Re:legend

りゅう

330:魔女との生活








「ここ…は…」

目を覚ました私は辺りを見渡す。辺りは砂でできた壁のようなものに囲まれていた。

「やあ、起きたみたいだね」

「はい。ここは…?」

「ここは僕の城だよ。僕と君以外は誰もいない。ここは君の部屋さ、自由に使っていいよ。ただ、逃げようとすると砂の壁ができて出られなくなるから気をつけてね」

「そう…」

「あっ、あと『憤怒の書』を出してくれるかな?『色欲』が『憤怒』を復活させてやれってうるさいんだよね…」

砂の魔女サラはそう言いながら私に向けて手を突き出す。

「『憤怒の書』ならここにはないわ。リュウさんに預けてきたから…」

「そっか、じゃあ『憤怒の書』は諦めよう。君がここにいる限り僕は君の仲間達には手を出さないって約束だからね…」

砂の魔女サラはそう言いながら手を引っ込めた。

「ちゃんと約束は守ってくれるんですね…」

「当たり前じゃん。約束を破るなんて美しくないこと僕はしないよ。向こうから何かしてこない限り僕は君の仲間に関わらないから安心してね」

「そう…」

私はみんながもう二度と砂の魔女サラに関わらないことを祈った。はっきり言ってリュウさんやハルカさん、エリカさん達じゃ砂の魔女サラには勝てない。砂の魔女サラは他の魔女とは次元が違う。

「1つ聞いていいですか?」

「ん?何かな?」

「なんであなたはそんなに強いんですか…」

「それは僕が他の魔女と比べても強すぎるってことかな?」

「はい…」

「僕は他の魔女と違って妖精族だから元の魔力量が桁違いなんだよね…あと、今は魔神王からもらった闇の力もあるから他の魔女とは比べ物にならない強さを持っていると思うよ….君の仲間もかなり強いみたいだけど僕には絶対に勝てないよ」

「……………… 」

「ちょっとお腹空いたね…そろそろご飯にしようか…」

砂の魔女サラはそう言い部屋から出て行く。

「リュウさん…みんな…お願いだから砂の魔女サラには関わらないで…」

私はそう祈ることしかできなかった。

しばらくすると砂の魔女サラが昼ごはんを持って部屋に戻ってきた。











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