Re:legend

りゅう

92:終戦

3階の戦いが終わった頃すでにシャルロットは街を制圧していた。

これで4階の戦い以外は全て人間の勝利だ。


そして………


4階の戦いも終わりを告げようとしていた。


僕はアカゴギスの右手に注意しながら戦っていた。せっかく『吸人』の魔法をコピーしたのに右手が剣で塞がっているので使うことができない…

僕の剣とアカゴギスの剣が交わり交わり交わる。もう何回剣を交えたかわからない。

「そろそろ決着をつけるか…フェアリー頼む」
「妖精の逆鱗」

僕が頼むとフェアリーが魔法を発動させる。魔法を避ける為にアカゴギスが僕達から距離をとる。
その隙に僕は『怠惰』の魔法を発動させ100本くらいの剣を作り出し僕の周りに浮かべる。
おそらくシャルロットなら今の一瞬でも僕の10倍の剣を作れるだろう。まあ『怠惰』の魔法を使ってきた数が違うから仕方ないか…
僕もいずれシャルロットと同じくらいの速度で剣を作れるようになるだろう。

それを見てアカゴギスが少し驚いているようだった。

「それは『怠惰』の魔法か?他人の魔法をコピーすることしかできないのか?自分の魔法を見せてみろよ」

アカゴギスが僕を煽ってくるが気にしない。このコピーこそ『強欲』にしかできない魔法だからだ。僕は『怠惰』の魔法で作った剣をアカゴギス目掛けて放つ。

アカゴギスは自身の剣で僕の剣を捌いていくが…

「加速の舞」

フェアリーが魔法を発動させ僕の剣の速度をあげる。急に速くなった剣の動きについていけなかったアカゴギスに剣が次々と刺さっていく。やがてアカゴギスは動かなくなり『吸人の書』は何処かに消えた。
おそらく次の契約者が現れるまで眠りにつくのだろう。

「はあ〜疲れた〜」

「お疲れ様」

そういいながら僕はフェアリーの頭を人差し指で撫でてあげる。フェアリーがすごく嬉しそうな顔をして僕の周りを飛び回る。
先程シャルロットが街を制圧したという連絡がエルから入った。

「リュウさん」

急に名前を呼ばれ振り返ると僕を呼んだ声の主であるハルカがいた。後ろにエリカとフランもいる。

「みんな無事だったんだ。よかった〜」

「エリカのおかげですよ」

ハルカの言葉を聞きエリカの顔が少し赤くなる。意外と褒められるのが苦手なのかな?エリカのかわいい面を見つけたと思った。

これで僕達のピュレット奪還作戦は終わった。

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