Re:legend

りゅう

518:お互いの利益














「よし、外れた」

エリカたちがヴァンパイアの王とこの城を目指していた頃…
城の中にいたヴァンパイアは全滅していた。だって大人しく鍵を渡さないんだもん。仕方ないよね…

「さて、どうする?城中探し回ったけどヴァンパイアの王なんていなかったし…」

僕たちが家に帰るためにはヴァンパイアの王を探しこの呪術を解いてもらわなければならない。

「あっ、フェアリーたちが来たみたい。とりあえずフェアリーたちと合流しよう」

僕達はフェアリーたちと合流するために城の出口に向かった。

「………え、どゆこと?」

僕達が城の前で見たのはエリカたちに連行されたヴァンパイアだった。

「あれ、もう脱出してたの?」

エリカが城の前に立つ僕達を見て尋ねる。

「あ、うん。力強くでね…ところでそいつは?」

「ヴァンパイアの王よ。ほら、はやくこの呪術をときなさい」

「わかりました」

エリカの指示に従順に従うヴァンパイアの王、王の威厳が…

「えーと、じゃあ、帰ろうか…」

僕がみんなにそう言うとヴァンパイアの王はホッとしたような笑みを浮かべる。

「まあ、待ちなよ〜せっかくだしこのヴァンパイアの国、ピュレットのものにしたら?」

「「は?」」

フレイムの提案に僕とヴァンパイアの王がギョッとした顔をする。

「この国はこの大陸の魔神王に支配された領土を取り戻す拠点として使えるわ。おまけにヴァンパイアの大群と言う強力な軍隊も手に入る。一石二鳥じゃない。それにヴァンパイアにとっても悪くない話よ」

「と言うと?」

ヴァンパイアの王が真剣な表情でフレイムに尋ねる。

「1つ目、ここがピュレットのものになればこちらにピュレット騎士団が派遣される。国の防衛力は極端に上がるわ。2つ目、あなたたちが絶滅しなくて済む」

「どういうこと?」

急に飛び出してきたヴァンパイア絶滅という言葉に僕が反応する。

「魔神王によってこの大陸はヴァンパイアロード以外の国が支配されたわ。よって食料、人間の血がない、本来ならヴァンパイアはもっと強いわ」

「つまり人間をこちらに引き渡してくれるということか?」

「いいえ、違うわよ。最近はね、献血って技術があるのそれで人間の血を取り出して定期的にあなたたちに提供してあげる」

「なるほど…そういうことならヴァンパイアロードはピュレットに併合されても良いぞ」

「だ、そうよ。どうする?」

フレイムとヴァンパイアの王が僕をじっと見つめる。

「わかりました。ヴァンパイアロードをピュレットに併合します」

ちょうど他の大陸を魔神王から取り戻すための拠点を探していた僕たちにとってこれほどいい話はない。

こうしてヴァンパイアロードは正式にピュレット領土になった。













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