時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~
遂に登場する甲斐の守護さん!?
「こりゃ・・・。一刀両断級の問題になっているね」
大広間から、明るい声がした。
「高坂、本当に貴様は・・・」
「で、でもこれが一番いい作戦なんですよ!?」
「はぁ・・・デスナ」
「いいではないか、昌景。私はその意見も尊重したい」
「内藤らしい臨機応変さだねぇ。昌景も、こういった適切な処置も覚えないといけないね」
「晴信様。その臨機応変さが時に油断を招いていくのです。今、この状況の様に決まるものも決まりませんぞ!何せ、相手は・・・」
「優柔不断だねぇ・・・」
なんだなんだ、ホームドラマみたいな会話が続いてるし、中でも四字熟語が飛び交ってる気がするんだけど。一体どういうことなんだろうか。
「お、御屋形様。織田の使者が参られました」
横に控えていた女がそういうと、小姓が此方に寄ってきて、襖を開けようとする。
―俺達は今、大広間の襖絵の前に立っていた。
特にいわれも無いが、あの後、城に入ってすぐにここまで連れて来られた。特に織田家との共通する所はないが、一番ビックリしたのは・・・厠。なんと、厠が凄い事になっていた。とはいえ、凄い事は下的な観点から見て話しているのではなく、その設備について。ほとんど現代的な仕様と変わらなかった。レバーを引けば水が流れる仕組みは素晴らしく、また謎だった。正直、厠と言うのはボットン式が普通である。後に言う、水洗い式トイレの技術を持っている武田家は身の程からも素晴らしいのだな、とそう感じていた。
「そうかい、一喜一憂だねぇ。開けて構わないよ」
晴信、と言うものはそういうと襖を開くように小姓に指示をした。
同時に襖がゆっくり開いていく。
信勝は一礼すると、そのまま大広間へ進んでいった。俺と勝三郎は、一度顔を見合ったが同じように中へ入り、信勝の両脇へ座る。
「織田家の使者、織田勘重郎信勝。どうぞ、よろしく」
信勝はいつものようなほんわかペースで話すと、深く頭を下げて顔を上げた。
「ほほう、信長を面白い使者を連れて来たね。私もさっきの手裁きには足をすくわれたよ」
さっきの手裁き・・・?
「誠にすまなかったね。うちの妹がとんだ迷惑を犯したようで。追手に関してはうちの妹の仕業だ。全く、あれ程迷惑を掛けるなと言ったのに・・・。この通りだ」
そういうと、甲斐の守護は頭を下げて目の前に居る三人に謝罪をしたのだ。流石に、それには武田の家臣達も驚き、ざわめいた。しかし、信勝は・・・。
「いや、いいよ~。楽しかったし。実際、この二人が全て追っ払ってくれたから私にはなんの被害も無いから~。山賊のおじさん達も、楽しそうに踊りまわってたし~」
ダメダメ信勝。あれは踊りじゃないの。禁止ワードだから言えないけど、そっち系だから!信勝は気にしちゃダメなやつだから!絶対に信勝に教えたら、織田家で蔓延する病気みたいなものだから!止めて!
