Re:legend

りゅう

310:神器









「まあ、そうなるよね…『嫉妬の書』が魔族により封印を解かれて魔族化するのは絶対に避けたい。そのためにはヒナちゃんに『嫉妬の書』の持ち主になってもらうのが一番いい」

白がヒナちゃんの方を見ながら言う。ヒナちゃんは下を向いて白の言葉を聞いていた。

「そう、ですよね…」

「まあ、今のところどうすればいいかわからないしこの件は保留として僕達がやらなければならないことが他にいくつかある」

「他にやることですか?」

ロンさんが他にやることなんてあるのか?というかのように言う。

「まず、一つ目に強力な魔導書を大量に手に入れる。そしてもう一つはこの世に存在すると言われる11本の神器を手に入れることだ」

「神器、ですか…私に1つ心当たりがあります」

ジャンヌがそう言うと他のみんながざわめきだす。

「本当か?」

「はい。昔、私の祖父が神器の話をしていたのを覚えています。神器の1つは私の家の一族が守っていると…」

「神器がどこにあるかわかる?」

「はい。私の家の裏にある遺跡の奥に突き刺さってますが、誰にも抜くことができないんです」

なるほど、よくある展開だな。選ばれた勇者でないと抜けない武器ってか…

「後で案内してもらっていいかな?」

「えーと…それが…私の家…風の魔女ウィルモアが支配している大陸にあるんですけど…」

風の魔女ウィルモアが支配している大陸か…もともとこの大陸と同じ大陸だった3つの大陸にはまだ名前がついていない。いずれ取り返さないとと思っていたがまさかそこにあるとは…

「じゃあ風の魔女ウィルモアを倒せばいいんじゃない」

エリカがあっさりと言う。

「まあ、そうなるか……」

「あの、リュウさん…」

僕が考えていたらアミちゃんが僕の名を呼ぶ。

「もう…戦わなくてもいいんじゃないですか….この大陸は取り戻したんですし…もう、私たちが戦わなくてもいいじゃないですか…私、リュウさんやみんなが傷つくのが嫌なんです。みんながお兄ちゃんやおばあちゃんみたいになるかもしれないって考えると私はもう戦わないでこの大陸にずっといればいいって思うんです」

「アミちゃん……」

たしかに今の僕達に魔族や魔女と無理して戦う理由がない。だが、今も魔族や魔女に傷つけられてる人がいると思うと戦わずにはいられない。

「私はもう戦いたくないですし、みんなにも戦って欲しくないです…」

アミちゃんが小さな声で言う。

















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