Re:legend

りゅう

227:リミット







「エリカ…あなたの力借りるわよ!」

『傲慢』の魔法が破壊された直後、ハルカは新しく魔導書に追加されていた『暴食』の魔法を発動させる。

『傲慢』の魔法で威力が弱まっていた魔法を『暴食』の魔法で吸収する。

「これが『暴食』…すごい…エリカはいつもこんな感じだったんだ」

妹の魔法を使いハルカは自身の身体能力を約100倍近くまで上げた。
ハルカが軽く地面を蹴っただけで一瞬のうちに風の魔女ウィルモアの前に移動した。

燃える拳を風の魔女ウィルモアに打ち込む。
ハルカの攻撃をくらい風の魔女ウィルモアが吹き飛ぶ。
ハルカが軽く地面を蹴り吹き飛ぶ風の魔女ウィルモアの上に移動し、追撃をする。

ハルカが風の魔女ウィルモアを叩きつけると風の魔女ウィルモアは地面目掛けて急降下していった。

「火龍の咆哮」

ハルカは先程『暴食』で吸収した魔法の魔力の半分を拳に集め魔法を放つ。

先程ハルカが放った炎の龍より数倍大きな炎の龍が風の魔女ウィルモアを襲う。

「やった、の…?」

ハルカが砂塵が舞い上がる戦場を見ながら呟く。
それ、フラグだからやめなさい。

「今のはなかなか効いたぞ」

あーやっぱり綺麗にフラグを回収してくださるな…

「やっぱり無理だったか…」

どうやらハルカも今ので倒せるとは思っていなかったらしい。

「さて、先程の礼をしてやろう。ヘル・ウィンド」

風の魔女ウィルモアが先程ハルカに放ったウィンドのもう一段階上の魔法をハルカ目掛けて放つ。

ハルカは先程と同じように『傲慢』の魔法で威力を弱める。
じわじわと『傲慢』の魔法が破壊され始める。

「ふ、ふふふ、ふふふふふふふ…」

魔法を放った風の魔女ウィルモアが急に笑い始めた。

「何がおかしいっていうの?」

ハルカが『傲慢』の魔法で風の魔女ウィルモアの魔法を止めながらいう。

「今、貴様の妹にかけた呪いが消えるのを確認した」

「え?」

風の魔女ウィルモアの言葉を聞き、ハルカの力が抜ける。
ハルカの力が抜けた瞬間、『傲慢』の魔法が破壊され、風の魔女ウィルモアの魔法がハルカに迫る。

「やばい」

僕は慌ててテレポートでハルカを助ける。

「ハルカ、大丈夫か?」

テレポートで移動した先で僕はハルカに問う。

「リュウさん、エリカが、エリカが…」

ハルカが泣きながら僕の方を見る。ハルカの足元には『傲慢の書』の空白のページが開かれていた。

いや、よく見ると空白ではない、少しだがうっすらと字が見えるが徐々に薄くなっている。
数秒後には完全な空白のページになったのをハルカが確認すると、ハルカは泣きながら崩れ落ちた。

「ふふふ、どうだ、今の気分は?妹が死んだ気分は?」

風の魔女ウィルモアが僕達に近づきながらハルカに尋ねる。
ハルカは空白のページが開かれた『傲慢の書』を抱きしめ何も返事をしなかった。

「まあ、よい、すぐに貴様も妹の元へ送ってやろう」

風の魔女ウィルモアが僕達に近づいてくる。

「ハルカは下がってて、あいつは僕が倒す」

僕はハルカの頭を撫でてその場から動かないように言い、ハルカの前に立ち風の魔女ウィルモアと対峙する。

「なんだ、まずは貴様が死にたいのか?」

「ふざけるなよ…お前は僕が倒す。ハルカは絶対に殺させない」

僕は風の魔女ウィルモアを睨みつけながら言う。

「まあいい、死ね…ヘル・ウィンド」

「ゼロ・クリスタル」

僕は氷の古代魔法を発動する。
地面が凍りつき巨大な氷の柱が次々と作られる。
僕の魔法と風の魔女ウィルモアの魔法がぶつかりあう。
威力は互角だったようで、僕の魔法も風の魔女ウィルモアの魔法も消えた。

「なかなかやるようだな」

風の魔女ウィルモアが僕に言う。

「なんだ、魔女って意外とたいしたことないな…」

僕はそう呟き、風の魔女ウィルモアを煽る。

「そうか、ならば本気でやってやろう」

風の魔女ウィルモアが纏う気配が変わる、どうやら本気になってくれたみたいだ。

「じゃあ、僕も全力でやるか」

僕は言葉に怒りを込めながら言う。

僕と風の魔女ウィルモアが向かい合い、本気の戦いが始まる。








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