Re:legend

りゅう

364:仲間










「ふむ、招かねざる客が来たようだな…」

床に倒れこむ火の魔女フレイムの頭を踏みつけている氷の魔女フロストが僕に気づいて言う。

「君……は………」

すでに瀕死状態の火の魔女フレイムが僕に気づき助けを求めるような視線を送る。

「フェアリー、やるぞ」

「りょーかいです!」

フェアリーが僕のカバンの中に入って僕に力を送り始める。フェアリーが力を送ってくれている間に僕は神器を取り出した。

「ほう、エリュシオンか…いい武器を持っているな…」

「エリュシオン?」

「その剣の名だ。覚えておくといい」

氷の魔女フロストが僕が持つ神器を指差して言う。

「まあ、そんなことはどうでもいい…何をしにここに来た?」

氷の魔女フロストが冷たい冷気を放ちながら僕に尋ねる。

「いや、ちょっとそこで倒れてる魔女さんと話をしたいな〜と思って来ただけだよ」

「そうか、なら残念だったな…今、この瞬間こいつは死ぬ…今すぐに帰るというなら貴様だけは見逃してやるぞ…」

「有り難いけどそれは無理だな…まあ、とりあえずその足をどけてもらえないかな?」

「それは無理だな…」

そう言いながら氷の魔女フロストは足から冷気を放ち火の魔女フレイムを凍らせていく。火の魔女フレイムは火を放ち抵抗しているが氷の魔女フロストには全く効いていないみたいだ。

「とりあえずその足をどけろって言ってんだろ」

僕がそう言いながら氷の魔女フロストに斬りかかろうとした瞬間、僕は数人の氷のウィッチプロフェッサーに囲まれた。

「そこをどけ」

「「「「アイスウォール」」」」

数人の氷のウィッチプロフェッサーが氷の古代魔法で壁を作り上げるが僕はそれを神器……いや、エリュシオンで一刀両断した。

「「「「なっ…」」」」

「エリュシオンは魔法を切り裂く効果を持っている。数で攻めろ」

氷の魔女フロストが氷のウィッチプロフェッサーにそういうと氷のウィッチプロフェッサーは氷の遠距離魔法で攻撃してきた。

まずい…このままじゃ間に合わない…凍らせていく火の魔女フレイムを見て焦りながら氷のウィッチプロフェッサーが放つ魔法を次々と斬っていく。

「リュウさん…ここは…私が…やる…急いで…」
「リュウ、はやく行きなさい」
「リュウさん、フレイムさんを助けてあげて」
「リュウさん、ごめんなさい。来ちゃいました」

そう言いながら現れたハルカ、エリカ、サラちゃん、ソラミちゃんが氷のウィッチプロフェッサーの前に立ち塞がり僕に言う。

「ハルカ…なんで…」

「心配だったからに決まってるでしょう。一つだけ言っておきますけど私、リュウさんが勝手に死んだら自殺してでもリュウさんを追いかけますからね」

ハルカが笑顔でそういう。さすがに冗談ですよね?うん。冗談だろう……

「まあ、来ちゃったもんはしかたないか…じゃあ任せた」

僕はみんなにそう言い氷の魔女フロストに向けて魔法を放つ。僕の魔法を躱すために氷の魔女フロストは火の魔女フレイムから足を離し数歩下がる。

僕は火の魔女フレイムに駆け寄り回復魔法をかけようとする。

「回復の鎖」

突如飛んで来た鎖が火の魔女フレイムに巻きつき火の魔女フレイムを鎖の主のもとまで運ぶ。

「アミちゃん、メグ、ありがとう。火の魔女フレイムは任せた」

「わかりました」
「まあ、任されてあげるわ。そのかわり明日のおやつはロールケーキにしてね」

アミちゃんから火の魔女フレイムを受け取ったメグがその場で火の魔女フレイムの回復を始める。

「リュウさん、みんな…リュウさんのお役に立つために来てます。リュウさんの負担を少しでも減らすために…だからちゃんと氷の魔女フロストを倒して来てくださいね」

「わかった」

僕はハルカにそう答えて氷の魔女フロストの前に立つ。












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