Re:legend

りゅう

405:ウィズ再び










「やあ、さっそく呼び出しちゃって悪いね…」

「約束ですから来ましたけど…まさかこの状態で呼ばれるとは思わなかったです…恥ずかしいので一旦戻っていいですか?」

ハルカが顔を赤くしながらウィズに言う。ハルカとウィズが今いる場所ではハルカの体が今、どのような状態にあるのかがわかるようになっている。

「まあまあ、せっかく好きな人に添い寝してる状態なんだしもう少し楽しんだら」

ウィズが笑いながらハルカをからかう。

「だったら呼び出さないでください…これじゃあ添い寝してるような気がしないので…」

そう。ハルカの体は今、僕が眠っているベッドの中にあった。ハルカは今僕のベッドに入って僕に抱きつきながら寝てしまっていた。

「まあまあ、用件だけ伝えたらすぐに戻してあげるからもう少し我慢してよ」

「用件?何かあったんですか?」

「うん。ちょっとまずいことになってる…」

さっきまでふざけた顔でハルカをからかっていたウィズの表情が真面目な表情に変わる。

「まずいこと…ですか?」

「うん。ちょっと『色欲』がね…残りの魔女を復活させようとしてる。あと『強欲』、『怠惰』、『暴食』そして私を除く大罪の魔族の復活も企んでいるみたいだ」

「つまり魔女と『憤怒』と『嫉妬』の復活を企んでいると?」

「ああ、そういうことだ」

「なんで今の話でウィズさんや『強欲』の方々の復活の話が上がってこなかったんですか?」

「簡単な話さ…昔、私と3人の大罪の魔族で魔神王を撃とうとした…まあ、その前に封印されちゃったけどね…」

「なんでそんなことを…」

「私は『傲慢』として誰よりも強くありたかったから…『強欲』は更なる力を求めたから『怠惰』は魔神王から解放されて自由になりたかったから…『暴食』は私に懐いてたから私に協力してくれた…」

ウィズは懐かしそうに昔の話をした。

「まあ、魔女や他の大罪の魔族の復活くらいなら放っておいていいと思ってたけど…『全能』の復活を企み始めた」

「『全能』?」

「私達魔族の中で魔神王の次に強い…ぶっちゃけ魔神王と比較してもそこまで劣らないほどの奴だ…おまけに魔神王の忠実なしもべ…こんなやつが復活したら大変なことになっちゃうってのはわかるよね?」

「はい。せめてリュウさんがいる時なら…」

「彼でもあいつには絶対に勝てない…だから『全能』の復活は絶対に阻止して…あいつは今、元エルフラウ王城の地下に魔導書となって封印されている…もう時間も限界だね…またしばらく会えないかもしれないけどまた呼んだら来てね…」

ウィズの言葉がハルカに届いた瞬間、ハルカの意識はもとに戻った。

「お姉ちゃん…そこで何やってるのかな?」

ハルカが目覚めると僕のベッドの横にお怒りのエリカがいた……
















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