時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~

芒菫

信勝が居ないっ!?(修正版)

「・・・あれ、そういえば忘れてたんだけど」

ふと思い出したので、口に出してみる。
勝三郎も、何のことかと少し好奇心を寄せていた。

「信勝って・・・何処行ったの?」

辺りを見渡してみれば、心地よく吹く風に乗せられていつの間にか忘れてしまう現実があった。何故だろうか、いつの間にか信勝が姿を消している。確かに、多少離れた草原へと駆けて行ったから遠くに見えるのは普通のはずだが・・・何処にもいない。

「それは。流石に信勝様とて、そこまでおっちょこちょいではありませんよ・・・?」

辺りを見渡す俺の言葉に、反感を受けた勝三郎は信勝のことをフォローする。

「・・・そういえば何処にも居ない」

続いて辺りを見渡す勝三郎が、信勝の姿が何処にも無いことを実感すると少し焦り染みた言葉を発する。そこに釣られたわけではないが、なんとか冷静を保っているのも限界だった。

「・・・ま、まぁあれだろ。先に城下にでも行ってるんだろ。ああ見えて行動は早いからなー信勝。絶対そうだよ」

空を見上げながら早口言葉の様にペラペラと語呂を並べて言い放った。

「そそそ、そうですよ!信勝様は行動が早くて決断力もある!それ故、要らない私たちを置いて先に行ってしまったわけです!やはり信勝様!!一生ついて行きたい!!!」

おいおい、そこの要素の何処に馬を合わせる道理があるってんだよ。全然無いじゃん。それ、対等じゃなくて一方的になってるよね?もはや信勝なしじゃ生きられないくらいだよね?それって恋って言うんだよね?

「・・・すまないが、女子同士の恋愛については専門外だから。そこのところ、宜しく」

肩を竦める様にうずくまって俺は言うと、頭の上にクエスチョンマークを浮かべた勝三郎。とにかく、そんな事は後にして俺達は走り出した。

「折角着いて、一休みしたかったのにどうしてこう、問題起こされるかね~!」

「相良殿、間違っておるぞ。先程、信勝様は正しいだのなんだのほざいていたではありませぬか。それは所謂、矛盾と言うやつです」

「はいはい、分かったよ~。とにかく急ごうね」

確かに自分の言った事だが、それに対してとやかく言われる義理ってものは一つも無い。ならば二倍のスピードで、なおかつ肺活量を大切に、城下まで走っていくに他ならない。案外、関所の無い織田家の軍門とは異なっている所が多々あるが、城下町に急ぐ他、信勝が行きそうなところは無かった。

「・・・あれ~?二人とも、急いで何してるの~?」

すると突然真横から、良く聞くほんわか神の安らぎ声が聞こえてきた。勝三郎はいち早く感知したのか、俺よりも数秒は早く止まって引き返した。なんたる技術力!その瞬発力と反射神経は伊達にならないな。流石は剣豪。

「・・・の、信勝様あああ!?」

先に大声を上げたのは勝三郎。信勝が、百姓たちと会話している様子が伺えた。

「え~?どうしたのそんな大声出して~?まさか、迷子だったとか~?」

はい、そうです。大半が当たっております。多分、迷子になっていたのは俺達だった。信勝が全く見えなかったのは、俺達の失態だが、信勝は同じ場所の近くから全然離れた所に向かっている様子は無かったからだ。

「うううう・・・信勝様が居なかったので・・・」

と、言ってはしゃがんだと見せかけ伏せる。勝三郎より一回り背の小さい信勝だが、この状態だと、頭を撫でている信勝の方がお姉ちゃん補正掛かってる気がした。と言うか、流石は義姉妹な気がする。

「・・・はぁ、しかし此処に居てくれてよかったよ。てっきり一人で城下に向かっていたのかと思ってた」

「たーくんも案外心配性なんだね~。百姓の皆が、武田についてどう感じているか聞き取りしてたんだ~。だから特に行く宛も無かったし、逆にたーくんが何処かに行っちゃうし。まぁ、帰ってくると思ってたから~」

お淑やかに、また華やかに。そのイメージを一切欠かすことなく、今日までほんわか神をやってきたからなのだろう。言葉の重みが感じられた。

「いや~まさが、織田のかたとわ~。思いませんでしたよぉ~」

「うちの晴信様わ、御父上と違ってぇ、領民も家臣も身分も平等みたいなお方ですからぁ。どうぞ、わっち達のことも、良ければよろしく言っといてくだせ」

領民に好かれている当主で、平等主義なのか。とすると、才覚で棚上げしてくれるような人かな?信長方式みたいで面白い。

「うんうん。言っとくからね~。さ、二人とも。お城へれっつらごー」

今度こそ、本当に、お城へ、向かいます!!




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