Re:legend

りゅう

508:とりあえず














「『色欲』に選ばれた!?」

修練場を後にしたエリスの報告を聞いたエリカが驚く。

「どうしてエリスが?」

「さあ、私にもわかりません」

「ていうかなんで『色欲』がここにあるのよ」

「わかりません…」

先程からエリスはエリカの質問にわかりませんとした答えることができなかった。

「とりあえずリュウが出てくるまでは待機ね」

エリカはそう言いながら修練場の入り口前に座る。エリカの横には不安そうな顔のヒナちゃんがいた。

エリカとエリスが修練場から出てきて数分後、修練場の扉が開き1つの人影が修練場から放り出された。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

修練場から放り出されたハルカをエリカが受け止める。放り出されたということはおそらく試練には失敗したのだろう…

「エリカ…うん。大丈夫、ありがとう」

ハルカはそう言いながら立ち上がった。

「ハルカ、エリスの魔導書」

ハルカが立ち上がった直後、ハルカの脳内にウィズの声が響き渡る。

「その魔導書…」
「ああ、色欲で間違いないだろう…なるほど、彼女のもとに現れたか…厄介だな…彼女が覚醒状態になれないのが今のところ唯一の救いだな…」
「でも、アミちゃんみたいに勝手に暴走するかも…」

ハルカは以前、目の前で兄を殺された時のアミちゃんを思い出していう。

「ああ、とりあえず今は彼女に精神的な不安を与えないようにするしかないな…ハルカ、修練場に入るのは一旦中止にしよう」
「わかった」

ハルカはウィズとの念話を終えると同時にエリスのもとに向かう。

「エリカはシャインさんを呼んできて、あっちでスカーレッドたちと一緒にいるだろうから…」

「わかった」

ハルカに言われた通りエリカはシャインのもとに向かう。その後、ソラミちゃんやシャルロット、ジャンヌたちが修練場から出てきたがエリスを心配して再び中に入る者はいなかった。
















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