Re:legend

りゅう

Re:blank、take3







僕がソフィラさんに風の魔女ウィルモアの魔法を解いてもらってから数年、僕はずっとウィルモアさんと生活していた。

その間、僕はソフィラさんに草の魔法を教えてもらっていた。

「まずいわね…」

僕が家に帰るとソフィラさんが深刻な顔をして座っていた。

「どうかしたの?」

僕はソフィラさんに声をかける。

「白、今すぐここから離れなさい」

「え…」

突然ソフィラさんから放たれた言葉を聞き僕は固まる。

「どう…して…」

「いいから、早く!」

ソフィラさんが僕にそう言った瞬間家が崩壊する。

「何が…」

崩壊した家の瓦礫から僕を守るためにソフィラさんが僕に魔法を使ってくれた。

「ソフィラさん…」

ソフィラさんはその場にいなかった。僕はソフィラさんを探して周囲をうろつく。

「お前が白か?」

僕が後ろを振り向くとそこには小さな男の子が立っていた。

「君は?」

「僕は風の魔女ウィルモア様の部下、アルディン風の魔女ウィルモア様の命令でお前を殺しにきた」

男の子が僕を指差しながら言う。

「もしかしてお前がソフィラさんを…」

僕が男の子を睨みつける。

「草の魔女なら今頃ウィルモア様と戦ってるだろうな。まあ、すぐにウィルモア様に殺されるのだがな…」

僕は風の魔法で男の子を遠くに吹き飛ばした。出来るだけ風の魔法は使いたくなかったがソフィラさんから教えてもらった草の魔法を人を傷つけるために使いたくなかった。たとえそれが風の魔女ウィルモアの部下であっても。

僕は急いでソフィラさんのもとに向かう。

「ソフィラさん…」

ソフィラさんを見つけた僕は言葉を失った。目の前には倒れているソフィラさんに風の魔女ウィルモアがとどめをさそうとしていた。

「やめろ…やめろ…やめろ…」

僕は全力で風の魔女ウィルモア目掛けて魔法を放つ。僕の全力の魔法をくらった風の魔女ウィルモアは少し吹き飛び地面に倒れこむ。

「ソフィラさん、ソフィラさん…」

「白、頼みがあるの…私を封印して…そしたら私は死なずに済む。私はまだあなたと一緒に過ごしたい。封印されたらしばらく会えなくなるけど、復活したらまた会えるから。」

「わかった」

僕は泣きながらソフィラさんを封印する。ソフィラさんから教えてもらった草の封印魔法を使って…僕が魔法を発動させるとその場に草でできた遺跡が作られた。そして僕の手には草の鍵が…

「これが草の鍵か」

手に持っていた草の鍵を一瞬で風の魔女ウィルモアに奪われた。

「魔女の根源か…」

「ほう、知っていたか…さすが白だ。どうだ白よ我がもとに戻って来る気はないか?」

風の魔女ウィルモアが僕に尋ねる。

「戻るわけないだろ!お前は僕が倒す」

僕は全力で風の魔法を放つ。僕の魔法と風の魔女ウィルモアの魔法、2つの魔法がぶつかり合い魔法が破裂する。

僕と風の魔女ウィルモアはそれぞれ別の方向に吹き飛ばされた。その際草の鍵の行方がわからなくなった。

はるか遠くまで吹き飛ばされた風の魔女ウィルモアは重症で吹き飛ばされた先にいた魔法使いに封印されたようだ。

風の魔女ウィルモアとは反対の方に吹き飛ばされた僕は記憶をほとんど失っていた。覚えているのは自分の名前と風の魔女ウィルモアに僕が操られていたこと。



記憶を失い僕は何者でもなくなった。

しばらくして僕は『     』になった。

そして現在、復活した風の魔女ウィルモアと出会ってから徐々に戻っていた記憶は完全に思い出されていた。

完全に思い出したのは先程だった。ソフィラさんに悪いことしたな…あいつを倒したらちゃんと謝らないと…


僕は風の魔女ウィルモアと対峙しながら思った。









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