Re:legend
456:先住民
「ここがスイ様の屋敷…スイ様、有り難く使わせて頂きます」
スイ様から借りた屋敷の鍵を使い私は屋敷の中に入ろうとした。
「あれ?」
私は屋敷の鍵が開いているのに気づいた。最初はスイ様が鍵をかけるのを忘れただけかと思ったがスイ様がそのようなミスをするわけがないと警戒しながら屋敷に入っていく。
屋敷の中は隅々まで掃除が行き届いていて汚れやホコリが全くない。とても最近使われていなかった屋敷とは思えなかった。
「あなた、誰?」
「……つっ」
廊下を歩いていた時、謎の声を聞いた私は慌てて警戒して数歩下がる。
「あなたこそ誰?ここは水の魔女スイ様が所有する屋敷よ。もし無断で住み着いていたのならスイ様に代わって私が…」
「水の魔女…?へぇ…ここはスイさんの屋敷だったの…知らなかった…」
「あなた、スイ様を知っているの?」
「知ってるもなにも私とスイさんは同盟関係にある。私は砂の魔女サラ…まあ、砂の魔女になったのは最近だけど…」
「砂の魔女!?スイ様と同盟関係って言うのはどういう…」
私は慌てながら砂の魔女に尋ねる。スイ様が砂の魔女と同盟を結んでいるなんて聞いたことがないからだ。
「私とスイさんはある人物を追っている。私は先代の仇を討つために…スイさんの目的は知らないけどスイさんも同じ人物を追っているみたいだったから情報交換とかをしようって約束したんだ。そしてここらへんにその人物がいるって聞いて誰もいなかったこの屋敷を拠点にさせてもらってたんだ。君からスイさんに謝っておいてくれないかな」
「ええ、わかりました。それよりあなたは誰を追っているんですか?」
「イカヅチという人物を追っている…」
砂の魔女は小さく呟いて黙り込んでしまった。彼女の周りを漂う魔力の流れを見た感じ相当イカヅチという人物に恨みを持っているようだった。
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