Re:legend
343:買物
「ここが…ピュレット…何故だろう…何故……ここだけ………」
ピュレット王都付近に突如現れた影はそう呟きながらピュレット王都に足を踏み入れた。
その日、僕はアミちゃんとサラちゃん、ソフィラさんとともに街へ買物に出かけていた。サラちゃんが服を一着しか持っていないのを知りアミちゃんが僕に買物に連れて行くよう頼んで来たからだ。
まあサラちゃんの部屋の家具とかも買わないといけなかったからちょうどいいのだが…
「リュウさん、服屋さんに行く前にクレープを食べに行きませんか?昨日サラちゃんにクレープの話をしたら食べてみたいって言ってたので…」
「うん。リュウさん…クレープ食べてみたい…」
「そっか、じゃあ食べに行こうか…」
「「やった〜」」
アミちゃんとサラちゃんが喜ぶ。まるで仲のいい姉妹みたいだな…
僕は喜ぶ2人を後ろから見ていてそう思った。
クレープ屋に到着した僕達はさっそくクレープを買う。僕はチョコバナナ、アミちゃんはイチゴ、サラちゃんはチョコイチゴ、ソフィラさんは抹茶バナナ、僕達は買ったクレープを手に近くのベンチに座る。
「ん〜すっごく美味しい!」
クレープを一口ほうばったサラちゃんが満面の笑みでそう呟く。
「サラちゃん、こっちも食べてみて」
アミちゃんがそう言いながらサラちゃんに自身のクレープを差し出す。
「こっちも美味しい!」
サラちゃんがアミちゃんのクレープを食べて言う。
「じゃあ、お返し」
サラちゃんが自分のクレープをアミちゃんに差し出す。アミちゃんはそれを一口食べて美味しいとサラちゃんに言う。
「さて、食べ終わったことだしそろそろ行くか」
「そうですね…このクレープという物、初めて食べましたがかなり美味しいですね」
え?ソフィラさんもクレープ食べるの初めてだったの?僕はソフィラさんの発言に少し驚きながら立ち上がる。
「サラちゃん、こっちの服も着てみて…あっ、これもサラちゃんに似合いそう…」
服屋に入ったアミちゃんはサラちゃんに似合いそうな服を片っ端からサラちゃんに試着させている。サラちゃんも嬉しそうにアミちゃんが持ってきた服を片っ端から試着していた。
これはまだまだ時間がかなりそうだな…
「あの、これもサラちゃんに似合うと思いますよ。2種類あるみたいですしアミちゃんとお揃いで着てみたらどうです?」
ソフィラさんがそう言いながら2人に同じようなガラの服を渡すと2人は喜んで試着室に飛び込んでいった。
「2人とも本当に仲がいいのですね…」
2人が試着室に入った後ソフィラさんが僕に言う。
「ですね。なんか姉妹みたいです」
「サラさんがあんなに楽しそうな顔でいられるようになって本当に良かったです。アミちゃんに感謝ですね…」
「ソフィラさんはサラちゃんと昔から知り合いだったんですか?」
「ええ、昔の彼女は自分からは誰とも関わらないように距離を置いていました。たぶん自分の力を知られて人が離れて行くのに耐えきれなかったんでしょうね…」
「そう、なんですか…」
僕とソフィラさんはそんな話をしながらアミちゃんとサラちゃんが着替え終わるのを待つ。
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