Re:legend

りゅう

156:模擬戦終了

「さあ、リュウさん、始めようか…」

エルフラウ王女、ファルファさんが僕に言う。
僕は黙って頷き、ファルファさんに向けて一礼する。ファルファさんも僕に礼をし、その後審判のディーンさんに一礼した。

僕達が構えるのをみてディーンさんが模擬戦開始の合図をする。

僕は剣を構えていたが、ファルファさんは何も構えていなかった。

模擬戦開始直後、僕はファルファさん目掛けて走りだす。

「フィールド」

ファルファさんが魔法を発動させるとファルファさんの周りにバリアのような物が現れた。

「さて、じゃあやろうかな…」

ファルファさんはそういいながら自身の指輪を外した。

直後辺りが光に包まれる。
光が収まるとファルファさんの周りに3体の精霊が現れた。

「なっ…」

「驚いた?みんな私の契約精霊よ…みんなかなり強いから気をつけてね」

「精霊か…ならこれでどうだ」

僕はそういいながら自身の契約精霊達を呼び出す。

フェアリーにエルが僕の目の前に現れる。

「あら、あなたの精霊はその子だけじゃないのね」

ファルファさんがエルを指差しながら言う。
ファルファさんが契約精霊達に魔法を発動するように頼むがファルファさんの契約精霊が魔法を放つことはできなかった…

「みんな?どうしたの?」

ファルファさんが慌てて契約精霊達に問う。

「どこか調子が悪いの?大丈夫?」

「大丈夫です…けど私達はあの方に攻撃できません。すみません。」

ファルファさんの契約精霊の1体が答える。

「あのお方と一緒にいる精霊…精霊神様です」

「精霊神!?」

ファルファさんが信じられない様な表情を見せる。
まあ、信じられないのも無理ないが事実なので…
精霊神であるフェアリーとその契約者である僕には彼女達は攻撃できない。
ファルファさんは勝ち目がないと思い降参した。

そういえばさっきファルファさんが使ってたフィールドって魔法なんだろ?少し気になるから後でファルファさんに聞いてみるか…

そんなことを考えながら僕はみんなの元に戻った。

次はエリカとドラグーン王女ソニアさんの戦いだ。

2人ともガントレッドを使う武道家らしいのでかなりの近距離戦になるだろう。

ちなみにソニアさんは魔法を使えないらしい。
魔法を使えない人が相手だとエリカは『暴食』の魔法を使えないから若干エリカが不利かもしれない。

2人がガントレッドを装備して向かい合う。

「ソニアさん、よろしくお願いします」

「こちらこそよろしく、全力できてね、私も全力でやるから」

「はい。」

「それでは2人とも準備はよろしいですか?」

2人がディーンさんの方を見て一礼し、構える。
2人が構えるのを確認し、ディーンさんが試合開始の合図をする。

ディーンさんが合図をした瞬間2人が飛び出し殴り合う。
拳と拳が何回も交わり数分後お互いの拳がようやく直撃する。
お互い吹っ飛ばされたがすぐに立ち上がる。

なんか2人とも楽しそうで怖いな…

おらワクワクすっぞ!とか言い出しそうだ。

その後何度も同じようなやり取りが繰り返されお互いダウンする。

「この勝負、引き分け!」

ディーンさんが言い放つその後僕は2人に回復魔法をかけてあげた。
『暴食』が使えなかったのだから上出来だろう。

やっと模擬戦が終わった。
どの種族も結構強そうで助かった。
これなら魔族とも渡り合えるだろう。




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