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りゅう

503:『怠惰』と『怠惰』















「あなたは…誰?」

修練場に入ったシャルロットの前に現れたのは金髪の女性、『怠惰』の魔族、フィーの偽物だった。だがフィーのことをシャルロットは知らない。

「この感じ、あなたは魔族なの?」

フィーの偽物の気配を感じたシャルロットがフィーに尋ねるが返事はない。

「まあいいわ。あなたを倒して私は強くなる」

シャルロットはそう言いながら『怠惰』の魔法を発動、無数の剣を作り出しフィーの偽物に狙いを定める。

「!?………ふざけてるの?」

シャルロットの目の前に立つフィーの偽物はシャルロットと同じように無数の剣を作り出しシャルロットに狙いを定めていた。

「私の魔法をパクっていいのはあいつだけよ」

シャルロットはそう言いながら剣を操る。シャルロットが操る剣とフィーの偽物が操る剣がぶつかり合う。そして、シャルロットが誤っていた剣は全てフィーの偽物が誤っていた剣により粉砕された。

「そんな…」

自分の魔法をこうもあっさりと破られたことにショックを受けたシャルロットはその場に崩れ落ちた。

無抵抗のシャルロットを冷たい目で見つめながらフィーの偽物は容赦なくシャルロットを無数の剣で貫いた。

「シャルロットさん、シャルロットさん、大丈夫ですか?」

シャルロットが目を覚ますと目の前にはヒナちゃんがいてシャルロットの体を揺らしていた。

「よかった。大丈夫でした?」

「うん。大丈夫よ。心配してくれてありがとう。もう一回行ってくる」

シャルロットはそう言いながら立ち上がり再び修練場に入る。その後シャルロットは何度もフィーの偽物に敗れた。

だが、シャルロットは再び立ち上がり修練場へと足を踏み入れる。

「いつまでも足手纏いじゃいられないんだから…」

シャルロットはそう言いながら前へ前へと歩み続ける。


























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