Re:legend
246:提案、5人目
「アミ、ごめんな、お前1人残して行っちゃうことになって…」
「大丈夫だよ、お兄ちゃん、私にはみんながいてくれるから…」
アミちゃんの言葉を聞き少し嬉しくなる。
「そうか…みなさん、アミをよろしくお願いします」
ヒースクリフがスクリーン越しに頭を下げる。
「あぁ、任せてくれ」
僕だけでなくその場にいた全員が同じ反応をした。ヒースクリフは少し安心したような顔をしていたがアミちゃんはまだ暗い感じだった。
「アミ、もしかして俺が死んだのは自分のせいだとか思ってないよな?」
ヒースクリフがアミちゃんを見つめて言う。
「うん…だってそうでしょ…私が油断さえせずにちゃんと警戒してたらお兄ちゃんは死なずに済んだかもしれないのに…」
「バカか、俺が死んだのは単なる俺の実力不足が原因だ。まあ、俺も昔、おばあちゃんが目の前で殺された時、アミと同じことを考えていたよ…だけどな、俺がお前を庇ったのは今までのお前を守りたいからだ。だから今まで通り生活して欲しいし、俺の分もちゃんと生きて欲しい。」
「だけど…」
「何度も言うけど、俺が死んだのはお前のせいじゃないからな、俺が死んだのは俺の責任だ。」
ヒースクリフがアミちゃんに言う。アミちゃんはヒースクリフの言葉を泣きながら黙って聞いていた。
「さて、ぶっちゃけ時間が結構やばいから急いで本題に入りたいんだけどいいかしら?」
アミちゃんとヒースクリフの会話がひと段落ついたとき、エイリーンが2人に言う。
「はい、お願いします」
ヒースクリフの返事を聞きエイリーンはでは、と話を始める。
「このままだと、ヒースクリフの意思はあと20分くらいで消滅するわ」
「え?」
突然そのようなことを言われたアミちゃんが驚き、声を上げる。
「まあ、落ち着きなさいな、そこで提案、ヒースクリフの意思を一時的にアミちゃんの体に入れておくことができる。まあ、時間的には7年くらいは入れておけるはずよ。その間にアミちゃんが子供を産めば、ヒースクリフの意思はその子供の中に入ることができる。つまり、幼児からだけどヒースクリフはこの世界に再び戻ってくることができる。ただ今の記憶は忘れてるでしょうけどね。」
「じゃあ、お兄ちゃんは消滅しなくて済むんですか?」
「えぇ、まあ、貴方が7年以内に子供を産めば、だけどね」
アミちゃんの問いにエイリーンが答える。
「で、どうするの?」
「お願いします」
アミちゃんが即答する。ヒースクリフもそれを望んだため、エイリーンはすぐにヒースクリフの意思を一時的にアミちゃんの体に入れた。
アミちゃんの話によるとどうやらアミちゃんはヒースクリフと頭の中で会話できるようになったらしい。
「そういえば、なんで私達もこの場に呼ばれたんですか?」
ニコルちゃんがエイリーンに尋ねる。
「それは、アミちゃんから聞いた方がいいんじゃない」
エイリーンがそういいアミちゃんの方を見る。
「そうですね。エイリーンさんにはこうなるとわかっていたんですね…では私から言わせてもらいます。」
アミちゃんがそういうと関係ない私は外に出てるわねとニヤニヤとした表情を浮かべながらエイリーンはラスとともにリビングを後にした。
「リュウさん、私と結婚してください」
「ぶふっ」
僕は驚きのあまり口にしていたお茶を吹き出してしまった。
「やっぱりか」
「やっぱりですか」
「まあ、予想通りですね」
「やっぱそうなりますよね」
その場にいた僕の婚約者候補の方々がすでにわかってたような反応をする。
「嫌ですか?」
アミちゃんが恐る恐る僕に尋ねる。
僕はちらっと4人の方を見る。
「あっ、私は賛成ですよ」
「まあ、今更4人も5人も変わらないし」
「そうですね」
「私も異議ありません」
どうやら4人は反対ではないらしい。
ぶっちゃけアミちゃんは可愛いし、優しい子だ。だが、今までは妹的な目線でしか見てなかったから急にこのようなことを言われるとな…
「あの、リュウさん」
アミちゃんが僕を見つめてくる。
「わかった。アミちゃんも必ず幸せにするよ。ただ結婚は僕が18になるまで、あと1年くらい待ってくれるかな?」
まあ一応僕がいた世界でのルールを守っておきたい。
「はい。これからよろしくお願いします」
アミちゃんはそういいニコッと笑った。
その後、エイリーン達がリビングに入ってきていつのまにか宴会が開かれていた。
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