Re:legend

りゅう

531:バリアス制圧へ









「リュウ様、大変です。バリアスに『虚無』と名乗る魔族が現れました」

エルミスにピュレット騎士団の部隊を配置している最中にバリアスを陥落させるために向かわせた部隊を率いていたシーラさんが僕に報告する。

「『虚無』?」
「はい、恐らく『純血』や『死霊』と同等の魔法使いです。『虚無』の魔法によりバリアス内及びバリアス周辺で魔法、古代魔法、精霊魔法を一切使えなくなっています」
「なんだよそのチート能力…」
「『虚無』の魔法は自身や味方にも影響するみたいなのでチートというわけではないと思いますが…魔族側は魔法を使わない戦士達を大量にバリアスに配置してますね」

頭を抱えていた僕にシーラさんが付け加える。

「なるほど、ならこっちも魔法を使わないでも戦える人たちを送り込むか…」

というわけで僕、ニコルちゃん、ソラミちゃん、コリンさん、コヨミちゃん、ガランさんの6人を中心としそこにスカーレッド、グランブルーそして獣人のピュレット騎士団団員を集めた部隊を編成してバリアスを攻めることにした。

「とりあえずバリアスに入ったらニコルちゃんにソラミちゃん、コリンさんは厄介な敵の相手を頼む。ガランさんとコヨミちゃんは騎士団団員を率いてバリアスを制圧してください。スカーレッドとグランブルーにはガランさんとコヨミちゃんのサポートをするように言ってあるので何かあったらスカーレッドとグランブルーを頼ってください」
「あの、リュウさんはどうするつもりなんですか…『虚無』と一対一で戦ったりはしませんよね?」

心配そうな表情でニコルちゃんが僕に尋ねる。

「そのつもりだよ」
「そんな…一人でなんて……」
「大丈夫。心配しないで…僕が負けると思う?」
「思いません…けど…心配なんです…リュウさんいつも無茶ばかりするから…リュウさんが一人で行くって言う時いつも私やハルカさんたちがどれだけ心配してるかも考えてください…」

泣きそうになりながらニコルちゃんが僕の心配をしてくれる。そうか…僕には僕のために泣いてくれる人がいるんだった…

「ニコルちゃん、ごめん」
「私も連れてってください。リュウさんの側で戦わせてください。今回はハルカさんもエリカさんもフランさんもアミちゃんもヒナちゃんも戦えない。だから私を側に置いてください。もうリュウさんを一人で戦わせたくないんです。私なんか頼りにならないし足手まといになるかもしれない…ハルカさんやみんなに比べたら実力もない。でも、今リュウさんの側にいてあげられるのは私だけなんです。だから私を側に置いてください」
「わかった。ニコルちゃんありがとう」
「リュウさんにはリュウさんのことを大切に思っている人が少なくとも6人いるってことを忘れないでくださいね」

ニコルちゃんは僕に抱きつきながら僕に言う。

「わかった。でも僕がニコルちゃんを大切に思ってることも忘れないで…僕が逃げろって言ったらちゃんと逃げてね。いつもなら魔法で守ってあげられるけど今回は魔法が使えないから…」
「わかりました」
「ニコルちゃんが僕と一緒に来てくれるのはいいけどそうなると他がきつくなるかもしれないな…」

そう判断した僕はジャンヌとラハドさんにもバリアスに行くように頼んだ。









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