Re:legend

りゅう

437:しばらくの別れ













「じゃあ、白…やるぞ…」

僕はそう言いながらみんなの前に立ち白に近づいて行く。僕の後ろではみんな悲しそうな表情をしていた。中にはないている人も……

「うん。じゃあ、しばらくお別れだね。みんな、そんな表情しないでくれよ。別に一生の別れじゃないんだし、1年くらい経てばリュウがなんとかしてくれるんでしょ?」

白が笑顔で僕に尋ねる。僕は白の期待に必ず答えないと、と思いながら白に当然だろ。と返事をした。

「絶対にガーディアンを倒してお前の体を取り返すから安心しとけ」

「うん。頼むよ…親友…」

白は少し照れ臭そうに僕のことを親友と言った。

「ああ、じゃあ、しばらくゆっくり休んでろ」

「うん。僕がいない間に結婚式しないでよ。リュウ達の結婚式、結構楽しみにしてるんだからさ…」

「ああ、わかってるよ。みんなも結婚式は白が戻ってきてからでいいって言ってくれたから安心しろ」

「じゃあ、リュウの結婚式を楽しみにしながら眠りにつくよ」

「ははは、僕の結婚式を楽しみにされるってのもな…普通の結婚式で済ませる予定だし…」

「大丈夫大丈夫、リュウの普通は普通じゃないから」

白が笑いながら言う。え?僕っていたって普通だと思うんだけど……

「じゃあ、そろそろやるぞ…最後に何か言いたいことはあるか?」

「うん。じゃあ、少しだけ…」

白はそう言いながらみんなの方に歩いて行く。

「ハルカ、エリカ、フラン、アミちゃん、ニコルちゃん、リュウのことを頼むよ。一人で突っ走るタイプだからしっかり支えてあげて欲しい」

「はい。わかってますよ。安心してください、リュウさんは私達で支えますから…」

ハルカが泣きながら白に返事をする。白はハルカの返事を聞いて満足そうな表情をして僕の方に戻ってくる。

「じゃあ、みんなしばらくお別れだね。大丈夫、しばらくしたらまた会えるから…だから泣かないで…みんなに泣いて見送られるのは嫌だからさ…」

白がそういうとハルカやユリちゃん、ヒナちゃん、ソフィラさん達が泣くのをやめる。

「じゃあ、白、やるぞ」

「頼むよ…」

白の頼むよと言う言葉にはいろいろな意味が込められていた。

「封印の鎖」

僕が魔法で作り出した鎖が白に触れた瞬間、白はその場からいなくなりその場には白が封印された結晶だけが残った。
















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