Re:legend

りゅう

260:銃









「えっと、これどうやって使うんですか?」

勢いよくかかしの前に立ったヒナちゃんが僕に尋ねてくる。ちょっとかわいいな…

「どうやって使うの?」

僕もわからずテトラとペンタに尋ねる。

『普通に引き金を引くだけですよ。魔法はラスがエンチャントで弾に付与してますので』

そう、ヒナちゃんのためにテトラとペンタが作った武器、それは僕がいた世界の武器である銃だ。銃といっても僕がいた世界のような銃ではなくよく未来が舞台のアニメなんかで存在していたビームを放つような小型銃である。2丁の小型銃を手に持ちヒナちゃんが右手の銃の引き金を引く。

すると銃から弾丸が飛び出し、かかしに当たると爆発した。

「あれどんな魔法を付与したの?」

『ラスが使う爆発魔法のエクスプロージョンですね。』

テトラが僕の質問に答える。他にはアクセルが付与された弾丸やブーストが付与された弾丸、回復魔法が付与された弾丸などなど様々な種類があるらしい。テトラがヒナちゃんに弾丸がたくさん入ったポーチを渡す。

「でもリロードしてる間どうやって戦うんだ?」

ぶっちゃけ弾丸を打つたびに弾を入れ直さないといけないのでかなり使いづらいだろう。

『魔力を流しながら引き金を引くとビームが発射されます』

ペンタが僕に言う。さっそくヒナちゃんが試してみると確かにビームが発射された。まあ、これなら使えるだろう。

「どちらもすごい武器ですね…」

僕達のやりとりを見ていたソフィラさんが僕に言う。

「これなら神器にも匹敵するのでは」

ソフィラさんがヒナちゃんの銃を見つめながら言う。

「神器?」

ソフィラさんが放った聞きなれない単語に僕が反応する。

「神器を知らないのですか?」

「ええ、教えてもらえますか?」

僕がソフィラさんに頼む。

「神器とはこの世に11個存在すると言われる最強の武器です。1つ1つに特別な力がある強力な武器だそうです。私も1度見たことがありますがすごかったですよ」

「神器か…」

なんかちょっと欲しくなってきた。

「神器のある場所とかわかります?」

「いいえ、わかりません。噂だと世界中のあちこちに封印されているとか」

僕の問いにソフィラさんが答える。

「封印?」

「はい。神器は強すぎるんですよ。そのため神器の力を恐れた人間が封印したとか」

「そうですか、教えていただきありがとうございます」

僕はソフィラさんに頭を下げてお礼を言う。暇があれば探してみようかな…

「あっ、ソフィラおばあちゃんこんなところにいた。はやく買い物行こー」

ソフィラさんのもとにアミちゃんがやってくる。ぶっちゃけおばあちゃんっ子なアミちゃんはソフィラさんにかなり懐いている。よくソフィラさんと花壇の花に水をあげたり編み物をしたりしている。どうやら今日は買い物に行くみたいだ。

僕はソフィラさんとアミちゃんを見送る。

「さて、じゃあそろそろ王城に行くか…」

「私もご一緒させていただきます」

僕はヒナちゃんとともに王城に向かう。騎士団のことでいろいろとやらないといけないことがあるからだ。

めんどくさいなぁ…










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