Re:legend

りゅう

146:『憤怒』の力

アミちゃんが『憤怒の書』を開き魔族の前に立つ。

「死にやがれ」

魔族が魔法で火の玉を放つ。
火の玉が少しずつアミちゃんに迫るがアミちゃんは落ち着いた様子で自身の魔法を唱える。

「我が望むは吸収の鎖…『憤怒』よ我が意思に答えよ」

アミちゃんが『憤怒』の魔法を発動させると『憤怒の書』から鎖が伸び始める。
鎖が火の玉に触れると火の玉が消える。

「鎖よ放て吸収せし力を解放せよ」

アミちゃんが唱えると鎖から火の玉が発射される。
魔族が避けようとするが避けきれず直撃する。

「我が望むは拘束の鎖…『憤怒』よ悪の力を奪い拘束せよ」

アミちゃんが唱えると先程の吸収の鎖とは違う鎖が『憤怒の書』から現れる。
その鎖は魔族目掛けて進み出し魔族を拘束する。

「なんだ?この鎖この程度魔法で………何故だ?魔法が使えない」

「我が望むは封印の鎖…『憤怒』よ悪を封印せよ」

慌てる魔族を見ながらアミちゃんが新たな鎖を出現させる。
今までの鎖とは違い先端にサイコロのような小さなガラス?の立方体が付いている。
その鎖が魔族に触れると魔族はサイコロのような小さな立方体に吸い込まれ中に閉じ込められる。

アミちゃんはその立方体を思い切り踏み潰そうとするが少し考え踏むのをやめる。

「とりあえず、生け捕りにして後でリュウさんに渡した方がいいかな」

そう呟き立方体を拾いポケットにしまう。

「アミ…今何が…」

アミちゃんのお兄さんヒースクリフが目の前で起きた出来事に対し信じられないとでもいいたそうな顔をしていた。

「兄さん…私『憤怒』に選ばれたの…」

「そうだったのか…すごいな…」

「兄さんとりあえず近くの安全な場所に隠れてて…」

「それはできない」

アミちゃんの言葉をヒースクリフが遮る。
ヒースクリフの声はかなりの怒りがこもっていた。
おそらくこのような事態を招いてしまった自身への怒りだろう…

「俺は今から魔族のリーダーを倒しに行く…」

「兄さん…」

ヒースクリフの覚悟は本物だった…
アミちゃんにヒースクリフを止めることは出来なかった…

「アミ…死ぬなよ…」

ヒースクリフはそう言い残しその場を去る。











「ポチャ後ろの敵をお願い」

フランの指示を聞きポチャがフランの後ろに迫る魔族にむかう。

「なんだ…こいつ…この!なんで斬れない!」

魔族がポチャを斬ろうとするが斬れるはずがない。
何故ならポチャは液体なのだから…
ポチャを倒したいなら高熱を与え蒸発させるぐらいしか方法はないと思っていたが、たしかポチャの水は蒸発しないとかフランが言ってとような…
ポチャってかなりのチート精霊だったんだな…

ポチャが魔族の頭に飛びつくと魔族は呼吸ができずにかなり苦しそうだった。可哀想に…
数分後魔族は倒れた。

残りの魔族もフランがあっさりと倒してしまっていた。




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