Re:legend

りゅう

91:『暴食の書』

3階の戦いが終わった。

「エリカ…今何をしたの?」

ハルカが何が起こったのかわからないとでもいいたそうな顔で聞いてくる。

「『暴食の書』の魔法を使ったの…魔法っていっても魔力を一切使わない魔法なんだけどね」

エリカの答えにハルカとフランがますます訳がわからないというような表情をしていた。

「『暴食の書』の魔法は魔法を食し自分の力に変える魔法なの。あの兵士どもが放った魔法を『暴食』の魔法で食し自分の身体能力をあげたの。」

「つまり相手の魔法から魔力を吸収し自身の身体能力を一時的にあげることができるってことですか?」

「まあ、そういう感じね」

エリカの説明をフランがまとめる。これでエリカの動きが急に良くなった理由はわかったが…

「『暴食』の魔法を使うのに魔力を一切使わないってどういうこと?」

「えーと『暴食』の魔法は相手の魔力を私の身体能力に変えるけど魔法の発動に必要な魔力は私の体力を魔力に変換しているの」

「つまり『暴食』の魔法を使っている間はいつもより体力を使うってこと?」

ハルカの質問にエリカが頷く。ちなみに相手の魔法を食して自身の体力に変換することもできるらしい。

「それにしてもエリカさんが大罪シリーズの魔道書を手に入れるとは夢にも思いませんでした」

フランの言葉を聞きエリカが苦笑する。

「じゃあ、リュウを追いかけるわよ」

「え?でもリュウさんのバリアが…」

フランが何か言いかけたがエリカの魔法がリュウのバリアを食したのを見て口を閉じる。

「大罪シリーズの魔道書ってやっぱりチートですね…」

そういいフランが苦笑する。エリカが早く行こうと言い階段を登っていく。ハルカとフランもそれに続く。

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