信勝は後ろを向いて、俺達のことを見るとそう説明して嬉しそうに下笑んでいた。
「しかしまぁ、信長殿自信が此方に参らないと言うのは、一体何かあったのかい?」
信玄が興味を誘うように信勝に問いかける。
「我が姉は現在、戦準備で忙しく。昨日は松平様をお迎えしたばかりですので」
隣に座っていた勝三郎が、恐る恐る頭を下げて次のように述べた。
「あの若娘も、ようやく美濃を取りに動き出すのか・・・」
と、全てを読み悟ったように目の前で腰掛けに寄り掛かる晴信は言った。
「いや、晴信様と織田の御当主って年齢差ないですよね?」
晴信の言葉に反論すること風の如く、片目に眼帯を付けた女がツッコミを入れた。北海道の猛吹雪がまさに甲府にまで舞い降りたかペースの寒さが訪れ、冷え切っていく。どんどんどんどん・・・
「・・・っごくん」
唾を飲んだ俺の喉の音すら響きそうだ。
「勘助様ってこんなことを平然と言う方でしたっけ?」
中央を開け右に、四人の中で一番こちら側に座っている女の子がそう言った。
「・・・勘助。どうしたの?ついに大胆不敵な策でも思い付いたの?」
「がーっはっはっは。流石御屋形様!こんなペースでも私を下人扱いしないのは貴方だけですぞ!これでも女道を・・・?あれ、何年だっけ。まぁいい!私は思い付いた!あの長尾景虎めを討ち取る上策を!その名を啄木鳥、道を不覚と思わせるほどの大作戦よ!がーっはっはっは。御屋形様、褒めて~」
勘助、信盛が言っていた人だ。武田家の戦を支えてきた女。女でありながら、その品の無い笑い方は男と同じようで、不器用極まりないとか。しかし、戦国世界では最強を馳せる軍師で、いつも武田の当主と一緒に居るのだとか。もしかして、この人が現在この世界で最強と歌われる軍師なのか!?
「・・・申し訳ないね、織田の方。こんなペースで付いていくのも難しいと思うだろうけど、これが武田家なんだよね。気を悪くしたらすまないよ。許してくれ」
「っふ、何を今更。何処の家中もこんなもんさ。うちの織田家だって代わり映え無いね。色々見ていて思ったけど、人それぞれなんだな。何処の家臣も。ただ、一つだけ同じって事は分かる。どれだけ文句を言おうが、どれだけ批判を買おうが、皆御家の為に尽くしてるんだってことが」
不器用ですら、御家の為に戦う。それがこの戦国時代。誰だって戦っちゃダメなんてことは何一つない。毎日が戦場のこの世界で、しちゃいけないことなんて何もない。
「申し遅れました。私の名は相良裕太。織田家で軍師やってます」
言い切った後に、名前を名乗り深く一礼した。
大広間から、明るい声がした。
「高坂、本当に貴様は・・・」
「で、でもこれが一番いい作戦なんですよ!?」
「はぁ・・・デスナ」
「いいではないか、昌景。私はその意見も尊重したい」
「内藤らしい臨機応変さだねぇ。昌景も、こういった適切な処置も覚えないといけないね」
「晴信様。その臨機応変さが時に油断を招いていくのです。今、この状況の様に決まるものも決まりませんぞ!何せ、相手は・・・」
「優柔不断だねぇ・・・」
なんだなんだ、ホームドラマみたいな会話が続いてるし、中でも四字熟語が飛び交ってる気がするんだけど。一体どういうことなんだろうか。
「お、御屋形様。織田の使者が参られました」
横に控えていた女がそういうと、小姓が此方に寄ってきて、襖を開けようとする。
―俺達は今、大広間の襖絵の前に立っていた。
特にいわれも無いが、あの後、城に入ってすぐにここまで連れて来られた。特に織田家との共通する所はないが、一番ビックリしたのは・・・厠。なんと、厠が凄い事になっていた。とはいえ、凄い事は下的な観点から見て話しているのではなく、その設備について。ほとんど現代的な仕様と変わらなかった。レバーを引けば水が流れる仕組みは素晴らしく、また謎だった。正直、厠と言うのはボットン式が普通である。後に言う、水洗い式トイレの技術を持っている武田家は身の程からも素晴らしいのだな、とそう感じていた。
「そうかい、一喜一憂だねぇ。開けて構わないよ」
晴信、と言うものはそういうと襖を開くように小姓に指示をした。
同時に襖がゆっくり開いていく。
信勝は一礼すると、そのまま大広間へ進んでいった。俺と勝三郎は、一度顔を見合ったが同じように中へ入り、信勝の両脇へ座る。
「織田家の使者、織田勘重郎信勝。どうぞ、よろしく」
信勝はいつものようなほんわかペースで話すと、深く頭を下げて顔を上げた。
「ほほう、信長を面白い使者を連れて来たね。私もさっきの手裁きには足をすくわれたよ」
さっきの手裁き・・・?
