斬撃を放つ。
「光の繭」
ミカエラは光の力で巨大な繭を作りその中に閉じこもる。僕の斬撃は光の繭に傷つけることすら出来なかった。
「リュウ様、私が『夢海』を始末するまでの間、眠っていてください」
ミカエラはそう言いながら光の力を集めて僕にぶつける。ミカエラの光を直接くらった僕の意識は飛びそうになる。
「……リュウさん」
ゆめみちゃんは僕の体をそっと抱きしめた後僕の体をゆっくりと置いて僕に『夢海』の力を使い僕を眠らせた。
「これで邪魔はいなくなった。私を殺して……」
「随分潔いな」
「私を助けてくれた恩人をこれ以上傷つけたくないだけ…」
「あんた、何を言って…」
ゆめみちゃんを守ろうとして動き始めたエリカやフラン、ニコルちゃん、シャイン、フェアリーたちに『夢海』の魔法を使い全員を眠らせる。
「なるほど、ここまで『夢海』の力を使いこなしているとは…」
「………殺すなら早くして、これだけ強い人たちを眠らせておくのかなり魔力使うから。それに私自身、今何をしたかわからない…いつみんなが目を覚ましてもおかしくないから…早くして……」
「そうだな。貴様には敬意を払おう。守りたいもののために自らの身を捧げられる者は少ない」
ミカエラはそう言いながら精一杯の敬意を込めた光をゆめみちゃんに向けて放つ。
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