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りゅう

175:2人目の獣化そして『嫉妬』






作戦開始より七時間経過



ソラミちゃん達はサバヤ村に突入した。
サバヤ村には魔族以外の人はいないらしい。サバヤ村が魔族に占拠された時に皆殺しにされたようだ。

「行くよ!イナズマ」

ユリちゃんがイナズマと共に戦場を走り回る。

「ユリちゃんあまり無茶はしちゃダメですよ」

ユリちゃんが後ろからやって来たコリンさんの言葉を聞き周りを見るといつの間にか魔族に囲まれていた。

「しまった…」

「調子に乗るからこうなるんですよ、あとでしっかり反省しなさい。」

コリンさんがユリちゃんを叱る。

「ユリちゃんはイナズマとこの場から去りなさい。私が道を開きます。あと、今からあなたが見ることは誰にも言わないように」

「え?」

コリンさんの言葉を聞きユリちゃんが驚きコリンさんの方を見る。

「コリン…さん?」

コリンさんが苦しそうな表情をしながら姿を変えていく。

「獣化」

直後コリンさんは巨大な狐の姿になっていた。

「コリン…さんなの?」

「えぇ、今からあなたの退路を確保します。すぐにそこから脱出しなさい」

コリンさんはそう言いながら大量の炎を吐き出す。
炎が次々と魔族を焼き払い囲んでいた魔族達の陣形を崩す。

「はやくいきなさい」

コリンさんの言葉を聞きユリちゃんとイナズマは魔族達の囲いから脱出する。

魔族達がユリちゃんとイナズマを追おうとするがコリンさんが魔族達の前に立ち塞がりユリちゃんとイナズマを逃す。

「幻影の魅了」

コリンさんが獣化した時にのみ使える魔法を発動させる。
すると魔族達は幻の世界へと引きずりこまれその場から動かなくなる。
数秒後魔族達は絶叫しながら死んでいった。

「はぁ〜疲れた〜」

囲んでいた魔族を全滅させたコリンさんが獣化を解き他の戦場にむかう。





「はぁー」

ヒナちゃんが2本の短剣で次々と魔族を倒していく。

「きゃっ」

急に横から現れた槍がヒナちゃんを襲う。
なんとか回避したが少しかすった。

「今のを避けるか、なかなかやるな」

槍を持った魔族がヒナちゃんに言う。
ぶっちゃけこの魔族、ヒナちゃんより強いだろう。
おそらくヒナちゃんに勝ち目はない…

魔族がヒナちゃん目掛けて槍を振る。
ヒナちゃんが短剣で槍の軌道をそらしながら少しずつ距離を縮める。

次の瞬間魔族が急に槍を手放しヒナちゃんがバランスを崩す。
そのタイミングを狙い魔族がヒナちゃんを蹴り飛ばす。

魔族が槍を拾い倒れ込んでいるヒナちゃんに迫る。

「歳の割にはなかなか強かったぞ、悪いがここで死んでもらう」

魔族がそう言いながら槍を振る。

直後魔族が吹っ飛んだ。

「ヒナちゃん…大丈夫…?」

「ソラミさん…」

急に現れたソラミちゃんがヒナちゃんを救う。
ソラミちゃんは自身の指を噛み血を流す。
流れ出る血で血の剣を作り出し、構える。

「貴様、ダンピールか?」

「えぇ…」

「それは楽しみだ、少しは楽しませてくれよ」

そう言いながら魔族がソラミちゃんに迫る。

「申し訳ありません…が…私じゃ…あなたを…楽しませられ…ない…」

ソラミちゃんはそう言いながら魔族の攻撃を回避する。
ソラミちゃんがかなりの速さで魔族の後ろに回り込み魔族を真っ二つにする。

「これが…ダンピールの力か…」

魔族は倒れこみ二度と立ち上がることはなかった。

「やっぱり…楽しませて…あげられませんでしたね…」

ソラミちゃんは倒れる魔族を見ながら呟く。

「すごい…」

後ろでソラミちゃんの戦いを見ていたヒナちゃんが呟く。

「私にもあんな力があれば…」

















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