Re:legend

りゅう

218:撤退







「我に刃向かう愚か者よ、死ぬがいい」

風の魔女ウィルモアがハルカ達を直接なぐりつける。

「ほう、まだそんな力があったか」

風の魔女ウィルモアの拳をハルカは『傲慢』の魔法で受け止めていた。

「言ったでしょ、あなたを倒すって」

「無理なことを…まあよいすぐに楽にしてやる」

風の魔女ウィルモアの力が少し上がる。
今にも破壊されそうな『傲慢』の魔法でハルカはなんとか耐えていた。

「さらばだ、『傲慢』に『暴食』よ」

そう言い風の魔女ウィルモアはさらに力を上げる。

「リュウさん、エリカ、みんな、ごめんなさい」

ハルカはもう無理だと諦めかけた、だが自分が抱き抱えている妹を見てまだ諦めるわけにはいかないと思い力を振り絞る。

「まだ、そんな力が、何故だ?」

「妹を殺させる訳にはいかないの、それに私だってまだ死ぬ訳にはいかない!」

ハルカの魔力が尽きかけた瞬間、ハルカに大量の魔力が流れ込む。

「お姉ちゃん…」

エリカが自身の魔力をハルカに渡していた。ハルカがエリカの方を見るが、エリカはまだ気を失っていた。

「ありがとう、エリカ、この魔力絶対無駄にはしない!」

「いつまでも無様に足掻きおって見苦しいぞ、大人しく楽になるがいい」

風の魔女ウィルモアは更に力を入れる。

「まずい、このままじゃ…」

ハルカの『傲慢』の魔法が今にも破壊されそうになる。

「もう大丈夫だよ、ハルカ」

「え?」

ハルカが振り返ると僕はそこにいた。
僕はハルカの『傲慢』の魔法の上に僕の『傲慢』の魔法を重ねる。

僕はハルカに触れて僕の魔力をハルカに分け与える。

「ハルカ、もう一踏ん張りだ」

「はい。」

僕とハルカが魔法に魔力を流し込むと風の魔女ウィルモアの拳の力は全て風の魔女ウィルモアに反射された。

「なさけないな、風の魔女よ」

「黙れ!魔神王」

風の魔女ウィルモアが声を荒げる。

「ハルカ、エリカは無事か?」

「わかりません、今は気を失っているみたいです」

「わかった。一旦引くぞ、今の僕達じゃあいつらには敵わない」

今の僕達では風の魔女ウィルモアや魔神王の足元にも及ばないだろう。今は引くしかない。

「逃すと思うか」

風の魔女ウィルモアが僕達に迫る。

「ドリフト」

ドリフトにより瞬時にその場から僕達は離脱する。

「逃すとはな、やはりかなり弱っているみたいだな、そんな貴様とやってもつまらん、また後日出直そう」

そう言い残し魔神王の闇は消えた。





風の魔女ウィルモアの復活から2日後、北の大陸の都市が1つ風の魔女ウィルモア達の物となった。










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