Re:legend

りゅう

232:命名







「それじゃあ、いきます!」

エリスがレイピアを構え最終個体目掛けて走り出す。

『武器展開:ランス』

最終個体が腕を槍のような形にし、エリスに突き刺そうとする。

「結界」

エリスが結界を発動し、最終個体の槍を止める。

『解析:ただいま触れている魔法の解析を開始』

最終個体が手を普通の状態に戻し、エリスの結界に触れた。

『解析完了』

「なんの解析だかわからないけど隙だらけよ」

エリスが最終個体の背中にレイピアを突き刺そうとする。

『発動:結界』

最終個体が結界を発動させる。先程エリスが使った結界とは異なる大きさだが、あれは間違いなくエリスの結界と同じものだった。

「やはり噂は本当でしたか…」

僕の横でラハドさんが呟く。

「噂ってなんですか?」

「機械族は基本、特殊な武器を作って戦うのが特徴なのですが、最終個体だけに組み込まれた機能があると…」

特殊な武器というのは先程みたいに手を槍にしたりすることを言うのだろう、だが最終個体だけに組み込まれた機能ってなんだ。

「その、機能とは解析という特殊魔法です。解析の効果は自身が触れた魔法と同等の魔法を使えるようになるというものです」

なるほど、先程最終個体が使った結界はエリスの結界よりは小さいが、その気になれば最初にエリスが使った結界と同じ大きさの結界を使えるということか。

その後、エリスと最終個体の戦いは結界による防御対決みたいになってしまい、なかなか決着がつきそうになかったので途中で中断した。

エリスとの戦いを見た結界だが、確かに機械族は戦闘能力が高そうだ。魔法を使えるのが最終個体だけというのが少し残念だが十分戦力になってくれるだろう。

「とりあえずみんな、出発の準備をしてくれ、機械族のみんなは遺跡の正確な位置を僕に教えてほしい、2時間後にここに集合しよう」

僕の言葉を聞き、みんなが動き出す。

僕は機械族から遺跡の正確な場所を教えてもらい、その後機械族達に指示を出す。

「いちいち機体番号っていうのめんどくさいな….」

僕がボソッと呟く。

『提案:ならば主人が私達の名を決めてください』

最終個体が僕に言う。
僕が決めてもいいのか?と思ったが僕以外に名前を付けられたくないとのことなので僕が決めることにした。

「最終個体、最終個体か…じゃあ、ラスなんてどうだ?」

『ラス、ですか、わかりました今後私のことはラスとお呼びください』

ラスがそう言い僕にお辞儀する。
残り10人も名前を決めてくれと言い出した。

10人も考えるのめんどくさいな…悩んだ結果、化学の授業で習ったアルカンの数詞を使うことにした。

機体番号1がモノ、機体番号2がジ、続いてトリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、デカという感じだ。

11機全てに名前をつけ終えて数分後、準備を終えたみんなが少しずつ集まってきた。








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