「誠にすまなかったね。うちの妹がとんだ迷惑を犯したようで。追手に関してはうちの妹の仕業だ。全く、あれ程迷惑を掛けるなと言ったのに・・・。この通りだ」
そういうと、甲斐の守護は頭を下げて目の前に居る三人に謝罪をしたのだ。流石に、それには武田の家臣達も驚き、ざわめいた。しかし、信勝は・・・。
「いや、いいよ~。楽しかったし。実際、この二人が全て追っ払ってくれたから私にはなんの被害も無いから~。山賊のおじさん達も、楽しそうに踊りまわってたし~」
ダメダメ信勝。あれは踊りじゃないの。禁止ワードだから言えないけど、そっち系だから!信勝は気にしちゃダメなやつだから!絶対に信勝に教えたら、織田家で蔓延する病気みたいなものだから!止めて!
信勝は後ろを向いて、俺達のことを見るとそう説明して嬉しそうに下笑んでいた。
「しかしまぁ、信長殿自信が此方に参らないと言うのは、一体何かあったのかい?」
信玄が興味を誘うように信勝に問いかける。
「我が姉は現在、戦準備で忙しく。昨日は松平様をお迎えしたばかりですので」
隣に座っていた勝三郎が、恐る恐る頭を下げて次のように述べた。
「あの若娘も、ようやく美濃を取りに動き出すのか・・・」
と、全てを読み悟ったように目の前で腰掛けに寄り掛かる晴信は言った。
「いや、晴信様と織田の御当主って年齢差ないですよね?」
晴信の言葉に反論すること風の如く、片目に眼帯を付けた女がツッコミを入れた。北海道の猛吹雪がまさに甲府にまで舞い降りたかペースの寒さが訪れ、冷え切っていく。どんどんどんどん・・・
「・・・っごくん」
唾を飲んだ俺の喉の音すら響きそうだ。
「勘助様ってこんなことを平然と言う方でしたっけ?」
中央を開け右に、四人の中で一番こちら側に座っている女の子がそう言った。
「・・・勘助。どうしたの?ついに大胆不敵な策でも思い付いたの?」
「がーっはっはっは。流石御屋形様!こんなペースでも私を下人扱いしないのは貴方だけですぞ!これでも女道を・・・?あれ、何年だっけ。まぁいい!私は思い付いた!あの長尾景虎めを討ち取る上策を!その名を啄木鳥、道を不覚と思わせるほどの大作戦よ!がーっはっはっは。御屋形様、褒めて~」
勘助、信盛が言っていた人だ。武田家の戦を支えてきた女。女でありながら、その品の無い笑い方は男と同じようで、不器用極まりないとか。しかし、戦国世界では最強を馳せる軍師で、いつも武田の当主と一緒に居るのだとか。もしかして、この人が現在この世界で最強と歌われる軍師なのか!?
「・・・申し訳ないね、織田の方。こんなペースで付いていくのも難しいと思うだろうけど、これが武田家なんだよね。気を悪くしたらすまないよ。許してくれ」
「っふ、何を今更。何処の家中もこんなもんさ。うちの織田家だって代わり映え無いね。色々見ていて思ったけど、人それぞれなんだな。何処の家臣も。ただ、一つだけ同じって事は分かる。どれだけ文句を言おうが、どれだけ批判を買おうが、皆御家の為に尽くしてるんだってことが」
不器用ですら、御家の為に戦う。それがこの戦国時代。誰だって戦っちゃダメなんてことは何一つない。毎日が戦場のこの世界で、しちゃいけないことなんて何もない。
「申し遅れました。私の名は相良裕太。織田家で軍師やってます」
言い切った後に、名前を名乗り深く一礼した。
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