Re:legend

りゅう

522:死霊















「リュウ、落ち着け、ダンピールは魔法が使えねえ、だから敵はあいつじゃねえ」

レグルスにそう言われて僕は踏み止まる。レグルスの言う通りだ。ダンピールとヴァンパイアは魔法が使えない。ヴァンパイアなら呪いの一種が使えるがダンピールのソラミちゃんは呪いすら使えないはずだ。

「右です!」

エルに言われてようやく気づいた。僕は右から飛んで来たナイフを全て弾いた。

「なるほど、敵はお前か…ソラミちゃんに何をした?」

僕は謁見の間の物陰に隠れている人物に尋ねた。

「別に何もしておりませんよ。ただ眠っていただいただけです。ダンピールなんて珍しいものなかなかお目にかかれませんからね…持ち帰って私の死体コレクションに加えようと思いまして…」

一瞬でソラミちゃんの真横に移動した魔族がソラミちゃんを撫でまわしながら言う。

「汚い手でソラミちゃんに触るな」

僕はエリュシオン振りかぶり魔族に斬りかかる。

「2番防ぎなさい」

魔族がそう呟くと突如現れた人間が魔族を庇いエリュシオンで真っ二つになった。

「ほう、それが噂に名高い神器か…厄介な代物ですねぇ…私の『死霊』の魔法が無力化されるとは…」

「おいリュウ、よく聞け、死霊の魔法は魔神王が生み出した禁断の魔法の1つだ。色欲も似たような魔法を使うが格が違う。まず奴の魔法の効果だが、やつは死体に命令を与えて操ることができる。ちなみにやつに操られている死体は生前の何倍にも強化されてるから気をつけろ…そして、やつの魔法で操られている間死体は傷ついても復活する。手を斬られたら手が生えてくるし首を飛ばしても再生される」

うわぁ、何それチートじゃん。

「やつの魔法はお前のエリュシオンで攻撃を加えれば解除できる。つまり今ここを襲って来てる死体軍団を倒せるのはお前だけだ」

チートキラーがここにいました。僕であります。

「レグルス、あいつを倒せばあいつの魔法で操られている死体は全て解放されるか?」

「ああ、そのはずだ」

「わかった。死体を全部片付けるのは面倒だからあいつをぶった斬るよ」

僕はそう言いながらエリュシオンを構える。おっと、その前に…

「風の揺り籠」

僕は自分で生み出した風魔法を発動する。すると突風が吹き荒れソラミちゃんを包み込む。

「これで心置きなく戦える」

僕はそう言いながらエリュシオンを構え直した。















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