Re:legend

りゅう

416:狭間へ











「ここは……」

ハルカが目覚めるとそこはいつもハルカがウィズと会っていた場所だった。

「ウィズ、ウィズ!いないの?」

ハルカは大声でウィズを呼ぶが反応がなかった。ハルカがウィズを探して少し歩いているとハルカの目の前に穴が開いた。

「ウィズ、どうしたの?すごい傷じゃない……」

穴から出てきた傷だらけのウィズをハルカが支える。

「ハルカ……ごめんね……君の記憶を……取り戻せなかった……」

ボロボロになったウィズが力を振り絞ってハルカに言う。

「どういうこと…それよりも急いで手当てしないと…」

ハルカはそう言いながらウィズに治癒魔法をかける。治癒魔法とは言ってもハルカの治癒魔法はメグや僕の治癒魔法には程遠く応急処置程度の役割しか出来なかった。





「あっ、やっと起きた…大丈夫?」

ウィズが目を覚ますと目の前に心配そうな表情でウィズを見つめるハルカがいた。

「うん。大丈夫…」

「ウィズ、何があったの?なんか私の記憶がどうこう言ってたけど…」

「………出来るだけ黙ってようと思ったけど無理みたいだね。黙っててごめん。さっきハルカと別れた後、私はハルカの記憶を取り返すために番人に勝負を挑んで負けた…ごめん、君の記憶を取り返すことが出来なかった……」

ウィズはそう言いながらハルカに謝る。

「ウィズ…ありがとう。ウィズが私のためにそこまでしてくれたのはすごく嬉しい、でもね、なんで相談してくれなかったの?ウィズがこんな目に遭うことなんて私は望んでない…」

「ごめん……ハルカのためにと思って1人で無茶しちゃったかな……でもね、私はハルカに記憶を返してあげたい。だから私はまた番人のところに行くよ……」

ウィズはそう言いながら立ち上がった。

「ウィズ、お願いだからやめて…お願い…」

「ハルカ…君が私のことを思ってくれるのは嬉しい。だけどハルカの記憶は絶対に取り返さないといけない……」

「じゃあ、私も連れてって…ウィズばかり危険な目にあわせるわけにはいかないから…」

「………わかった。その代わり危なくなったらすぐに逃げるよ」

「うん。ウィズ、ありがとう」

「じゃあ行こうか….番人の待つ狭間に……」

ウィズが開いた穴のようなものをハルカとウィズは潜った。














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